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小沢一郎の権力論
 [社会・政治・時事]

小沢一郎の権力論 (朝日新書)  
小塚かおる/著
出版社名:朝日新聞出版(朝日新書 646)
出版年月:2017年12月
ISBNコード:978-4-02-273746-5
税込価格:821円
頁数・縦:238p・18cm
 
 
 真面目で純粋な人だな、と思う。しかし、口下手で、シャイで人見知りの性格のために、誤解され、「剛腕」「壊し屋」「フィクサー」などと呼ばれてしまう。残念である。
 しかしながら、誤解を受けるもう一つの大きな要因は、あの「風貌」か? 「残念」では済ませられない「無念」がそこにある。日本にとって遺憾なことである。
 ちなみにタイトルの意味は、「小沢一郎の権力」論ではなく、小沢一郎の「権力論」である。小沢一郎が「権力」対してどういう考えをもち、どのように対処してきたかを本人が語る。 
 
【目次】
序章 安倍政権の死角
第1章 これが権力のリアリズムだ
第2章 あの「政権交代」の真相
第3章 私が見た田中角栄
第4章 政治は誰のためのものか
第5章 基本政策・安全保障、憲法、脱原発…
第6章 日本人よ、自立せよ
終章 私は闘う
 
【著者】
小塚 かおる (コズカ カオル)
 日刊現代ニュース編集部長。1968年、名古屋市生まれ。東京外国語大学スペイン語学科卒業。関西テレビ放送、東京MXテレビを経て、2002年から「日刊ゲンダイ」記者。政権交代など激動政局に肉薄する取材力や、「安倍一強」政治を鋭く問う筆に定評がある。
 
【抜書】
●小沢総理(p52)
〔 自分の生き方については何も反省というか誤ったとは思っていない。ただ、便法としては、自民党の中で権力を掌握してやった方が、むしろ改革は早かったかなという気もしないではないがね。その方が楽だったかもしれない。〕
 自民党に残っていたら、総理大臣になっていた?
 最大派閥にいて、47歳で幹事長になっていたので、年長者に順番に総理になっていただき、その間、実務を全部押さえておけば、十分に総理大臣になるチャンスはあった。
〔 だけど、もしそうしていたら、あの時、自民党を飛び出していなかったら、議会制民主主義は完全にダメになった。体制内改革になってしまい、自民党一党政治のまま続いていただろう。それじゃあ、永久に日本に民主主義は定着しない。日本の国の長い将来にとっていいことではない。〕
 〔 僕が自民党を牛耳って改革を全部やって、その後で自民党を二つに割ればよかったかもしれない。それで二大政党制にする。あの時はそこまでは思わなかったから。でものその方が現実的な路線だったかもしれない。〕
 
●一里塚(p76)
〔 ただ単に、国会で法案を議決するだけなら、与党は数の力を持っているので、野党は歯が立たない。そうではなくて、極端な言い方をすれば、むしろ国会は野党にとって選挙に向けた一里塚だと思った方がいい。「次回の総選挙で政権を取ったらこういう政治を行います」と、国民に向けてアピールする。国会の場で、野党が次の政権を担う準備ができていることを示す。それこそが、議会制民主主義の正しい姿だ。
 野党は常にそうした意識をもって国会に臨まないと、数の力のある与党に押されっぱなしになって、存在感を示せないままになってしまう。〕
 
●苦労人(p125)
〔 世間では、苦労人ほど人の気持ちが分かるとか言うけど、あれは嘘だ。苦労人は人を信用しないから、人を育てない。〕
 田中角栄は、苦労人だったので、人を腹の中まで信用するということをしなかった。
 吉田茂、池田勇人、佐藤栄作らは、大金持ちではなかったけど、田舎じゃ地主の息子や酒屋の息子だったから、小さい頃から人に囲まれて育った。そのために、人を使うのがうまく、後継者も育てた。
 
●国民の生活が第一(p131)
 「国民の生活が第一」というフレーズは、民主党が政権交代を目指した2009年の選挙で打ち出した。
〔 「国民の生活が第一」というスローガンのように、政治はできるだけ多くの人に安定した生活を送ってもらうためにある。つまり、最大多数の最大幸福の実現。これが政治の基本。政治の本質であり、政治の役割であり、政治の責任でもある。〕
 
●三人の革命リーダー(p145)
 日本の歴史の中で、三大革命を起こした偉人三人。みんな、日本人にはあまり人気がない。
 天智天皇……豪族の蘇我入鹿を倒して、天皇制ではあるけど、律令制国家を作った。
 織田信長……比叡山(延暦寺)焼き討ちは、堕落していた宗教界、中世の権力をぶっ壊した。比叡山にも遊女などを呼んで、僧侶がどんちゃん騒ぎをしていた。
 大久保利通……理性で考え、主張や行動がはっきりしていた。つい最近まで、鹿児島に遺骨を納めるのを拒否されていた。
 
●長年の夢(p147)
〔 政治主導とは国民主導ということ。官僚任せ、お上任せの政治ではなく、自分たちが監視し、自分たちが政治を変える。国民にはそうした意識を持ってほしい。
 選んだ政権が国民に応えられないようであれば、より良い政党を選べばいい。そういうシステムを日本に根付かせることが僕の長年の夢。09年の政権交代でようやくその第一歩を踏み出したと思ったけれど、残念ながら続かなかった。
 だからもう一度、チャレンジしている。〕
 
●立法調査院(p149)
 野党のための国会改革への提案。
 今の国会のシステムでは、野党が情報を得られる方法がとても乏しい。野党を強化するために、情報開示とその透明性を高め、国会の議論を活発化せるべきである。
 そのために、国会の事務局、法制局、調査局、国立国会図書館などを一緒にして、新たに「立法調査院」を作る。国会議員の請求にもとづいて、行政府に必要な資料を提供させる権限を与える。
 
(2018/3/11)KG
 
〈この本の詳細〉


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