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疑問に迫る日本の歴史 原始・古代から近現代までを考えながら学ぶ
 [歴史・地理・民俗]

疑問に迫る日本の歴史
 
松本一夫/著
出版社名:ベレ出版
出版年月:2017年1月
ISBNコード:978-4-86064-499-4
税込価格:1,728円
頁数・縦:325p・19cm
 
 
なぜそれは起こったのか、疑問に答えながら日本史の側面・裏面を解説する。原始・古代から近現代まで、全40題。
教科書では出てこない歴史のとらえ方を学べる一冊。
 
【目次】
第1部 原始・古代
縄文人の知恵
邪馬台国論争はなぜ決着しないのか
ほか
第2中世
鎌倉幕府の成立はいつか
武士どうしの争いでもあった承久の乱
ほか
第3部 近世
織田信長は本当に天下統一をめざしたのか
豊臣秀吉の情報戦略
ほか
第4部 近現代
世界史から見たペリー来航
近代国家は江戸末期に準備されていた―綿工業の視点から
ほか
 
【著者】
松本 一夫 (マツモト カズオ)
1959年生まれ。1982年慶應義塾大学文学部を卒業後、栃木県の高校教員となり、20年間日本史、世界史等を担当する。専門は日本中世史。2001年博士(史学)。國學院大學栃木短期大学、宇都宮大学等で非常勤講師を務めた。その後、栃木県立文書館等を経て現在は栃木県立上三川高等学校長。南北朝期の軍事関係史を研究する一方で、日本史教育の実践的研究にも取り組む。
 
【抜書】
●麦、米(p16)
岡山県姫笹原遺跡から出土した縄文中期の土器から、イネ科植物の葉に含まれるプラントオパールが検出された。
九州や山陽地方の後期・晩期の縄文遺跡から、米や麦の粒そのものが見つかっている。
米や麦は、弥生時代以前の早い時期に日本に伝わっており、一時期、原始的な農耕も行われていた。
しかし、日本の豊かな自然は、農耕に頼らなくても狩猟採集生活に困らなかったので、農耕が普及しなかった。
稲作は、梅雨を経て育成期に高温となる日本の気候に最も適し、収量も豊かだったので、この生業方式が大陸から入ってきたときに初めて農業社会に移行した。
縄文人がスムーズに農業技術を習得した理由……定住が進み、すでに相当な計画性をもって食料調達ができていた。アク抜きなど手間のかかる作業を通じ、勤勉さを身に着けていた。エゴマやヒョウタンなど、一定の植物栽培の知識がすでにあった。工夫された道具類が残されていることから、手先が器用だった。
 
●歌あわせ(p77)
和歌が文芸の中心となったのは9世紀末。貴族の間で、左右に分かれて歌の優劣を競う「歌あわせ」が盛んとなった。905年『古今和歌集』以後、朝廷が次々と勅撰和歌集を編纂していった。
(しかし、すでに783年ごろ(?)『万葉集』が成立していた)
 
●犬小屋(p206)
徳川綱吉の時代、元禄8年(1695年)10月、幕府は四谷、大久保、中野に大規模な犬小屋を作り、江戸町方の野犬を収容した。
中野の犬小屋は16万坪、東京ドームの約11倍。すぐに手狭となり、翌年10万坪の施設を増築。25坪の犬小屋が290棟、7.5坪の日除け場が295棟、子犬養育所が495か所設けられた。最大10万匹が収容されていた。
 
●四木三草(p214)
戦国時代以来、農民たちは米以外にも四木三草(しぼくさんそう)と呼ばれる、収益性の高い商品作物を栽培していた。
四木……茶、桑、楮(こうぞ)、漆
三草……麻、紅花、藍
 
●演歌(p270)
演歌は、もともと明治の自由民権運動において弁士たちが演じたパフォーマンスが起源。川上音二郎の「オッペケペ節」など。演説歌。
大正期に入ると、「カチューシャの唄」「船頭小唄」など、大衆芸能化していく。
現在の演歌は、これらとの直接のつながりはなく、1950年代ごろから民謡や浪曲などをベースに作り上げられてきた。
 
●象徴天皇(p307)
昭和21年2月に新聞各紙に発表された調査結果によると、一般国民はすでに「象徴天皇制」の考え方を持っていた。
天皇制支持91%。このうち天皇主権支持16%。天皇が政治から離れ、民族の総家長、道義的中心となることを指示した人は45%。
 
●表彰台(p320)
1964年の東京オリンピックで、開催間際になって表彰台を準備していないことに気づく。
組織委員会は、どの部門で作るかも決めておらず、結局、何でも屋のようになっていたデザイン室に急遽依頼。
デザイナーは、とにかく間に合わせるために、メモ程度の設計図を作り、仕事場から最も近い工務店に駆け込む。
職人はその設計図をちらりと眺め、「オリンピックか」とつぶやき、すぐに作業に取り掛かった。ごく短期間で、揺れも軋みもしない、完璧な強度を持つ表彰台を仕上げてしまった。
この時デザイナーは、日本の職人の持つ技術の高さに大いに感嘆した。
 
(2017/5/18)KG
 
〈この本の詳細〉


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