So-net無料ブログ作成

貧者の一票 グローバル経済の崩壊と連鎖する無血革命
 [社会・政治・時事]

貧者の一票 グローバル経済の崩壊と連鎖する無血革命
 
渡邉哲也/著
出版社名:扶桑社
出版年月:2017年1月
ISBNコード:978-4-594-07641-2
税込価格:1,080円
頁数・縦:223p・18cm
 
 
 新自由主義者が志向したグローバリズムへの批判が高まり、ナショナリズムが台頭する現代の世界情勢を、「貧者の一票」をキーワードに読み解く。将来、今よりましな民主主義の社会は到来するのだろうか?
 
【目次】
第1章 混迷する2017年の世界経済
第2章 「脱グローバリズム」に舵を切る世界
第3章 世界を動かす「貧者の一票」
第4章 権利の乱用者「ただ乗り屋」叩きが始まった
第5章 問われる「命の価値」の重み
第6章 ポスト・グローバリズム―世界経済の近未来
 
【著者】
渡邉 哲也 (ワタナベ テツヤ)
 作家・経済評論家。1969年生まれ。日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務した後、独立。複数の企業運営などに携わる。大手掲示板での欧米経済、韓国経済などの評論が話題となり、2009年『本当にヤバイ!欧州経済』(彩図社)を出版、欧州危機を警告しベストセラーになる。内外の経済・政治情勢のリサーチや分析に定評があり、さまざまな政策立案の支援から、雑誌の企画・監修まで幅広く活動を行っている。
 
【抜書】
●新自由主義(p45)
 〔グローバリズムは政府による規制に加え、過度な社会保障や福祉、富の再分配は企業や個人の自由な経済活動を妨げると批判する新自由主義思想を生んだ。〕
 
●第4の権力(p89)
 インターネットメディアは、「第3の権力=既存のメディア」を監視する「第4の権力」。
 アメリカ大統領選挙で、共和党、民主党の両陣営が使う資金は5000億円に上ると言われる。必然的に、政治家はお金の方向を向いた政治を行わざるを得ない。
 レガシーメディアがトランプ氏の反対陣営からお金をもらって行ったネガティブ・キャンペーンは、トランプ氏の発言を広く世の中に知らせる結果となり、ネットを通じて支持が広がった。
 トランプの当選は、〔従来お金のほうを向いていた政治家が、票に向き始めたという意味で、民主主義を担保する選挙のあり方を大きく変えるエポック・メイキングな出来事だといえるのだ。〕
 
●クープマンの目標値(p92)
 アメリカの数学者B・O・クープマン。企業間の販売競争などに勝つための理論として応用される「ランチェスターの法則」を研究して、「クープマンの目標値」という市場シェア理論を構築。ある商品やサービスの市場シェアに関する階層化。
 独占的市場シェア……73.9%を上回ると絶対的首位となる。
 相対的安定シェア……41.7%を取ればトップの地位が安定。
 市場影響シェア……26.1%を取ると市場に影響を与える段階に達する。
 市場認知シェア……10.9%に達すると市場に認知され始める。
 
●ベーシックインカム論(p126)
 もともと、ティーパーティの主張。
 ティーパーティは、小さな政府を志向。政府が民間企業の経済活動に介入し、多額の税金を投入して社会資本を整備して所得格差を是正する「大きな政府」はいらない、民間が自由にやればいい、という意見。
 道路整備などの必要不可欠な事業を除き、医療制度をはじめとする社会保障や公的な学校制度などをすべて否定、病院や学校、保育所などを民間に任せる。
 ベーシックインカム論……上記の施設に投じられる膨大な行政コストを削減したうえで、国民にお金を配り、民間の好きなサービスを選べるようにする。
 
●印僑(p136)
 客家を中心とする華僑は、世界中どこでも移住し、中華街を築き上げ、そこで中国人だけのコミュニティを作り上げていく。土地(領土)=国という意識が低い。
 印僑は、インドの本家にいる父親が子どもたちを世界各国に送り出し、さまざまなビジネスを手掛ける。本拠地をインドに置いてネットワークビジネスを展開している。上位カーストの人たちが多い。彼らがある州や地域を統治していることも少なくない。いわば、統治者が、地域の住民を食べさせるために世界中でビジネスを行っている、というのが印僑ビジネスの一つの側面。
 
●インターナショナル・サプライチェーン(p196)
 グローバル・サプライチェーン……生産地≠消費地。コストの安い地域で生産し、お金のある国で販売する。消費地に雇用をもたらさない。
 インターナショナル・サプライチェーン……生産地=消費地。生産も消費も同じ国で行う。消費地に雇用をもたらすので歓迎される。
 
●日本のリーダーシップ(p204)
 〔世界を破綻から救うために、「和を以て貴しとなす」の伝統を持つ日本は率先してリーダーシップを発揮し、和の精神を世界にどんどん輸出していくべきだ。先の「質の高いインフラ投資の推進のためのG7伊勢志摩原則」は、世界のインフラ開発について日本がリーダーシップを取った典型的な例である。
 さらに言えば、今後、世界経済の持続的成長を実現するうえで、資源問題や食糧問題にどう対処していくのかということも大きな課題だ。〕
 
●島国(p217)
〔 日本人は島国という、そこから逃げられないコミュニティの中で暮らしてきたといえるだろう。島国の閉ざされたコミュニティの中で対立を繰り返すことは、結果的に民族の滅亡を引き起こす。そのため日本人は、意見や立場に対立がある場合、話し合いをしながら柔軟に対応し、可能な限り争いを回避してきた。そのため、絶えず戦乱を繰り返してきた欧州のように、国自体が滅びるというところまでには至らなかった。また経済活動においても、島国の中で生み出される食物や資源には限りがあり、外から略奪してくることもできないため、必然的に公平な分配を追求していった。「和の精神」の源流も、おそらくそういうところにあるのだろう。
 その結果、ヨーロッパの列強が大航海時代に世界中で植民地を拡大し、搾取によって莫大な富を吸い上げていた頃、鎖国政策を取っていた日本では、自国の限られた資源と人々の知恵だけで成立する経済体を生み出していたのだ。そういう先人の文化や知恵を、私たちは受け継いでいるのである。〕
 
(2017/4/21)KG
 
〈この本の詳細〉


nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました