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仕事消滅 AIの時代を生き抜くために、いま私たちにできること
 [社会・政治・時事]

仕事消滅 AIの時代を生き抜くために、いま私たちにできること (講談社+α新書)  
鈴木貴博/著
出版社:講談社(講談社+α新書)
出版年月:2017年8月
ISBNコード:978-4-06-272998-7
税込価格:756円
ファイル容量:2.6MB
 
 
 AIとロボットの発達は、やがて人間の仕事を奪う……仕事消滅。その具体的な未来像を描く。
 まず、押さえておかなければならないのは、これまで信じられてきた、単純作業が機械に取って代わられる、という状況にはなりそうもない、ということ。予想に反して、人間の知能を超えるAIの登場が、人間の知的作業を奪うという見通しが語られる。意外に最後まで残るのが、人間にしかできない細かい手先の仕事であるという。つまり、「足」「脳」「腕」「顔(表情)」「手の指」の順で、人間の仕事がAI/ロボットに置き換わっていく。
 真っ先に訪れるのが、自動運転車の登場による、ドライバーの失業である。それが2025年……。ごく身近な将来の話である。
 
【目次】
第1章 仕事はいつ消滅するのか?
第2章 仕事はなぜ消滅するのか?
第3章 仕事消滅から生き延びることはできるのか?
第4章 仕事が消滅していく過程で何が起きるのか?
第5章 不幸な未来はどう回避できるのか?
第6章 未来はどうなるのか?
 
【著者】
鈴木 貴博 (スズキ タカヒロ)
 経営戦略コンサルタント。東京大学工学部卒。ボストンコンサルティンググループ等を経て2003年に独立。過去20年にわたり大手人材企業のコンサルティングプロジェクトに従事。人工知能がもたらす「仕事消滅」の問題と関わるようになる。経済評論家としてメディアなど多方面で活動している。
 
【抜書】
●2025年
オックスフォード大学のオズボーン准教授とフレイ博士。「2025年から2035年までに日本の労働力人口の約49%が就いている仕事が、AIとロボットによって代替可能になる」という予測。
 
●2045年
 〔2045年には一台のAIが人類全体の頭脳を足し合わせたものを超える知能を獲得すると言われている。そこから先は、ハードウェアを拡張すればAIの思考力は神の領域に達するだろう。今、世の中にある無駄な仕事がすべて発見されて、それらを省いたまったく次元の違う生産性の高い「最適な」産業システムが、AIの手で設計さえてしまう可能性があるからだ。〕
 
●特徴量
 2000年代までは、人間が猫を判断する基準(AIの専門用語で「特徴量」という)を作って、コンピュータにプログラミングしなければならなかった。
 最先端のAIは、コンピュータが自力で猫を理解する。 ⇒ ディープラーニング
 
●ディープラーニング
 ディープラーニング(深層学習)は、長い間、理論的には可能と言われてきたが、なかなかプログラム処理を実現できなかった。
 2012年に初めてグーグルの猫のケースでプログラム化に成功した。
 第1層:AIが見つけた猫の特徴……「耳がぴんと立っている」「ヒゲが横に伸びている」「目が猫目である」「歯が鋭い」という特徴量で定義。
 第2層:「これが耳である」「これが目である」(顔に一対ある円形の器官)といった上の層の判断をするために必要な概念を学ぶ。
 第3層:「顔」とは何か、「一対」とは何か、「円形」とは何か、を定義する。
 どんどん深い層に降りて物事を定義し、学習していく。
 
●30年後
 最初にイノベーションの種が発明され、市場にプロトタイプの商品が出る。
 この段階から破壊的イノベーションの脅威が現実になるまでの時間はほぼ20年。
 古い業界最大手が消えていくのが30年後。
《デジカメの場合》
 1981年、ソニーが「マビカ」というデジカメの元祖ともいうべき商品の試作品を発表。
 1995年、カシオがQV-10(25万画素)を発売。ヒット商品に。PCに画像が取り込める。
 2000年代、プロ向けも含めてカメラはデジカメに置き換わった。
 2012年、世界最大の銀塩フィルム・メーカーだったイーストマンコダックが、連邦破産法を申請。
《AIの場合》
 2012年、学習能力を備えたAIが出現(グーグル)。 
 2032年には、人間よりも賢い「AIの上司」が人間から仕事を奪う現実の脅威になっている?
 
●フクシマショック
 二足歩行ロボットの開発が世界中で盛んになっている。
 きっかけは、2011年、放射能汚染事故「フクシマショック」。
 当時、日本で注目を浴びていた自律型二足歩行ロボットの性能では、がれきの山を乗り越えて原子炉のある建屋まで歩いていくことは不可能だった。
 
●手、指
 人類がロボットやAIに最後まで勝てる能力は「手」、その中でも特に「指」の能力。
 「足」「脳」「腕」「顔(表情)」「手の指」の五つの要素がすべて人間に追いついたとき、はじめてAI搭載ロボットは人間と同じ仕事ができるようになる。
 
●仕事消滅
 2025年、仕事消滅は、最初にドライバーの仕事で起きる。
 2030年ごろ、パラリーガル(弁護士助手)、銀行の融資担当者、裁判官といった、主に「頭を使う専門家の仕事」がAIに奪われる。
 2035年ごろ、汎用的な管理職、経営者、研究者、クリエイターの仕事もAIに取って代わられる。ロボットの足と単純な手の役割が人間に近づき、重いものを設置する仕事、宅配業者の配達の仕事もなくなっていく。
 2040年以降、知的労働の大半はなくなる。人間に残された仕事の大半は、ロボットより優れた指先が必要な単純労働に絞られていく。パティシエが菓子を造形するような仕事が「高度な技能職」として世界で一番給料が高いレベルの仕事になる? バックヤードから商品を運んで陳列するコンビニの店員、手先の器用さが要求されるマクドナルドのハンバーガー調理店員、などが最後に残る仕事?
 2035年以降の世界では、「マックジョブ」(本来は、「マニュアル通りに行う仕事」の意)を労働力人口全体で競い合うようになる?
 
●ロボット経済三原則
 雇用がなくなり、経済が縮小するディストピアを回避するために、AIとAI搭載ロボットのコスト競争力を下げるための政策。
 〈原則1〉すべてのAI/ロボットの利用権を国有化する。
 〈原則2〉AI/ロボットの産業利用に対しては、その働きが人間何人分かを計測し、その仕事に応じた賃金を国に支払う。ただしAI/ロボットの家庭利用/私的利用については、特に賃金を支払う必要はない。
 〈原則3〉AI/ロボットに支払われた給料はそのまま国民に配分する。
 
●五つの生き方
 仕事がなくなった人類は、ローマ人のような五つの分野を追求しながら「充実した人生」を送るようになるだろう。
 (1)芸術家……AIが芸術を量産するので、芸術家の生きる場はライブへと移行する。たとえば生け花。「消えていくライブ芸術」を追求。
 (2)学究人……過去の文献を読み、自分の関心のある事柄に思いをはせ、特定の分野ついて知の巨人となる。ノーベル賞級の新たな発見や研究は、AIが担う。
 (3)アスリート……プロスポーツの主役は人間。ロボット同士の競技では感動は生まれない。
 (4)趣味人……さまざまな趣味は、ロボットやAIと何の関係もない。
 (5)遊び人……もっとも対象者が多い。美食、宴会、友との語らい、……。
 
(2017/12/13)EB
 
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最後の超大国インド 元大使が見た親日国のすべて
 [社会・政治・時事]

最後の超大国インド 元大使が見た親日国のすべて
 
平林博/著
出版社名:日経BP社
出版年月:2017年6月
ISBNコード:978-4-8222-5524-4
税込価格:1,836円
頁数・縦:285p・21cm
 
 
 在任5年に及んだ元インド大使によるインド論。
 インドは、米国、ロシア、中国に伍して、4番目に超大国になるという。そしてインド以降、超大国は出ないであろう。そんな見解を反映したタイトルである。
 元インド大使らしく、インドという超大国を多角的に紹介する。
 
【目次】
第1章 インド理解のカギ
 インドの大きさと経済力
 世界最大の民主主義国
  ほか
第2章 超・親日インドの淵源
 インド人の日本観
 日印関係の基礎を築いた偉大な先駆者たち
  ほか
第3章 インドの大変貌
 独立から冷戦終了まで―非同盟主義により欧米・日本と疎遠に
 新興国から世界の大国へ―ニュー・インドの誕生
  ほか
第4章 日印繁栄のための経済・ビジネス協力
 インドで高まる日本の存在感―ODAによるインドの国造り・人づくり
 日印関係の将来を作る人的交流
  ほか
第5章 インドで生活し、仕事するための心構え
 極端が併存し、平均値は意味がない
 インド人とどう付き合うか?
  ほか
 
【著者】
平林 博 (ヒラバヤシ ヒロシ)
 日印協会理事長・代表理事。1963年東京大学法学部卒業、外務省入省。在外公館では、イタリア、フランス、中国、ベルギー、及び米国に勤務。本省では、官房総務課長、経済協力局長等を歴任。在米大使館参事官時代に、ハーバード大学国際問題研究所フェロー兼同研究所日米関係プログラム研究員。1990年駐米公使、1995年内閣官房兼総理府外政審議室長(現在の内閣官房副長官補)、1998年駐インド特命全権大使、2002年駐フランス特命全権大使、在任中にリヨン第二大学より名誉博士号を授与、2006年在外公館査察担当大使。2007年外務省退官。同年から現職。
 
【抜書】
●紙幣発行(p2)
 ナレンドラ・モディ首相は、2016年11月、それまで流通していた500ルピー札(約800円)と1,000ルピー札(約1,600円)を、発表の翌日から無効とした。インドでは高額紙幣。
 新たに500ルピー札と2,000ルピー冊ができるのを待って交換する。その間は銀行に預ける。さもなければ、使えなくなる。
 狙いは二つ。
 (1) 不正なビジネスや汚職、脱税などでため込んだ現金を使えなくする。
 (2) テロリストたちが偽造紙幣を増発してインドの治安を脅かしていることを阻止する。
 効果はてきめんだった。インド経済への悪影響はほとんど見られず、インドの株価指数(Sensex)も上昇を加速した。
 
●インド国旗(p52)
 上から、サフラン(ヒンドゥー教を象徴)、白(仏教を象徴する法輪がある)、緑(イスラム教)の3色の帯。法輪は、アショカ大王の柱からとったもの。
 なお、サフランは勇気と犠牲、緑は公平と騎士道、白は平和と両宗教の和解を表すとも言われる。
 
●ザビエル(p68)
 フランシスコ・ザビエルは、1551年、日本からゴアに戻ったが、その後、中国に赴き、上陸した上川島で発病、客死した。
 遺体は、ゴアのボン・ジーザス教会に安置され、ミイラ化した。
 現在でも世界遺産に指定され、この教会に安置されている。10年ごとにガラスケースに入れて公衆の前に陳列される。
 1554年の拝観の際、信者の女性が右足の2本の指をかみ切って逃走。あとで返還された。ガラスケースの中、ザビエルの右足が参拝者に見えるよう、右指の部分だけ着衣から出されていた。確かに、2本が欠けていた。
 1614年、イエズス会の命令により、右腕は切断され、現在マカオにある。
 耳や毛はポルトガルのリスボン、歯はポルトガルのポルト、胸骨の一部は東京に分骨されている。
 
●国連未加盟国(p231)
 現在、国連の加盟国は193か国。日本が承認していない北朝鮮も含む。
 未加盟国は、ヴァチカン、コソボ、クック、ニウエ。
 
(2017/12/9)KG
 
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国際政治 恐怖と希望
 [社会・政治・時事]

国際政治 - 恐怖と希望 (中公新書)
 
高坂正堯/著
出版社名:中央公論新社(中公新書 108改版)
出版年月:2017年10月
ISBNコード:978-4-12-180108-1
税込価格:821円
頁数・縦:233p・18cm
 
 
 1966年8月初版で、2015年12月には50版までいった新書の改版。
 50年以上前の著作ではあるが、ジャン・ジャック・ルソーやイマヌエル・カントからの引用が随所で見られ、彼らの言説がいまだに通じるということは、国際政治の
「複雑怪奇」さは、なかなか古びない、ということか。
 
【目次】
序章 問題への視角
 権力闘争の変質
 国際政治の三つのレベル
第1章 軍備と平和
 勢力均衡
 軍備縮小
 軍備規制と一方的段階的軍縮
第2章 経済交流と平和
 経済と権力政治
 権力政治と経済交流の分離
 エゴイズムと相互の利益
第3章 国際機構と平和
 強制力の問題
 世論の力
 国際連合の意味
終章 平和国家と国際秩序
 国際社会と国内体制
 現実への対処
 
【著者】
高坂 正堯 (コウサカ マサタカ)
 1934年(昭和9年)、京都市に生まれる。京都大学法学部卒業。1960年より2年間ハーバード大学留学。法学博士。京都大学教授。専攻は国際政治学、ヨーロッパ政治史。1996年(平成8年)5月、逝去。
 
(2017/12/9)KG
 
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アルカイダから古文書を守った図書館員
 [歴史・地理・民俗]

アルカイダから古文書を守った図書館員  
ジョシュア・ハマー/著 梶山あゆみ/訳
出版社名:紀伊國屋書店
出版年月:2017年6月
ISBNコード:978-4-314-01148-8
税込価格:2,268円
頁数・縦 :349p・20cm
 
 
 マンマ・ハイダラの息子、アブデル・カデル・ハイダラが、「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ(AQIM)」や、トゥアレグ族の独立派からトンブクトゥの古文書を守るために奮闘する物語。
 彼は、アフマド・ババ研究所のために、マリ国中そして周辺国から古文書を集める仕事を請け負い、さらには自分の父祖が集めた古文書を保存するためのマンマ・ハイダラ記念図書館を建てる。そして、トンブクトゥには45の図書館と37万8,000冊の古文書が保管されることになる。
 2012年から2013年にかけて過激派に占領されたトンブクトゥから、このうちの数十万冊を首都バマコまで秘密裏に輸送し、過激派の破壊から守ったのである。
 
【目次】
重責を負わされた少年
失われた黄金の歴史
古文書を探す苦難の旅
私設図書館第一号の誕生
トンブクトゥの新たな春
忍び寄るイスラム原理主義
警戒を強めるアメリカ
吹き荒れるテロの嵐
危険な同盟
トンブクトゥに迫る戦火
征服と抑圧
古文書救出作戦の開始
破壊と残虐
トンブクトゥ脱出
南下する恐怖
フランスの軍事介入
ニジェール川の輸送作戦
勝利と解放
戦いの終焉
 
【著者】
ハマー,ジョシュア (Hammer, Joshua)
 ニューヨーク生まれ。プリンストン大学で英文学を専攻。1988年に『ニューズウィーク』に入社し、ビジネスやメディア関係の記事を担当。1992年から2006年までは、五つの大陸で同誌の支局長兼特派員をつとめる。2007年からはドイツのベルリンを拠点に世界各地を取材し、『スミソニアン』誌、『アウトサイド』誌、『ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス』誌などに定期的に奇稿。2016年度の全米雑誌賞など、ジャーナリズム関係の賞を多数受賞している。
 
梶山 あゆみ (カジヤマ アユミ)
 東京都立大学人文学部英文学科卒業。翻訳家。
 
【抜書】
●トンブクトゥ(p26)
 12世紀初頭、トゥアレグ族(サハラ砂漠で放牧を営む遊牧民)の一家が、サハラ砂漠から250km南のニジェール川流域に着いた。毎年夏に、砂漠の酷暑を避けてこの草原へ遊牧するのを習わしとしていた。
 ある夏、数km北寄りのニジェール川の支流近くに、もっと過ごしやすそうな場所を見つけた。浅い井戸が一つあって、美味しいきれいな水を飲むこともできる。
 9月になって、一家は、近くに住むトゥアレグの女性に重い荷物を預けて砂漠に戻った。一家はその女性を、ブクトゥ(へその大きな人)と呼んでいた。
 翌年の夏、また南に向かう一家は行き先を尋ねられてこう答えた。「われわれはブクトゥの井戸(ティン)――ティン・ブクトゥに行く。トンブクトゥは、フランス語読み。
 そこはラクダにとっても川舟にとっても便がよいことから、次第に野営地としての評判が広まっていった。
 その後100年で、世界の十字路として発展を遂げ、二つの文化がぶつかる要衝となった。
 農民に漁師。トゥアレグ族の貴族階級とその奴隷「ベラ族」。ガーナ帝国の暴君のもとを逃れたアラブ人やベルベル人(北アフリカに住むコーカソイド系の民族)の商人。
 
●コロフォン(p30)
 コロフォン……ギリシャ語で「最後の仕上げ」という意味。トンブクトゥの写本には、すべてコロフォン(現在の奥付にあたる)が付されている。
 筆写の開始・終了時期、写本が造られた場所、書家や校正者の名前が記録された。アラビア語に母音記号を振る役割をもった、第三の職人の名も記載。時には、写本制作を依頼した顧客の名も。
 
●アフマド・ババ(p37)
 アフマド・ババ・アル・マスフィ、1556年、アラワン生まれ。岩塩鉱とオアシスの町。黒人で、黒いアイシャドウをつけ、黒づくめの服を着ていたので、「黒い人」の異名をとる。
 トンブクトゥのサンコーレ大学の図書館向けに60冊の本を書いている。コーランやハディースの注釈書、北アフリカのマーリク学派を取り上げた人名事典、天文学書、『煙草使用の正当性について』『アフマド・ババが奴隷制に関するモロッコ人の問いに答える』、など。
 
●黄金時代の終焉(p40)
 1591年、火縄銃と大砲を装備したモロッコの軍隊がトンブクトゥを包囲。ソンガイ帝国の王アスキア・イスハーク2世は殺害される。その兄弟が後継者として即位、モロッコの王に忠誠を誓った。
 モロッコ軍はサンコーレ・モスクを襲撃、アフマド・ババの書庫を略奪。アフマド・ババ自身や何十人もの学者がモロッコに連行され、学問の都の黄金時代は幕を閉じた。
 
●KITAKATA(p90)
 アフマド・ババ研究所で、作業室の様子を見学。傷みやすい古文書のページを「KITAKATA」と呼ばれる日本製の紙で補強していた。薄くて丈夫。裂け目の補修やページの裏打ちに最適。古文書はふつう、紙の片面にしか文字が記されていない。
 
●ギニアビサウ(p145)
 ギニアビサウは、大西洋に面した「麻薬国家」。イスラム教過激派のアブデルハミド・アブ・ゼイドもモフタール・ベルモフタールも、トゥアレグ族やアラブ人の運び屋を使って麻薬を陸路でアンリからギニアビザウへ運び、麻薬売買を行っていた。
 
(2017/12/9)KG
 
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〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則
 [社会・政治・時事]

〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則  
ケヴィン・ケリー/著 服部桂/訳
出版社名:NHK出版
出版年月:2016年7月
ISBNコード:978-4-14-081704-9
税込価格:2,160円
頁数・縦:401,13p・20cm
 
 
 訳者があとがきで本書の要旨を以下のようにまとめてくれている。
 「ネット化したデジタル世界は名詞(結果)ではなく動詞(プロセス)として生成し(第1章 BECOMING)、世界中が利用して人工知能(AI)を強化することでそれが電気のようなサービス価値を生じ(第2章 COGNIFYING)、自由にコピーを繰り返し流れ(第3章 FLOWING)、本などに固定されることなく流動化して画面で読まれるようになり(第4章 SCREENING)、すべての製品がサービス化してリアルタイムにアクセスされ(第5章 ACCESSING)、シェアされることで所有という概念が時代遅れになり(第6章 SHARING)、コンテンツが増えすぎてフィルターしないと見つからなくなり(第7章 FILTERING)、サービス化した従来の産業やコンテンツが自由にリミックスして新しい形となり(第8章 REMIXING)、VRのような機能によって高いプレゼンスとインタラクションを実現して効果的に扱えるようになり(第9章 INTERACTING)、そうしたすべてを追跡する機能がサービスを向上させライフログ化を促し(第10章 TRACKING)、問題を解決する以上に新たな良い疑問を生み出し(第11章 QUESTIONING)、そしてついにはすべてが統合され彼がホロス(holos)と呼ぶ次のデジタル環境(未来の〈インターネット〉)へと進化していく(第12章 BEGINNING)」。
 なるほど、そういうことだったのか。
 
【目次】
BECOMING ビカミング
COGNIFYING コグニファイング
FLOWING フローイング
SCREENING スクリーニング
ACCESSING アクセシング
SHARING シェアリング
FILTERING フィルタリング
REMIXING リミクシング
INTERACTING インタラクティング
TRACKING トラッキング
QUESTIONING クエスチョニング
BEGINNING ビギニング
 
【著者】
ケリー,ケヴィン (Kelly, kevin)
 1952年生まれ。著述家、編集者。1984~90年までスチュアート・ブラントと共に伝説の雑誌ホール・アース・カタログやホール・アース・レビューの発行編集を行い、93年には雑誌WIREDを創刊。99年まで編集長を務めるなど、サイバーカルチャーの論客として活躍してきた。現在はニューヨーク・タイムズ、エコノミスト、サイエンス、タイム、WSJなどで執筆するほか、WIRED誌の"Senior Maverick"も務める。
 
服部 桂 (ハットリ カツラ)  
 1951年生まれ。1978年、朝日新聞社入社。1987~89年までMITメディアラボ客員研究員。科学部記者や雑誌編集者を経て、現在はジャーナリスト学校シニア研究員。
 
【抜書】
●テクニウム(p18)
 テクノロジーの活動空間を生命における生態系と同等なものとして定義した著者の造語(訳注)。
 
●アーミッシュ(p35、BECOMING)
 アーミッシュも、インターネットを使う。
 〔私は、彼らが自分たちのウェブサイトについて話すのを聞いて驚いた。
 「アーミッシュのウェブサイトがあるんですか?」
 「家業の宣伝用にね。店ではバーベキュー用のグリルを溶接しているんです」
 「そうですか、しかし……」
 「ああ、ネット用の端末は、公共図書館にあるものを使っています。ヤフーも使っていますよ」〕
 自宅には電話もテレビもなく、電気も使っていない。ウェブサイトを作っても、仲間のアーミッシュは自宅で見られない。やはり、図書館で見るのだろうか!?
 
●異質の知性(p65、COGNIFYING)
 〔AIという言葉は「異質の知性(Alien Intelligence)」の略号にもなることだろう。これから200年の間に、夜空に輝く何十億もの地球型惑星に住む宇宙人との接触があるかどうかは分からないが、その頃までにわれわれが異星人のような知能を作り上げていることはほぼ100%確かだ。そうした人工的な異星人からは、実際に宇宙人に遭遇したかのような恩恵や脅威を受けることになるだろう。〕
 
●ロボット(p70、COGNIFYING)
 元MIT教授のロドニー・ブルックス、リシンク・ロボティクス社にて、ワークボットのバクスターを製作。人間の横で一緒に働く工業用ロボットの先駆け。
 「今は製造業といえば中国ということになっています。でもロボットのおかげで生産コストが下がるにつれ、輸送コストの方がはるかに大きなものになるでしょう。近場で生産した方が安くなるのです。そこで私たちは、地域のフランチャイズ化した工場のネットワークを作り、納品先から5マイル以内で生産できるようにするつもりです」(ブルックス)
 
●第三段階(p86、FLOWING)
 現在は、コンピュータ化の第三段階。
 第一段階……工業化から借用。最初の商用コンピュータは、オフィスの姿を真似して、画面に「デスクトップ」「フォルダ」「ファイル」が並べられた。
 第二段階……ウェブの原理によって体系化された。基本的な単位はファイルではなく「ページ」となり、ネットワーク化されたウェブに並べられた。「フォルダ」に整理されるのではなく。デスクトップのインターフェイスは、「ブラウザ」という、どんなページもいくらでも表示できる単一のウィンドウに置き換えられた。
 第三段階……いまでは、第三段階に移行中。主要な単位は、流れとストリーミング。〔われわれは常にツイッターの流れやフェイスブックのウォールに流れる投稿を注視している。写真や映画や音楽をストリーミングで楽しんでいる。テレビの画面の下にはニュースのバナーが流れている。〕
 時間の流れも変化している。
 第一の時代は、仕事はまとめて(例えば月末に)行うバッチ方式。
 第二の時代は、すべてのことがその日のうちに行われるのが当たり前になった。
 今や、1日単位からリアルタイムへと変わった。
 
●生成的なもの(p92、FLOWING)
 無料よりも良い、コピーできないもの。
 〔生成的な価値は、取引をした時点で生成される資質や特性を指す。生成されたものはコピーもクローン化もできず、倉庫にしまっておくこともできない。生成的なものは偽ったり複製したりはできない。それはリアルタイムで交換されるときにだけ起きる。生成的な資質は無料のコピーに価値を与え、値段を付けて売れるものにする。〕
 
●3倍(p118、SCREENING)
 人々が文字を読む時間は80年代と比べてほぼ3倍になっている。
 2015年までにウェブには60兆ページの情報がアップされ、毎日数十億ページずつ増えている。
 
●高速連続視覚表示(p121、SCREENING)
 高速連続視覚表示と呼ばれる読書の実験では、1語しか表示されないスクリーンを使う。大きさは切手程度。
 
●ビール缶(p147、ACCESSING)
 過去30年のトレンドは、より良いものをより少ない材料で作ることだった。非物質化。
 ビール缶は、基本的な形やサイズや機能は80年間変わっていない。
 1950年には、錫メッキした鉄製で73gの重さだった。
 1972年には、アルミ製の缶ができ、21gになった。
 現在では、手の込んだ畳み込みやカーブの工夫によって原材料を減らし、13gにまで減った。初期の重さの5分の1。
 
●FireChat(p172、ACCESSING)
 2014年、香港の学生たちは、中国政府の弾圧・監視に対抗するために、FireChatというアプリを作った。中継局を介さず、WiFiの無線で電話同士が直接交信できる。さらに、ファイアチャットを入れている第三者に転送できる。自分宛でないメッセージを受けた電話は、次々とそれを目的の相手までリレーしてつないでいく。
 メッシュ……FireChatのように、P2Pが張り巡らされたネットワーク。
 
●ギフトの共有(p191、SHARING)
 インターネットは、経済原理に動かされているというより、ギフトを共有することによって動いている。
 ハッカー、プログラマーたちが、オープンソースのために無償で働いている動機は、「学んで新しい技能を身につけるため」。ある学者は、「無料で働く主な理由は、自分という鈍ったソフトウェアを改善するため」と言っている。
 
●ウィキペディア(p201、SHARING)
 ウィキペディアは、100万人単位の人々が書き込む一方で、約1,500人の編集者が責任を持って書き込みをチェックしている。
 膨大な貢献を管理しているのは、それよりもはるかに小さな調停者の集団。
 
●テッド・ネルソン(p328、TRACKING)
 ハイパーテキストを発明した人物。
 1980年代半ば、他人との会話をすべて録音したり映像に収めたりしていた。初期のライフログの例。
 何千人にも会っていたので、大きな倉庫を借りて、その中いっぱいに録音したテープを保管していた。
 
●共監視(p347、TRACKING)
 人類はずっと長い間、部族や氏族で暮らしていた。そこではすべての行為が丸見えで、秘密などなかった。われわれの精神は、常に共監視される環境の中で進化してきた。
 進化論的に言えば、共監視は自然状態。懐疑的な現代とは対照的に、循環する世界ではお互いが監視しあうことに関して大きな反動はない。それが本当に公平で対称的に行われるなら、快適なものになりえる。
 
(2017/12/2)KG
 
〈この本の詳細〉


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