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一流の人をつくる整える習慣 自律神経を意識すると、仕事はうまくいく
 [経済・ビジネス]

一流の人をつくる 整える習慣

小林弘幸/著
出版社名 :KADOKAWA
出版年月 :2015年6月
ISBNコード :978-4-04-601284-5
税込価格 :1,404円
頁数・縦 :191p・19cm


 人が持っている能力を発揮するには、3つのことが重要である。すなわち、
 1. ストレングス
 2. コンディショニング
 3. ケア
である。
 1は、そもそもの能力を鍛える、スキルアップを目指したトレーニング。3は、従来どおりの能力を発揮できるようにするリハビリ、すなわち「マイナスからゼロに戻す」トレーニングである。
 本書では、2に着目し、100ある実力を「安定的に90出せる」ようにするための準備や、コンディション作りについて易しく解説する。
 肝は、自律神経である。交感神経、副交感神経という二つの自律神経を、それぞれ最適に保つための実践方法と心の持ち方とを教えてくれる。

【目次】
第1章 まず、モノを片づけて、心を安定させる――身の回りの整え方
 01 鞄の中を探した瞬間に、あなたは乱れている!
 02 鞄に徹底的にこだわる
 03 ほしい情報は「ひと目でわかる状態」にしておく
 04 「片づける場所」を決める
 05 モノを探すときは制限時間を決めてから
 06 窮屈な服や靴は選ばない
 07 シャツは「白一択」
 08 天気の悪い日は明るい色のネクタイ
 09 服を捨てると集中力が増す
 10 現金は早めに継ぎ足す
 11 財布の整理を一日一回
 12 「帰る前の片づけ」を儀式にする

第2章 一日ごとの体の変化を意識する――時間の整え方
 13 午前中の「勝負の時間」を無駄にしない!
 14 昼食後の2時間は捨ててかまわない
 15 「終了間際」の集中力を利用する
 16 「内容で区切る仕事」と「時間で区切る仕事」を分ける
 17 雨の日は設定時間を短くする
 18 食事中にできる「集中力トレーニング」
 19 金曜の夜に「来週必要なモノ」を揃えておく
 20 締め切りは一カ月前に設定する
 21 アクシデントが起こったら、「次の予定」をあきらめる
 22 大問題ほど小さく考え、些細なことほど大きく考える
 23 移動時間にも習慣をつくる
 24 休日を充実させるコツは「ゆるやか」な計画性
 25 「仕事」と「休み」をあえて区別しない

第3章 無理したつき合いは断つ――人間関係の整え方
 26 目的が言えない飲み会には参加しない
 27 「参加・不参加」の返事は一日経ってから
 28 人の評価は口にしない
 29 SNSは「自律神経を乱すツール」
 30 我慢しなければならない人脈は断ち切る
 31 「認められない」なら「あきらめる」
 32 人と会うときは相手の「バックボーン」を考える
 33 人間関係の極意は「周りの人たちに気持ちよく働いてもらう」
 34 恋愛にはコンディションを崩す危険性がある
 35 夫婦にとって大事なのは「本当の家族」になれているかどうか

第4章 体のスイッチを意識する――体の整え方
 36 「心・技・体」のうち最初に整えるべきは「体」
 37 一杯の水が体調を取り戻す
 38 調子が戻らないときは尿の色をチェック
 39 気分が乗ってこないときほど手足を動かす
 40 座っている時間が長い人ほど早く死ぬ
 41 温度差に敏感になる
 42 通勤時に汗をかかない
 43 通勤時こそ「ゆっくり、リズミカル」に歩く
 44 入浴のお湯はぬるめから、時間は15分
 45 朝シャワーの効果は目覚めだけ
 46 一日を逆算して食べる
 47 週一日は睡眠の日をつくる

第5章 今夜の振り返りが、明日の成功をつくる――行動パターンの整え方
 48 最大のポイントは「朝」ではなく「前の日の夜」にある
 49 一日を振り返り、「失敗」を「成功」のパターンに上書きする
 50 翌日のシミュレーションが、ロケットスタートを生む
 51 「感謝」ほど自律神経が整うものはない
 52 ミスは必ずその場でメモ
 53 「今回こそはうまくやる!」という感覚が大事
 54 修正したいポイントをすべて書き出して点数化する
 55 次の行動をスムーズに引き出す「一個の法則」
 56 帰宅したらすぐ「一個の法則」
 57 家に帰ってすぐ「オフモード」に入らない
 58 あらゆる行動がコンディションのチェックに役立つ
 59 忙しいときほど「ゆっくり、丁寧に」やる
 60 仕事の重要度に差をつけない
 61 すべての行動の前に「何のためにやるのか?」を考える
 62 自分に合う「リフレッシュ法」を見つける

第6章 ストレスに正しく対処する――メンタルの整え方
 63 「怒りそうだな」と思ったら、とにかく黙る
 64 イライラしたときは「日光のサル」になりきる
 65 誰かに怒られたら、迷わず「階段を上り下り」
 66 苦手な相手からの電話は、いったん無視してかけ直す
 67 緊張を和らげたいときは、壁の時計を見る
 68 リアルなシミュレーションが本番の成否を分ける
 69 「心配事を入れる箱」を心の中に持つ
 70 「ストレスを生むのは自分自身」と思えた瞬間から自律神経は整い始める
 71 「こうする」と一度決めたら悩まない
 72 できる人ほど大事にしている「Don't believe anybody.」
 73 ストレスは複数持つほうがうまくいく
 74 「言わなければよかった」「しなければよかった」を上書きする

第7章 自分のタイプを知る――自分らしさの整え方
 75 人間は4つのタイプに分けられる
 76 ストレスフリーとは「本当の自分らしくいる」ということ
 77 「八方美人」がストレスにならないなら、どんどんやればいい
 78 本当の得意分野で勝負する
 79 本当の得意分野では「嫉み」「僻み」は生まれない
 80 100回失敗しても、101回目に成功すればいい

【著者】
小林弘幸 (こばやし ひろゆき)
 1960年埼玉県生まれ。順天堂大学大学院医学研究科修了。同大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター。自律神経研究の第一人者。著書に「なぜ、「これ」は健康にいいのか?」など。

【抜書】
●恋愛(p90)
 〔恋愛ほど自律神経を乱し、コンディションを崩すものはない〕。
 〔人間というものは、「はっきりしないもの」「不確定なもの」「自分がコントロールできないもの」などに触れると不安を感じるようにできています。〕

●夫婦関係(p92)
〔 家に帰って、奥さんや旦那さんの顔を見て落ち着く、気が休まるという人は、あきらかに夫婦という関係がコンディション維持に貢献しています。
 その一方で、夫婦関係がギスギスしていて「何かというと言い争いになる」「一緒にいるだけで息が詰まる」なんて関係だとしたら、それが自律神経を乱していることは間違いありません。〕

●夜の習慣(p129)
 (1)落ち着いた時間を30分程度もつ。
 (2)1日を振り返り、失敗したことは「成功パターン」に上書きしておく。
 (3)明日1日をシミュレーションし、着る服を用意しておく。
 (4)布団の中で正座をして、感謝する。

(2015/9/30)KG

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IBM奇跡の“ワトソン”プロジェクト 人工知能はクイズ王の夢をみる
 [自然科学]

IBM 奇跡の“ワトソン”プロジェクト: 人工知能はクイズ王の夢をみる

スティーヴン・ベイカー/著 土屋政雄/訳
出版社名 :早川書房
出版年月 :2011年8月
ISBNコード :978-4-15-209236-6
税込価格 :1,944円
頁数・縦 :350p・19cm


 ジョパディ(Jeopardy!)というクイズ番組に出演し、二人の人間チャンピオンを破ったコンピュータ「ワトソン」開発の軌跡を追うノンフィクション。

【目次】
第1章 発端―チェスコンピュータ「ディープブルー」の次は?
第2章 『ジョパディ』に挑む―最高の舞台、最強の人間チャンピオン
第3章 開発プロジェクト、発足
第4章 人工知能を教育する
第5章 ワトソンと企業ブランディング
第6章 ワトソン、人間と戦う
第7章 人工知能研究の現状とゆくえ
第8章 科学とエンタテインメントのはざまで―ワトソンの「指」問題
第9章 ワトソンの就職活動―実社会への応用
第10章 コンピュータはゲーム戦略を立てる
第11章 対戦―二〇一一年二月十六日、歴史が変わった

【著者】
ベイカー,スティーヴン (Baker, Stephen)
 コロンビア大学ジャーナリズム大学院修了(修士)。ジャーナリスト。2009年までビジネスウィーク誌の技術担当上級記者。同誌のBlogspotting.netで担当したブログは、ニューヨークタイムズ紙で注目のブログ50に選ばれた。同誌在籍中には、メキシコの自動車産業を扱った特集記事により米国海外記者クラブ賞を受賞している。ウォールストリート・ジャーナル紙、ロサンゼルスタイムズ紙、ボストングローブ紙にも寄稿。

土屋 政雄 (ツチヤ マサオ)
 1944年生まれ。翻訳家。英米文学から技術翻訳まで幅広いジャンルを手掛ける。

【抜書】
●グーテンベルクの衝撃(p26)
〔 この情報革命の時代に生きる人間は、中世の学僧と似た立場にある。学僧もやはり情報革命の不意打ちをくらった。聖典の記憶に人生の多くの年月を費やしたのに、いきなり印刷機が出現して、その聖典のテキストを際限なく印刷しはじめるのを見た。事前にそれを知り、いずれは印刷された聖典を棚に並べるだけでよくなるとわかっていたら、どれほどの時間を節約し、どれほどの脳内空間を開放できたことだろう(学僧が「自由時間」をほしがっていたかどうかは問わない。自由時間など、七つの大罪の四番目「怠惰」に危険なほど近いと考えたかもしれない)。同様に、われわれが長い年月をかけて頭に溜め込んできた知識の多くが、新しい機械によって無用の長物となりかけている。〕

●モーゼの錯覚(p65)
 ヒント: 大洪水の際、モーゼが方舟に乗せた各動物の総数です。
 答え: ゼロとは何ですか。
 箱舟を作ったのは、モーゼではなく、ノアである。方舟に乗った動物の数に気をとられ、細部の一点、方舟を作ったのはノアであることを忘れてしまい、「ひっかけ問題」の罠にはまる。
 錯覚が起こる原因は、人間の脳が情報をグループ分けするため。情報と所属グループが一致しないと、人間はすぐにおかしいと気づく。だが、ノアとモーゼはいくつものグループで共存している。テーマ的にはどちらも聖書に登場し、視覚的にはどちらも鬚を蓄え、音声的にもほとんど押韻している(ノウアとモウゼズ)。「エゼキエル」だと錯覚は起こりにくい。

●模擬脳(p122)
 IBMのアルマデン研究所の科学者ダーメンドラ・モダ。模擬脳を組み立てている。
 電子ニューロンの数は7億個。数年のうちに猫の脳をマッピングする予定。その次は猿、いずれはヒトの脳へ進む。
 ヒトの脳は、ニューロンが千億個、ニューロン同士の接続が1兆個~千兆個?

●プロジェクト・ヘイロー(p203)
 マイクロソフトの共同創立者ポール・アレンは、コンピューティングとヒトの脳の研究に巨額の資金を投入。2003年に、シアトルにある自身の技術インキュベータ、バルカン社にて、デジタル版アリストテレス(科学の質問応答システム)の開発に向けた長期研究を開始。 ⇒ プロジェクト・ヘイロー
 アリストテレスは、当時の科学知識のほとんどをその頭の中に収めていたと信じられている。知識を蓄え、それを取り出すことができた。インターネットとグーグルの両方を体現した人物。事実についての知識に加え、言語能力と脈絡の把握力を持っていた点で、インターネットを上回っている。
 アレンによると、インターネットは、アリストテレスの死後初めて科学知識の全体が(少なくともその相当部分が)単一の情報システムに乗ったという点で画期的。

●統計学的アプローチ(p206)
 人工知能へのアプローチには、ルール重視と統計学重視の2派がある。
 ルール重視……①頭の良いマシンには頭の良い教師が必要で、教師役をこなせるのは人間しかいない。②コンピュータに価値ある答えを期待するなら、前もって事実知識・法則・公式・方程式を教えなければならない。
 統計学重視……訓練プロセスから人間の専門家を排除し、コンピュータにほぼ自力で(アルゴリズムの導きで)学習させていく。ワトソン陣営もこちら。
 2005年、米国国立標準技術研究所(NIST)の機械翻訳コンテストに、統計派のグーグルが加わった。
 グーグルにはアラビア語の専門家も中国語の専門家もいない。意味や文法構造を無視し、動詞と目的語と前置詞も無視する。翻訳で注目するのは統計的関係だけ。
 何百万という翻訳済みの文書(多くが国連の文書)をコンピュータに読み込み、それをさらにウェブからかき集めた無数の自然言語テキストで補強。

●シンギュラリティ(p213)
 シンギュラリティ……技術的特異点。その仮想的な一時点を境に、技術の進歩が新たな技術の進歩を生み、加速し、大転換的変化が止まらなくなる。
 2010年8月、サンフランシスコのエンバーカデロにあるハイアットホテルに数百人のコンピュータ科学、認知心理学者、未来学者などが集まり、「シンギュラリティ・サミットが」開かれた。

●海馬(p219)
 ラットが食べ物の臭跡を追って迷路を移動するとき、海馬で一連のニューロンが発火する。
 のちに睡眠中のラットを調べると、徐波睡眠中に、同じ一連のニューロン発火が、順方向へ、逆方向へ、20倍もの速度で幾度となく繰り返される。人間でも同様のパターンが確認された。
 この高速再現の繰り返しが、記憶の選択で中心的な役割を果たし、記憶を概念へと昇華させるのかもしれない、と、イギリス人の神経科学者デミス・ハサビスは考えている。
 夢の中で、脳は重要な出来事に焦点を絞る。

(2015/9/30)KG

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ラ・ロシュフーコー公爵伝説
 [文芸]

ラ・ロシュフーコー公爵傳説 (集英社文庫)
堀田善衛/著
出版社名 :集英社(集英社文庫 )
出版年月 :2005年11月
ISBNコード :978-4-08-747886-0
税込価格 :957円
頁数・縦 :553p・16cm


 『箴言集』の作者、フランソア6世、ラ・ロシュフーコー公爵の回想録的自伝小説。公爵が、600年前の先祖、フーコー1世から書き起こして、ラ・ロシュフーコー家の歴史、そして自身の人生を回想するという体裁である。
 そして、終章の締めは、公爵の秘書兼執事を務め、幾多の困難を共に切り抜けてきたグールヴィル氏の談話ということになっている。
 まことに変わった構成である。フランソア6世つまり本人について語る部分も、途中、一人称になったり三人称になったりする。そして最後は一人称で統一され、まさしく「回想録」という体裁になるのである。

【著者】
堀田 善衛 (ホッタ ヨシエ)
 1918~1998。富山県生。慶大仏文科卒。広い視野と独自の文明批評に貫かれた多くの作品を発表。その作家活動は世界的に高く評価された。

(2015/9/26)

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日本最悪のシナリオ9つの死角
 [社会・政治・時事]

日本最悪のシナリオ 9つの死角

日本再建イニシアティブ/著
出版社名 :新潮社
出版年月 :2013年3月
ISBNコード :978-4-10-333731-7
税込価格 :1,512円
頁数・縦 :318P・20cm


 尖閣諸島問題、首都直下地震、パンデミック、核テロ、など、9つのケーススタディを元に、日本の危機管理の甘さを突く。

【目次】
第1部 最悪のシナリオ
 尖閣衝突―尖閣を巡る攻防がもたらす意外な結末
 国債暴落―日本が抱えた“茹でガエル”リスク
 首都直下地震―amazon型社会の崩落
 サイバーテロ―攻撃目標は都市インフラ
 パンデミック―医者が消えた日
 エネルギー危機―ホルムズ海峡封鎖から始まる見えない危機の連鎖
 北朝鮮崩壊―揺れる非核三原則、決断を強いられる日本
 核テロ―3・11の教訓とは何か
 人口衰弱―二〇五〇年、若者がテロリストになる日

第2部 シナリオからの教訓
 法制度
 官民協調
 対外戦略
 官邸
 コミュニケーション

【著者】
財団法人日本再建イニシアティブ
 日本が直面する戦略的課題を調査・検証し、民間の独立した立場とグローバルな視点から日本を再建する新たなビジョンを描くことを目的とするシンクタンク。2011年9月設立。最初のプロジェクト「福島原発事故独立検証委員会(民間事故調)」では、国民の目線から事故対応の問題点の分析や事故の歴史的・構造的背景について調査を行った。シンクタンクを中核とし、メディアネットワーク、クラブなどの機能を併せ持つグローバルな「知のインキュベーター」を目指す。理事長は船橋洋一(1944年、北京生まれ。元朝日新聞社主筆・慶應義塾大学特別招聘教授・法学博士)。

【抜書】
●盲点と死角(p305)
 リスク管理の上で危機を助長する、日本が抱える神話とシンドローム(症候群)の数々。
 ・安全・安心症候群……同質性(と閉鎖性)を根拠に、日本が「安全・安心」大国であるかのように思い込み、それを自画自賛する。
 ・リスク回避症候群……リスクを冷静に評価し、それを受け入れることを回避し、ひいてはタブー視する。失敗や恥を怖れる杓子定規の段取り重視、式典化する訓練など。
 ・三猿文化……見ざる・聞かざる・言わざる。利害相関関係者(ステークホルダー)としての参画を意識的に排除し、各省、各部門のたこつぼ化と縄張り争いに精出す部分最適症候群。
 ・全体真空症候群……「チームジャパンとしての対応(whole government approach)」ができず、「オールリスク」を取る体制ができない。
 トリアージ忌避症候群……明確な優先順位を設定することを忌避し、なかでも“損切り”の決断がなかなかできない。
 ・総合調整症候群……権限と責任を曖昧にする。「総合調整」という名の指揮命令系統の意識的曖昧化。
 ・ガダルカナル症候群……本部・本店は指図するだけ、ロジ(調達・補給)も不十分、ただただ現場にしわ寄せを与える。「現場力」神話。
 ・ガラパゴス症候群……国際社会とともに標準やルールを作り上げていこうという意思と能力を欠き、内輪の都合による進化に任せる。
 ・GHQ症候群……「安全保障国家」としての形も内容も未熟なまま、いざというときの米国頼み。

(2015/9/23)KG

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大転換 新しいエネルギー経済のかたち
 [経済・ビジネス]

大転換――新しいエネルギー経済のかたち

レスター・R.ブラウン/〔著〕 ジャネット・ラーセン/〔著〕 J.マシュー・ローニー/〔著〕 エミリー・E. アダムズ/〔著〕 枝廣淳子/〔訳〕
出版社名 :岩波書店
出版年月 :2015年7月
ISBNコード :978-4-00-061060-5
税込価格 :2,052円
頁数・縦 :202,20p・19cm

 原子力発電(や化石燃料)は経済的に見合わないものとなり、逆に風力や太陽光を利用したエネルギーのコストが下がり、今後の主流になるという話。それは、環境問題意識の高まりによって、持続可能な自然力エネルギーにシフトしていくのではない。純粋に経済的な理由から、自然と転換していくというのである。
 すでに採り尽くした感のある化石燃料は、いまや採掘に莫大なコストがかかる。原子力発電は、建設費と再処理にかかるコストが尋常じゃない。それに比べ、技術革新の進んだ風力や太陽光の利用は、送電網インフラの整っていない発展途上国にとっとも魅力的なエネルギーとなりつつある。
 たとえば、中国は太陽電池の製造で世界のトップを走る。3分の2近くのシェアを誇り、この分野の先進国、米国と日本とドイツをあっという間に追い越した。太陽光発電容量でも、2013年に2位のイタリアを抜き、トップのドイツに急追している。インド、サウジアラビアでも、国家規模で意欲的に太陽光発電の開発を促進している。
 中国は、風力発電容量でも9万1000メガワットでトップを走る。それに続くのが、米国6万1000メガワット、ドイツ3万4000メガワット、そしてスペイン、インドだ。
 地熱利用も進んでおり、アイスランドでは、暖房の90%近くを地熱エネルギーに負っている。
 風力、太陽光などは、世界中、どこでも採取可能だ。近い将来、地産地消的なエネルギー利用が進むのかもしれない。

【目次】
第1章 方向転換
第2章 石油の興隆と衰退
第3章 石炭火力発電所を閉鎖する
第4章 衰退する原子力
第5章 ソーラー革命
第6章 風力の時代
第7章 地熱を開発する
第8章 水力発電―過去と未来
第9章 加速する転換

【著者】
ブラウン,レスター・R. (Brown, Lester R.)
 2001年5月にワシントンDCを本拠地とする学際的な非営利研究機関アースポリシー研究所を設立。同研究所所長。文明を持続させるための計画策定、およびそれを達成するまでのロードマップの提示を目的としている。『ワシントン・ポスト』紙では「世界で最も影響力のある思想家の1人」と評され、インド紙『カルカッタ・テレグラフ』からは「環境保護運動の第一人者」と称される。1986年には米国議会図書館の依頼により、研究論文が同図書館の所蔵となった。

ラーセン,ジャネット (Larsen, Janet)
 アースポリシー研究所の研究ディレクターであり、創設者の1人。同研究所の研究プログラムを管理し、学際的視点から、エネルギー、気候、人口、水、食料などのさまざまな趨勢を扱う。以前はワールド・ウォッチ研究所に勤務。スタンフォード大学で地球システムの学位を取得。

ローニー,J.マシュー (Roney, J. Matthew)
 2007年よりアースポリシー研究所の研究員。ニューハンプシャー大学で環境保全の理学士号、またジョンズ・ホプキンス大学で環境科学・政策学の理学修士号を取得。研究テーマは再生可能エネルギーと原子力に加え、輸送、水産業、養魚業などに及ぶ。

アダムズ,エミリー・E. (Adams, Emilly E.)
 2012年よりアースポリシー研究所の研究スタッフ。科学と政策の接点に目を向け、デューク大学ニコラス環境スクールで環境マネジメントの修士号を取得。アメリカン大学で環境研究の学士号を取得。

枝廣 淳子 (エダヒロ ジュンコ)
 幸せ経済社会研究所所長、東京都市大学教授、環境ジャーナリスト、翻訳家。東京大学大学院教育心理学専攻修士課程修了。アル・ゴア『不都合な真実』の翻訳(ランダムハウス講談社)をはじめ、環境問題に関する講演、執筆、企業コンサルティングや異業種勉強会等の活動を通じて、「伝えること」で変化を創り、「つながり」と「対話」でしなやかに強く、幸せな未来の共創をめざす。新しい経済や社会のあり方、レジリエンスを高めるための考え方や事例等の研究を行い、さまざまな立場の人が対話と共創で問題解決を進められるよう、合意形成に向けての場づくりやファシリテーターを数多く務める。

【抜書】
●発電コスト(p66)
 通常、発電技術の経験が増えるにつれて、コストは低下する。しかし、原子力発電のコストは、時間とともに増えている。
 発電所を建設する時間が長くかかる。設計変更、契約にかかわる係争、新しい安全規制、部品や労働力の不足、など。
 2004~2014年に稼働を始めた37基の原子炉の平均建設年数は10年。中国6年、インド7年(この2カ国で20基)、ロシア24年、ウクライナ19年、イラン(最初で唯一)36年。

●原子力発電の終わり(p81)
 2014年後半の時点で、31カ国が原子力発電所を稼働させている。
 原発を新規に建設している国は15以下。大半は、中央計画経済の国。高いコストのために、原子力発電はというエネルギー選択は、自由市場のない国においても魅力のないものとなっている。

●集光型太陽熱発電(p99)
 集光型太陽熱発電(CSP)……鏡を使って太陽光を集め、従来と同じ蒸気タービンやエンジンを動かす。
 パラボリックトラフ式……曲面鏡を何列にも並べ、液体の満たされた鏡の幅の長さの管に太陽光の焦点を合わせる。加熱された液体が蒸気タービンを回し、発電する。
 タワー式……コンピュータ制御された鏡が一面に並べられ、中央の集熱塔に太陽光の焦点を合わせ、蒸気タービンを回す。
 CSPの発電容量は、2014年半ばで4100メガワット。スペイン、2300メガワット。米国(カリフォルニア州とアリゾナ州がほとんど)、1500メガワット。

●ブータン(p149)
 ブータン、人口76万6000人。水力発電が国内総生産の5分の1を占める。余剰電力をインドに販売。電力が最大の輸出品。
 今なお、電力輸出の拡大に向けて、ダム増設を進めている。

●トップランナー方式(p177)
 〔世界で最もダイナミックなエネルギー効率基準制度〕。日本が1999年に導入。現時点で市販されている製品の中で、最も効率が高いものが、それ以降に販売される製品に対する基準となる。
 いったん基準が設定されると、企業は3~10年以内にその基準を満たさなければならない。
 技術によって、それぞれ22~99%の効率向上がみられた。2005年 → 2010年の間に、冷蔵庫のエネルギー効率が43%高くなった。

(2015/9/22)KG

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曽呂利! 秀吉を手玉に取った男
 [文芸]

曽呂利!

谷津矢車/著
出版社名 :実業之日本社
出版年月 :2015年8月
ISBNコード :978-4-408-53669-9
税込価格 :1,728円
頁数・縦 :365p・19cm


 曽呂利新左衛門を主人公にした歴史小説。空想的で奇想天外なストーリーではあるが、曽呂利新左衛門という、実在か架空かはっきりしない人物に、裏で時代を操る役割を担わせ、歴史上の出来事を重ね合わせる手法は面白い。空想的歴史小説?

【著者】
谷津 矢車 (ヤツ ヤグルマ)
 1986年東京都生まれ。駒澤大学文学部歴史学科考古学専攻卒。第18回歴史群像大賞優秀賞受賞。2013年『洛中洛外画狂伝 狩野永徳』(学研パブリッシング)でデビュー

(2015/9/20)KG

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ヒトはこうして増えてきた 20万年の人口変遷史
 [歴史・地理・民俗]

ヒトはこうして増えてきた: 20万年の人口変遷史 (新潮選書)

大塚柳太郎/著
出版社名 : 新潮社(新潮選書)
出版年月 : 2015年7月
ISBNコード : 978-4-10-603773-3
税込価格 : 1,404円
頁数・縦 : 260p・20cm


【目次】
第1章 賢いヒト―二〇万年前=五〇〇〇人?
 ヒト前史
 ヒト化
 狩猟採集という生き方適応を測る
 出生と死亡からみるヒト
第2章 移住―七万年前=五〇万人?
 地球全域への移住
 狩猟採集民としての過適応
第3章 定住と農耕―一万二〇〇〇年前=五〇〇万人
 定住と農耕の開始
 農耕の起源と伝播
 残されたフロンティアへ農耕による生存基盤の拡充
第4章 文明―五五〇〇年前=一〇〇〇万人
 文明がもたらす功罪
 コア・ユーラシア
 二回の「人口循環」
 現代の幕開け
第5章 人口転換―二六五年前=七億二〇〇〇万人
 ヨーロッパではじまった人口転換
 日本―ユニークな軌跡
 二〇世紀半ば以降―激動する人口
最終章 現在―二〇一五年=七二億人

【著者】
大塚 柳太郎 (オオツカ リュウタロウ)
 1945(昭和20)年、群馬県生れ。東京大学理学部生物学科(人類学課程)卒、理学博士。専門は人類生態学。東京大学大学院医学系研究科教授、国立環境研究所理事長を経て、自然環境研究センター理事長。

【抜書】
●雑食性(p22)
 ヒトの歯は、食物を引き裂くのではなく、磨り潰すのに適している。胃液は、肉食動物のように強酸性ではない。 ⇒ 祖先が植食性だった。
 身長に対する腸管の長さの比は約6倍。10倍以上の植食動物と3倍程度の肉食動物との中間。

●マグレブ・タイプ生命表(p48)
 ハンガリーの生物人類学者のアチャディとネメスケリが作成。
 1万1000年以前の北アフリカの二つの遺跡(モロッコのタフォラルト洞窟、アルジェリアのアファロウ洞窟)から出土したすべての人骨の推定死亡年齢から男女込みの生命表を作った。
 1歳生存率が0.77。生後1年間で四分の一近くが死亡。
 3歳頃から死亡率は急速に低下するが、10歳までに半数以上が死亡。
 10~20歳頃、年齢別死亡率が最低になるが、その後は年齢別死亡率に大きな変化はない。
 平均寿命(出生時平均余命)は21.1歳(年)。 

●自己家畜化(p55)
 ヒトは、自己家畜化した動物。
 家畜動物……体つきが丸みを帯びる。長寿になり、出産数を増す。家畜として飼育されると、食物を十分に与えられ、栄養状態が良くなり、寒さや暑さなどの環境ストレスが軽減されるため。

●ヒトの出生と死亡の原像(p56)
 チンパンジーと比較して、出産間隔は短いが初産年齢が高いため、生涯出生数には差がなく、ほぼ6。再生産年齢の間における死亡確率などを考慮すると、実際の平均生涯出産数は4~5。
 死亡のパターンは、生後1年間で四分の一近くが死亡、10歳までに半数以上が死亡する、マグレブ・タイプ生命表に近い。

●ネアンデルタール人(p63)
 12万年前頃から地球は寒冷化。
 8万年ほど前から、レヴァントではネアンデルタール人の残した遺跡だけが発見される。
 寒冷化によりネアンデルタール人が南下、ホモ・サピエンスはアフリカに戻ったか、絶滅した?
 イスラエルのカフゼー遺跡で発見されたホモ・サピエンスの頭骨は、9万2000年前。現在のヨーロッパ人に見られない遺伝子を持つ。カフゼー遺跡を残したのとは異なるグループが出アフリカをし、全世界に広がった。紅海の南端を通り、アラビア半島経由で拡散。

●火による環境の改変(p78)
 2005年、ギフォード・ミラー、『サイエンス』のレポート。
 オーストラリア南部では、5万~4万年前に、植生が変化。乾燥に強い高木林・低木林・草原のモザイク状から、耐火性の低木林に変化。
 オーストラリアに移住してきたヒトが、狩猟のために火を放ったことによる。
 植生の変化が、多種のエミューや有袋類などのメガファウナ(成獣の体重が100kg以上の動物)の絶滅を引き起こしたと推論。
 エジプトのナイル川下流でも、1万2500年前の地層の多くの場所で、火に焼かれて赤くなったシルト(沈泥)が数百kmにわたって堆積している。野焼きなどによる火が原因。
 ヒトは、農耕と家畜飼育を始める前から、火を用いることにより、意図的あるいは意図せず、環境を改変してきた可能性が高い。
 最近の10万年間に、世界中ですべてのメガファウナの6割強にあたる120属が絶滅。ヒトが各大陸に到達した直後に集中。多くのメガファウナの絶滅は、ヒトが放った火が原因だった可能性が高い。

●人口支持力(p83)
 食糧資源を最大限に利用した場合の人口。実際の人口は、人口支持力の5~8割。

●定住生活(p88)
 定住生活が、人口増加率を変化させた。
 要因は、出生率の上昇と、乳児・幼児の死亡率の低下。

●犬、猫の野生種(p108)
 犬の野生種は、ユーラシア大陸の広域に生息するハイイロオオカミ。
 家畜化されたのは、中国南部あるいはヨーロッパで3万~2万年前? 1万年位前の中東??
 イエネコの祖先はリビアヤマネコ。西アジアから北アフリカの地域で家畜化。

●高地文明(p114)
 世界の四つの地域で高地文化(高地文明)が発達。
 エチオピア文化、チベット文化、メソアメリカ文化(マヤ文明)、アンデス文化。
 赤道に近い低緯度に位置し、比較的平坦な台地が広がっている。
 メソアメリカ高地、アンデス高地は、トウモロコシとジャガイモの野生種の生育地。これらを栽培化。
 チベット高地とエチオピア高地では、西アジア起源の農耕技術の伝播が引き金となった。

●イースター島(p121)
 約1500年前、移住時は20人程度と推測。
 15~16世紀には、7000人ほど。18世紀には2000人ほどに。
 人口減少の原因は、資源を枯渇させ、人口支持力を低下させたこと。建材・カヌー材・燃料として樹木の伐採が進み、18世紀には漁労のためのカヌーを作ることができなかった。集約的な耕作を続けたため、土壌が劣化。
 最盛期の人口密度は、1平方kmあたり約45人。現在の世界全体の人口密度と同等。

●コア・ユーラシア(p146)
 5000年前に人口1万人以上の都市……メソポタミア(ウルク、エリドゥ、スーサ、他全10都市)、エジプト(メンフィス、アビドス)。
 2000年前に人口20万以上の都市……地中海地域(ローマ、アレクサンドリア、カルタゴ、シラクーザ)、ガンジス川沿い(ヴァイシャリ、パータリプトラ)、長江流域(蜀:現在の成都)、黄河流域(長安、洛陽)、他全20都市。ローマとアレクサンドリアは100万人、カルタゴと長安は50万人。
 以上は、北緯25度と42度に挟まれ、ほぼ東西方向に約8000kmにわたる一帯にある。イエローベルトの一部。乾燥し、植生が乏しいために人工衛星から黄色く見える。年降水量は1000mm以下。200~300mmも。

●紀元前1200年のカタストロフ(p149)
 3200年前、製鉄技術を発明し、独占していたヒッタイト帝国が滅亡し、製鉄技術が地中海世界に広まった。
 鉄は青銅に比べて豊富に存在し、農具をはじめとする道具が安価になり、「庶民化」が進んだ。
 ミケーネ文明も崩壊、フェニキア人が活躍しはじめる。
 BC9世紀ごろから、ギリシャ人の1グループであるドーリア人がエーゲ海とアナトリア半島を中心に活動を活発化。独立性の高い都市国家(ポリス)が数多く形成される。奴隷を使った農耕。
 フェニキア人、ギリシャ人は、人口過剰に陥ったと認識、地中海沿岸やアフリカ大陸北西部に植民都市を建設。

●人口循環(p160)
 世界人口の長期的な変化をみると、人口増加の後、人口の停滞期が訪れる。停滞期の直前に人口の急増が見られ、停滞期の初期には、わずかに減少する。
 第一の人口循環……AD200頃~500年頃、停滞期。農耕開始後のBC5000頃から続いた人口増加が止まる。中国は220年、後漢の滅亡。ヨーロッパは476年、西ローマ帝国滅亡。どちらも、大帝国の滅亡前から人口が大きく減少し始めた。秦王朝の成立(BC3C)、ローマ帝国の成立(BC1C)の頃には、人口が急増。

●中世の人口循環(p168)
 中世の人口循環……500頃~1400年頃。1億9000万人から3億6600万人に増えた。加速が始まったのが1000年頃、減少が始まったのが1200年代。
 〈要因〉
 ① 技術の大衆化。古代ギリシャ・ローマ、あるいは古代中国で開発された道具や技術が、中世に入って農民の間に広く普及した。鉄製の斧、鉄製の蹄鉄など。
 ② 新たな技術革新。中世農業革命。ヨーロッパの三圃式農法(耕地を冬ムギ、夏ムギ、休耕地に三分する)、作物の品種改良、など。コムギの収穫率が、3倍未満から5倍に増えた(9C→15C)。コメは、同時期に7倍→20倍以上(日本の場合)。

●地球の人口支持力(p238)
 ジョエル・コーエン『地球は何人の人間を支えられるか』(1995年)。それまでの65の研究を整理。
 半数以上が40億~160億と推計、この平均値が120億人。約3割が160億人以上、約1割が40億人以下。
 120億人……国連人口部が、年齢死亡率や年齢別出生率などの人口要因だけから推計した最大の人口。
 
(2015/9/19)KG

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パナソニック人事抗争史 ドキュメント
 [経済・ビジネス]

ドキュメント パナソニック人事抗争史

岩瀬達哉/著
出版社名 : 講談社
出版年月 : 2015年4月
ISBNコード : 978-4-06-219470-9
税込価格 : 1,490円
頁数・縦 : 231p・19cm


 松下電器(パナソニック)の2代目社長・松下正治、5代目社長・森下洋一、6代目社長・中村邦夫が、経営の神様と謳われた松下幸之助の操業した、日本を代表する電機メーカーをダメにした。長期的展望を忘れ、会社の利益を脇において繰り広げられた同社の20年に及ぶ人事抗争史を、関係者への取材をもとにしたドキュメントで綴る。

【目次】
第1章 カリスマ経営者の遺言
 元副社長の証言幸之助の怒り
  ほか
第2章 会長と社長の対立
 22人抜きの社長古参社員を切れ
  ほか
第3章 かくて人事はねじ曲げられた
 ソフトを手に入れろ幸之助好みの男
  ほか
第4章 潰されたビジネスプラン
 鯛は頭から腐る前社長路線の全否定
  ほか
第5章 そして忠臣はいなくなった
 つなぎ役の焦燥“マルドメ”
  ほか
第6章 人事はこんなに難しい
 社長就任スピーチプラズマにすべてを賭けた
  ほか

【著者】
岩瀬 達哉 (イワセ タツヤ)
 1955年、和歌山県生まれ。ジャーナリスト。2004年、『年金大崩壊』『年金の悲劇』により講談社ノンフィクション賞を受賞。また、同年「文藝春秋」に掲載した「伏魔殿社会保険庁を解体せよ」によって文藝春秋読者賞を受賞した。

【抜書】
人材流出(p151)
 森下洋一(5代目社長)は、プラズマ・テレビに力を注ぎ、液晶をないがしろにした。
 液晶の開発拠点だった石川工場は投資が絞られ、やがて2002年に東芝との共同出資会社の傘下に入ってしまう。このとき、優秀な技術者ほど、サムスン電子やLGエレクトロニクスなどに引き抜かれていった。

(2015/9/4)KG

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この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた
 [自然科学]

この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた

ルイス・ダートネル/著 東郷えりか/訳
出版社名 : 河出書房新社
出版年月 : 2015年6月
ISBNコード : 978-4-309-25325-1
税込価格 : 2,484円
頁数・縦 : 347p・20cm


 核戦争かパンデミックによって文明が滅亡した後に、生き残った人類はどのように科学文明を再興させればよいかというマニュアルである。実際には、大破局という仮想社会をネタにした、良質の技術発展史であり、基本的な科学技術の入門書となっている。

【目次】
第1章 僕らの知る世界の終焉
第2章 猶予期間
第3章 農業
第4章 食糧と衣服
第5章 物質
第6章 材料
第7章 医薬品
第8章 人びとに動力を―パワー・トゥ・ザ・ピープル
第9章 輸送機関
第10章 コミュニケーション
第11章 応用化学
第12章 時間と場所
第13章 最大の発明

【著者】
ダートネル,ルイス (Dartnell, Lewis)
 イギリス・レスター大学のイギリス宇宙局の研究者で、宇宙生物学が専門。火星における生命の痕跡を探すプロジェクトに関わっている。サイエンス・ライティングで数々の賞を受賞。

東郷 えりか (トウゴウ エリカ)
 上智大学外国語学部フランス語学科卒業。

【抜書】
●日本の近代化(p20)
〔 新しい技術を発展させるに当たって、いくつかの途中段階は完全に省けるはずだ。速効手引書は、僕らの歴史における中間段階を飛び越えて、より進歩した、それでいて達成可能な制度までたどりつく方法を示すことで、社会の復興を手助けできるだろう。(略)
 おそらく歴史上で最も感銘深い一足飛びの離れ業をやってのけたのは、十九世紀の日本だろう。徳川幕府の時代には、日本は二世紀ほど世界に門戸を閉ざしており、人びとは国を離れることを禁じられ、外国人は入国できず、選ばれた若干の国とのあいだでわずかな貿易だけが許されていた。一八五三年にアメリカ海軍が江戸(東京)湾に大砲を満載した蒸気動力の軍艦でやってきたことで、外国との交流は最も説得力あるかたちで再開された。蒸気船は、技術面で停滞していた日本文明がもっていたどんな技術をも、はるかに凌ぐものだった。この技術面の格差に気づいた衝撃から、明治維新が引き起こされた。それまで孤立し、技術面で遅れていた日本の封建社会は、政治、経済、法律の各方面における一連の改革によって変貌を遂げ、科学、工学、教育など各方面の外国からの専門家が日本人に、電信網や鉄道網、繊維工場をはじめとするさまざまな工場の建設方法を指導した。日本はものの数十年で産業化をはかり、第二次世界大戦時には、最初にこの近代化を強要したアメリカ海軍と対戦するまでになった。〕

●ダ・ヴィンチ効果(p21)
 原理上はうまくいくはずのものを設計できても、必要な特性を備えた建築材料と、手に入る動力源がないとものは作れない。
 ダ・ヴィンチは、ルネサンス時代に空想的な空飛ぶ機械をはじめ、限りない数の装置や仕掛けの設計図を作ったが、実現できたのはわずかしかなかった。

●グリーンな復興(p22)
 化石燃料(石炭、石油、天然ガス)は、いまや枯渇するまで採掘されている。
 大破局後の文明は、化石燃料を容易に手に入れることはできない。再生可能なエネルギーを早期に採用し、資源を丹念にリサイクルするようにならざるを得ない。グリーンな復興。

●70人のイヴ(p32)
 ニュージーランドに住むマオリ族のミトコンドリアDNA配列の解析により、最初に東ポリネシアに筏で渡ってきた祖先の人数を推定。
 父祖を形成しうる人口は、70人(厳密には70種類の遺伝子タイプ)の出産可能な女性。そのため、全人口はその2倍強。
 同様の遺伝子解析により、アメリカ先住民の大多数についても、同等の数の創始者人口であったと推定されている。

●食糧となる石油(p67)
 人工肥料や、農薬は、化石燃料を使って合成される。現代の農業は、石油を食糧に変えるプロセス。
 実際に食べている食糧1カロリーのために、およそ10カロリー(41.84ジュール)分の化石燃料エネルギーを消費することになる。

●肥やし(p83)
 未処理の人間の汚物を肥料としてそのまま畑にまくと、多数のヒト病原体の生活環を一巡させてしまい、病気を大発生させる結果となる。産業革命前の中国では、農業が生産的に行われていたが、胃腸疾患は風土病となっていた。
 病原となる細菌や寄生虫の卵は、65度以上で熱することで殺せる。
 糞便におがくず、藁、もしくは葉以外の植物の部分を混ぜ込んでから、堆肥の山にして定期的にひっくり返しながら数ヶ月から1年間、放置する。堆肥の中の有機物が細菌によって分解される中で熱が放出され、有害な細菌や寄生虫の卵は死滅する。
 尿は無菌状態なので、便と分離して収集し、薄めてじかに畑にまくことができる。

●石灰(p121)
《炭酸カルシウム》
 石灰岩、白亜(チョーク)、珊瑚、貝殻の主成分。
 農地にまくと、酸性土壌を中性に押し戻してくれ、肥料の効果を高める。飲料水の浄化などにも使われる。
《酸化カルシウム》
 炭酸カルシウムを900℃で熱すると、二酸化炭素を放出し、酸化カルシウム(生石灰、クイックライム)となる。
《水酸化カルシウム》
 生石灰は水と激しく反応し、水の分子を半分に分裂させて水酸化カルシウム(消石灰)を生成する。
 強アルカリ性で苛性。排水の処理などに使える。

●アルカリ(p125)
 アルカリ……アラビア語のアル・カリー(灰)が由来。
《炭酸カリウム》
 水を入れた容器に灰を投げ込む。
 浮いている木炭の粉は掬い取って捨て、底に沈んだ沈殿物はそのままにして水溶液(灰汁)を別の器に移す。
 水溶液の水分を蒸発させる。残った白い結晶のかす ⇒ カリ(カリウムの名の由来) ⇒ 炭酸カリウム
《炭酸ナトリウム》
 乾燥した海藻の山を燃やして同様の抽出工程を踏むと、ソーダ灰(炭酸ナトリウム、炭酸ソーダ)ができる。
 尿を容器に入れて発酵させるとアンモニアができる。

石鹸(p124)
 アルカリでラードを加水分解して脂肪酸塩を作る。 ⇒ 石鹸
 例えば、煮えたぎった油脂の中にカリかソーダ灰を混ぜると鹸化して石鹸となる。

●木酸(p129)
 炭焼きで発散される蒸気(煙霧)を集め、凝縮させると、水っぽい溶液(木酸)とタール状の残留物に分離。
 木酸は、おもに酢酸、アセトン、メタノール(木精)でできている。沸点の違いを利用して分溜する。

●電力の非効率性(p178)
 〔可燃性の燃料から多数の段階を経て発電する作業は本質的に非効率で、現代の発電所ですら燃料に蓄えられたエネルギーの三〇%ないし五〇%しか電気に変換できない。〕

●自然の動力源(p184)
 中世ヨーロッパは、人類史上初めて、生産性を人間の筋力(日雇い労働者や奴隷の労働)ではなく、自然の動力源に頼るようになった最初の文明。風と水双方の自然の力の活用と、役畜のより効果的な利用。
 11~13世紀から勢いづく。

●バグダッド電池(p189)
 バグダット近くのパルティア時代(BC3C半ば~AD226)の遺跡から、高さ12cmほどの素焼きの壺をいくつか発掘。各々の壺の中には、円筒状に丸められた銅板で包まれた鉄の棒が入っており、壺には酢のような酸性の液体が入っていた痕跡があった。二つの金属片同士は接触しないようになっており、壺の口は封印され、天然の瀝青で目張りしてあった。
 装身具に金を電気メッキするのに使われた? 医療用?
 複製してみると、半ボルトほどの電気を発生することができた。

●アルコール燃料(p202)
 ブラジルでは、すべての自動車が、20%のエタノールを混ぜた燃料から、100%のエタノール燃料までを使っている。
 アメリカでも、多くの州ですべてのガソリンに10%までのアルコールを混ぜることを義務付けている。この割合なら、エンジンを改造しなくても使うことができる。
 T型フォードは、ガソリンかアルコールで走るように設計されていた。米国内のいくつかの蒸留所は、禁酒法で操業を止められるまで、作物から車の燃料を製造していた。

●マッチの炎(p205)
 マッチの炎は、マッチ棒そのものを主たる燃料にしているのではない。熱によって木の複雑な有機分子が分解するとき生成される可燃ガスから燃料を得ている。マッチは、空気中の酸素とガスが出会って初めて炎になる。
 そのため、炎は黒ずんでいく木製の軸から離れたところで燃えている。

●木炭自動車(p206)
 第二次世界大戦中は、100万台近いガス化装置搭載車(木炭自動車)が、ヨーロッパ各地で欠くことのできない市民の交通機関として走り続けた。
 ドイツでは、ビートルの車体内に木材のガス化装置すべてを巧みに収めた型が生産された。
 1944年には、ドイツ軍は木材ガス化装置で動く50台以上のタイガー戦車を配備した。

●電気自動車(p221)
 かつては電気自動車が一般的だった。
 20世紀の初頭には、根本的に異なる三つの自動車技術が優位を競っていた。駆動装置に電気、蒸気、ガソリンを使った車である。
 電気自動車は、機械的にはるかに単純で安定し、静かで煙も出ない。シカゴでは、電気自動車が自動車市場で優位に立っていた。1912年には、米国で3万台、欧州で4,000台が走っていた。
 欠点は、大容量の蓄電ができず、バッテリーの充電に時間がかかること。最大走行距離は160kmほどだった(現在も同様)。

ボトルネック(p259)
 西洋諸国の発展の歴史において、かつて、二つの物質が深刻なボトルネックとなった。
 1700年代末のソーダ灰と、1800年代末の硝酸塩。

●ハーバー・ボッシュ法(p264)
 窒素は、豊富に存在するが、不活性で取り出しにくい。二つの原子は三重にしっかり結合されている。窒素ガスは、知られている中で最も反応しない二原子物質である。
 ハーバー・ボッシュ法が1908年に発見された。反応器の中で窒素と水素を1対3の割合で混ぜ合わせ、NH3すなわちアンモニアを生成する。
 アンモニアを高温の変換器で酸化させ、二酸化窒素を作る。それを水の中に吸収して硝酸とする。

(2015/9/4)KG

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