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新編荒野に立つ虹
 [哲学・心理・宗教]

新編 荒野に立つ虹

渡辺京二/著
出版社名:弦書房
出版年月:2016年12月
ISBNコード:978-4-86329-141-6
税込価格:2,916円
頁数・縦:436p・20cm


 『アーリイモダンの夢』(弦書房)と、『渡辺京二評論集成 第3巻』『同第4巻』(葦書房)からいくつかの論文を集め、1冊にまとめた。「荒野に立つ虹」は、『評論集成 第3巻』のタイトルである。1982年から2012年にかけて、新聞・雑誌に掲載された論文・エッセーを収録している。
 渡辺は、「英語という共通語、民主主義、人権、スーパーマーケット、インターネットで成り立っているような人類共通文化など、私はご免蒙りたい」(p86)と述べているが、人類は、現代に新たに出現したものや文化、たとえばスーパーマーケットとか、インターネットなどを共有することにより、ひとつになることができないものだろうか。個々の民族、国家の特質を失わず、お互いに尊重しつつ。

【目次】
1 現代文明
 いま何が問われているのか
 ポストモダンの行方
  ほか
2 現代政治
 アジアの子から見たマルクス
 社会主義は何に敗れたか
  ほか
3 イヴァン・イリイチ
 イリイチ翻訳の弁
 イリイチを悼む
  ほか
4 日本早期近代
 逝きし世と現代
 徳川期理解の前提
  ほか

【著者】
渡辺 京二 (ワタナベ キョウジ)
 1930年、京都市生まれ。日本近代史家。

【抜書】
●阿部年晴(p88)
 文化人類学者。『アフリカ人の生活と伝統』(1982年 、「人間の世界歴史」第15巻、三省堂)、『アフリカの創世神話』(1965年、紀伊國屋書店)。
 アフリカが、「長く同じような技術水準と生産力の段階にとどまり、そこで可能な社会や文化の形態をさまざまに模索し、展開し、開花させて来たということは、停滞ではなく彼らの積極j的な達成なのであり、アフリカ大陸が人類史になした寄与とも呼べるものである」(『アフリカ人の生活と伝統』)。

●分益小作制(p130)
 ウォーラーステインは、マルクス主義の発展的世界史観を否定する。世界資本主義が成り立つうえでの絶対的必然的な要素は、世界が中核、半辺境、辺境の三つに分かれていることである。『史的システムとしての資本主義』。
 中核諸国では、自由なる労働者、つまり工場労働者や近代プロレタリアートが成立する。
 半辺境では、シェア・クロッパー、つまり「分益小作制」という労働形態をとる。日本の小作と似たような制度で、4が地主で6が小作というように、収穫の量を取り合う。
 辺境では、奴隷労働あるいは農奴的労働が行われている。

●平衡と矛盾(p156)
〔 毛沢東の最後の冒険は結局悲惨な失敗に終わりましたし、ホメイニ革命の帰結も今や明らかだと思います。どうしてそういう試みが失敗するかというと、人類の意識というものが矛盾から平衡へ、平衡から矛盾へと絶えず運動を繰り返して高次のものへ展開するダイナミクスを、政治的あるいは宗教的な固定化によって阻止しようとしているからです。西洋近代文明は様々な問題を含みつつも、根本的にはそういう人類の意識の展開のひとつのかたちに他ならず、それを政治的あるいは宗教的権力の強制によってせきとめようとするのは、最初から失敗を予定づけられた試みといわねばなりません。〕
 
(2017/3/4)KG

〈この本の詳細〉


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