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驚くべき日本語
 [言語・語学]

驚くべき日本語 (知のトレッキング叢書)

ロジャー・パルバース/著 早川敦子/訳
出版社名 : 集英社インターナショナル(知のトレッキング叢書)
出版年月 : 2014年1月
ISBNコード : 978-4-7976-7265-7
税込価格 : 1,080円
頁数・縦 : 185p・19cm

 
日本語はリンガ・フランカになり得る
 英語を母語とし、20歳を過ぎてからロシア語、ポーランド語、日本語を学んだロジャー・パルバースによる、日本語讃歌。
 彼によれば、話し言葉としての日本語は、外国人にとって習得するのが簡単な言語であるという。「世界言語」(リンガ・フランカ)に最も向いているとまで論じる。それは、語彙(特に動詞)が少なく、動詞の変化や時制がシンプルだからだ。「てにをは」で格を表せるなど、膠着性も利点として挙げている。音素の少なさは指摘していないが、これは、日本語に特有ではないのか?
 まあ、その通りだとしても、問題は書き言葉としての日本語だろう。これは、日本人でさえてこずっている。

【目次】
第1章 言葉とは何
 言語は、一言語から新しい多言語へと分岐した
 言葉は「敵」と「味方」を区別する道具になっていった
  ほか
第2章 日本語は曖昧でもむずかしい言語でもない
 日本語は、「世界言語」に最も向いている言語の一つである
 日本語はむずかしいという神話はなぜ生まれたのか?
  ほか
第3章 日本語―驚くべき柔軟性をもった世界にもまれな言語
 日本語は「かな」を足すだけで、別のニュアンスを加えられる
 柔軟性のある日本語は他言語ほどの語彙を必要としない
  ほか
第4章 世界に誇る美しい響きの日本語とは
 言葉の「響き」とは何か
 言葉の響きと意味の結合から生まれるイメージが、美しさの基準となる
  ほか
第5章 「世界語」(リンガ・フランカ)としての日本語
 かつての植民地化時代、その可能性はあった
 もし日本語が植民地で国際語化していたら、日本語はどうなっていたか?
  ほか

【著者】
パルバース,ロジャー (Pulvers, Roger)
 1944年アメリカ生まれ。作家/劇作家/演出家。ハーバード大学大学院ロシア地域研究所で修士号を取得。ポーランド、フランスへの留学後、1967年よりほぼ半世紀を日本で過ごし、英・露・ポーランド・日本語の4カ国語をマスター。日本各地を旅し、日本と日本人の特質と独自性に驚嘆。大島渚監督作品『戦場のメリークリスマス』の助監督などを経て執筆活動を開始。宮沢賢治の作品の英語翻訳にも数多く携わり、その功績から第18回宮沢賢治賞(2008年)、第19回野間文芸翻訳賞(2013年)を受賞。

早川 敦子 (ハヤカワ アツコ)
 1960年生まれ。津田塾大学学芸学部英文学科教授。専門は20世紀から現代にいたる英語圏文学、翻訳論。

【抜書】
●白紙状態(p50)
 白紙状態(タブラ・ラサ)。外国語を習得するコツは、第一言語を忘れ、頭と心を白紙状態に戻すこと。ベラスケスの絵画「シビュラ」(1648年)を引用。
〔 日本語であれ他の言語であれ、世界のすべての人にとって外国語の習得を可能にするのは、生まれついての第一言語の論理を消し去る能力だということです(それさえできれば、ほとんどの外国人が日本語を完璧に習得することは可能です)。〕(p59)

●動詞(p78)
 動詞が少なく、語尾変化が比較的規則的で易しく、時制がシンプルなことが、日本語が覚えやすい理由の一つ。
 〔日本語という「車」は、世界中のだれにとっても非常に運転しやすい言語だといえます。その車には、日本語の動詞という、とてもスムーズで話し手の指示に規則的に対応する、信頼すべきアクセルがついているのです。〕

●なんとなく(p89)
 〔他のどの国よりも日本ではるかに長く暮らしたために、わたしは日本人のようになってきたと思っています。そして、他のどの国よりも、生まれ育ったアメリカよりも、現在市民権のあるオーストラリアよりも、日本こそが完璧にくつろげる居場所だと感じます。
 そんなわけで、「なぜ日本が好きなのですか?」と尋ねられるたびに、わたしはなぜかこんなふうに答えてしまいます。
「まあ、なんとなく……」〕

●ら抜き言葉(p122)
〔 「見られる」を「見れる」、「食べられる」を「食べれる」と表現する、比較的新しい「ら抜き」言葉の現象もまた、省略形の一種だとわたしは思います。実際、「見れる」や「食べれる」という表現のほうが、旧い使い方よりも、ずっと身近で「正しい」表現のように聞こえます。〕

●パプアニューギニア(p160)
 パプアニューギニア……面積は日本の約1.2倍。700万人の住民が、800の異なる言語を話している。
 異なる言語を話すことで、「彼ら」と「私たち」を区別している。

●リンガ・フランカ(p184)
 リンガ・フランカ=世界の共通言語。
 日本語は、二つの条件が満たされれば、リンガ・フランカになり得る。
〔 まず一つ目は、日本人が、日本語はある種の「特別な」暗号、日本民族の意思伝達にのみ有効な暗号だという誤った考えを捨てることです。言うまでもなく、日本語の真髄に行きつくためには、日本の歴史や文化の理解を通して、日本語の奥深さを知ることが大切ですが。
 しかし、言語というものは、長い時間をかけて、ある民族だけに植えつけられたDNAなどではありません。それは、日本人だけでなく、他の民族においても同じです。言語は、民族のDNAなどではなく、単に後天的に習得するものです。他の言語をあとから習得していくことには、何の障害もありません。
 二つ目は、日本人として、日本語の美しさの本質が、日本の詩人や作家が創造してきた奇跡のような描写、世界や人間の本質についての表現にあることに気づくことです。〕

(2014/6/28)KG

〈この本の詳細〉


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平井宏明・日本再生投資(株)代表取締役社長

ニポン語難しい。
※わたしのなりすましに気を付けて。
by 平井宏明・日本再生投資(株)代表取締役社長 (2014-06-28 13:21) 

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