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日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか
 [社会・政治・時事]

日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか

矢部宏治/著
出版社名 : 集英社インターナショナル
出版年月 : 2014年10月
ISBNコード : 978-4-7976-7283-3
本体価格 : 1,200円
頁数・縦 : 285p・19cm


 戦後日本を、「安保法体系」という視点から読み解く。
 日本の統治の根源は日本国憲法ではなく、在日米軍幹部と日本のエリート官僚とで構成された「日米合同委員会」で決められた「法」であるという。この「法」が日本国憲法に優先し、このからくりを「安保法体系」という(憲法学者の長谷川正安・名古屋大学名誉教授の命名)。結局、日本は、戦後一貫してアメリカの疑似植民地のままである、ということか。
 非常に分かりやすく現代日本の政治の問題点を指摘。

【目次】
1 沖縄の謎―基地と憲法
2 福島の謎―日本はなぜ、原発を止められないのか
3 安保村の謎1―昭和天皇と日本国憲法
4 安保村の謎2―国連憲章と第2次大戦後の世界
5 最後の謎―自発的隷従とその歴史的起源

【著者】
矢部 宏治 (ヤベ コウジ)  
 1960年、兵庫県生まれ。慶応大学文学部卒。(株)博報堂マーケティング部をへて、1987年より書籍情報社代表。

【抜書】
●インテグリティ(p13)
 インテグリティ(integrity)……人格上の統合性、首尾一貫性。アメリカ人が人間を評価する場合の非常に重要な概念。
 〔強い国の言うことはなんでも聞く。相手が自国では絶対にできないようなことでも、原理原則なく受け入れる。その一方、自分たちが本来保護すべき国民の人権は守らない。そういう人間を一番嫌うのが、実はアメリカ人という人たちなのです。だから心のなかではそうした日本側の態度を非常に軽蔑している。〕

●統治行為論(p45)
 政治的にきわめて重要な、国家の統治に関わるような問題について、司法が判断を保留すること。
 砂川裁判における、田中耕太郎最高裁長官の判決が先鞭をつけた。

●日米合同委員会(P50)
 外務省北米局長が日本側代表。米側代表は、在日米軍司令部副司令官。
 日本の様々な省庁から選ばれたエリート官僚たちと、在日米軍のトップたちがメンバーとなっている。毎月2回、会議を行っている。
 ここで決められたことが、日本の国内法よりも上位に位置する。「安保法体系」(憲法学者の長谷川正安・名古屋大学名誉教授)。

●天皇と東京裁判(p143)
〔 敗戦から数カ月たって、すでに昭和天皇はGHQの占領政策に絶対に欠かせない存在となっていました。占領政策に協力的で、政治能力も高く、日本国民への影響力も絶大だった。しかし敗戦翌年の五月には東京裁判が始まることになっていて、うかうかしていると昭和天皇が起訴されて戦争犯罪人となってしまう可能性も残されていた。ですから基本的には人間宣言も日本国憲法も、この時期に急いでつくられた最大の目的は、天皇を東京裁判にかけないように、国際世論を誘導するところにあったのです。〕

●日本国憲法の真実(p185)
 ① 占領軍が密室で書いて、受け入れを強要した。
 ② その内容の多く(とくに人権条項)は、日本人にとても書けない良いものだった。

●潜在的敵国(p231)
 〔日本はアメリカの「同盟国&属国」というよりも、より本質的には「同盟国&潜在的敵国」だった。〕
 国連憲章の53条と107条は、日本とドイツを仮想敵国とした敵国条項である。

●日本国憲法第9条2項(p268)
 第9条1項「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」
 第9条2項「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権はこれを認めない」
 1項はこのままでよい。
 2項はより良く変更すべき。もともと、 大西洋憲章やダンバートン・オークス提案(国連憲章の原案)の段階までは存在していた、国連軍による紛争解決という理念に則った条項。しかし、国連憲章には盛り込まれなかった。最終的に、「集団的自衛権」という概念が加えられた。
 2項は、「敵国条項」へとつづく、「日本の永久的武装解除=侵略政策再現阻止」という負の起源を、もっている。

(2016/1/26)KG

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電子出版と電子図書館の最前線を創り出す 立命館大学文学部湯浅ゼミの挑戦
 [ 読書・出版・書店]

電子出版と電子図書館の最前線を創り出す―立命館大学文学部 湯浅ゼミの挑戦
湯浅俊彦/編著
出版社名 : 出版メディアパル
出版年月 : 2015年3月
ISBNコード : 978-4-902251-79-1
税込価格 : 2,592円
頁数・縦 : 270p・21cm
 
 
大学のゼミ生たちの小論文集
 立命館大学文学部における、「電子出版と電子図書館―競合から共存へ」をテーマとしたゼミの活動をまとめた書。システムインテグレーターや電子出版を行っている出版社を招いての講義や、印刷会社、国立国会図書館の見学、他大学との討論会などのフィールドワークも織り込んだゼミの集大成として、3回生の学生たちがそれぞれのテーマでまとめた小論文が本書の柱となっている。
 大学生のゼミの活動を書籍にまとめて出版するとは大胆な試みである。しかし、象牙の塔にこもった研究とは異なり、社会的に広がりを見せる最先端のこの分野には、全体を俯瞰できるような専門家はまだ少ない。頭も柔軟な20歳前後の学生たちが、最新情報を取り入れ、集団で思考しながら現状を総括する試みは有効かもしれない。学生たちは大変だったろうと思うが。

【目次】
第1章 電子出版・電子図書館は知識情報基盤を変える
 電子出版・電子図書館の未来をデザインする―最前線を創り出すことの重要性
 大学図書館における電子書籍の取組み―立命館大学図書館から見えてきたこと
第2章 電子学術書を活用した大学教育の最前線
 BookLooperを利用した大学教育の可能性
 SpringerにおけるeBookの歴史、しくみ、利用の実際
第3章 ゼミ生が探究する電子出版と電子図書館
 電子書籍における「版」の考察……竹嶋龍仁
 電子書籍とペーパーライク―なぜ電子書籍は紙の形から離れないのか……李桐和(イ・ドンファ)
 特別支援教育におけるデジタル教科書・電子書籍の可能性……高畑有里
 小・中学校におけるタブレット型端末を用いた読書活動……尾崎理奈
 デジタル教科書が変える学校教育……早川育実
 日本語学習におけるデジタル教材の有効性……安原里美
 公共図書館における電子書籍を活用した多文化サービス……野木ももこ
 デジタル時代の学校図書館……田草川みなみ
 電子コミックの収集―新たなアーカイブの構築……村井燦
 電子図書館における「貴重書」……藤井朋大
 電子書店とディスカバラビリティ……竹本正史
 リアル書店における電子書籍販売……松田麻由香
 電子出版時代における雑誌の新展開……大久保俊季
 電子書籍としての自費出版……向井惇子
第4章 電子出版・電子図書館のフィールドワーク
 国立国会図書館・東京本館
 講談社本社
  ほか

【著者】
湯浅 俊彦 (ユアサ トシヒコ)
 1955年、大阪府生まれ。立命館大学文学部教授。大阪市立大学大学院・創造都市研究科・都市情報環境研究領域・博士(後期)課程修了。博士(創造都市)。日本出版学会・理事。日本ペンクラブ言論表現委員会・副委員長。日本図書館協会・出版流通委員。国立国会図書館・納本制度審議会委員。図書館振興財団「図書館を使った調べる学習コンクール」審査委員。

(2016/1/22)KG

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家康伝説の嘘
 [歴史・地理・民俗]

家康伝説の嘘

渡邊大門/編
出版社名 : 柏書房
出版年月 : 2015年11月
ISBNコード : 978-4-7601-4645-1
税込価格 : 2,052円
頁数・縦 :307p・19cm


 2016年は、徳川家康没後400年目にあたる。最新の知見を取り入れ、徳川家康に関する「誤解」を解く小論文集。

【目次】
第1部 権力確立期の家康
 「徳川四天王」の実像……小川雄
 松平信康事件は、なぜ起きたのか?……柴裕之
 家康の領国支配は、どのように行なわれたか?……鈴木将典
 本能寺の変前後における家康の動きとは?……中脇聖

第2部 豊臣政権下の家康
 小牧・長久手の戦いで家康は負けたのか?……長屋隆幸
 なぜ家康は江戸に入ったのか?……竹井英文
 豊臣五大老としての家康……堀越祐一
 最初から家康は石田三成と仲が悪かったのか?……光成準治

第3部 関ヶ原の戦い・大坂の陣における家康
 小山評定は本当にあったのか?……白峰旬
 「直江状」は本物なのか?……水野伍貴
 家康と秀頼との関係―「二重公儀体制」を巡って……渡邊大門
 方広寺鐘銘事件の真相とは?……渡邊大門

第4部 家康の戦略
 家康は戦さ巧者だったのか?……千葉篤志
 家康はどのように大名統制を進めたか?……藤尾隆志
 家康と天皇・公家衆……神田裕理
 徳川氏は清和源氏の流れを汲むのか?……中脇聖

【著者】
渡邊 大門 (ワタナベ ダイモン)
 1967年、神奈川県横浜市生まれ。1990年、関西学院大学文学部史学科日本史学専攻卒業。2008年、佛教大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在、(株)歴史と文化の研究所代表取締役。

小川 雄 (オガワ ユウ)
 1979年生まれ。清瀬市史専門調査員、新編西尾市史執筆員。博士(史学)。

柴 裕之 (シバ ヒロユキ)
 1973年生まれ。東洋大学非常勤講師千葉県文書館嘱託。博士(文学)。

鈴木 将典 (スズキ マサノリ)
 1976年生まれ。江東区芭蕉記念館学芸員。博士(歴史学)。

中脇 聖 (ナカワキ マコト)
 1972年生まれ。(株)歴史と文化の研究所客員研究員。

長尾 隆幸 (ナガオ タカユキ)
 1972年生まれ。名城大学非常勤講師。博士(国際文化)。

竹井 英文 (タケイ ヒデフミ)
 1982年生まれ。東北学院大学文学部専任講師。博士(経済学)。

堀越 祐一 (ホリコシ ユウイチ)
 1966年生まれ。國學院大学兼任講師。博士(歴史学)。

光成 準治 (ミツナリ ジュンジ)
 1963年生まれ。比治山大学短期大学部非常勤講師。博士(比較社会文化)。

白峰 旬 (シラミネ ジュン)
 1960年生まれ。別府大学文学部教授。博士(歴史学)。

水野 伍貴 (ミズノ トモキ)
 1983年生まれ。下田開国博物館学芸員。博士(地域政策学)。

千葉 篤志 (チバ アツシ)
 1981年生まれ。日本大学文理学部人文科学研究所研究員。

藤尾 隆志 (フジオ タカシ)
 1976年生まれ。神戸大学経済経営研究所学術研究員。博士(文学)。

神田 裕理 (カンダ ユリ)
 1970年生まれ。元京都造形芸術大学非常勤講師。(株)歴史と文化の研究所研究員。


【抜書】
●松平郷(p48、鈴木)
 松平氏……三河国加茂郡松平郷(愛知県豊田市松平地区)から出て、西三河の各地に庶家を分立させた一族。家康は、その惣領家・安城松平氏の生まれ。
 松平氏の権力構造は「一族一揆」。松平一族が西三河の各地を支配しながら、惣領の安城松平氏を支えていた。

(2016/1/21)KG

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孤高 国語学者大野晋の生涯
 [言語・語学]

孤高 国語学者大野晋の生涯 (集英社文庫)

川村二郎/著
出版社名 : 集英社(集英社文庫 か73-1)
出版年月 : 2015年10月
ISBNコード : 978-4-08-745373-7
税込価格 : 799円
頁数・縦 : 366p・16cm


 歯に衣着せぬ鋭い舌鋒で「抜き身の刀」と呼ばれた国語学者、大野晋の伝記を、親交のあった元新聞記者が綴る。2009年9月に東京書籍より刊行された単行本の文庫版である。
 大野晋というと、「日本語タミル語起源説」や、『日本語練習帳』など、風変わりな学者という印象しかなかったが、真摯に学問研究に邁進した立派な学者だったということが分かった。
 国語教育に対しても一家言もっていた。小学校でもっと国語の時間を増やすべきだという主張はうなずける。優れた人間を育てるには、国語力の涵養が必要である。社会や理科という教科をなくして、その分野の良書を読ませればいいとも言う。これも一理ある。ただ、理科の実験や、動植物の育成・栽培などは行ってもいいと思うが……。社会も、地図の読み方くらいは勉強させたい。
 また、国語教育を充実させるのはいいが、読書感想文は書かせないほうがいい、とも。なぜなら、読書嫌いを増やす結果になるからである。それよりも、きちんと漢字や、文法、発音を教え、論理的な文章を書く訓練をさせるべきである。詩も、創作させるのでなく、優れた詩(歌)を徹底的に記憶させるほうがよい、と説く。確かに、そのほうが豊かな国語力を身につけることにつながるだろう。
 これまであまり深く考えたことはなかったが、「日本語の起源がタミル語である」という説を掘り下げてみる必要があるかもしれない。

【目次】
プロローグ 熱風
第1章 下町
第2章 山の手
第3章 戦争
第4章 敗戦
第5章 国語
第6章 タミル語
エピローグ 遺言

【著者】
川村 二郎 (カワムラ ジロウ)
 1941年、東京生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業後、朝日新聞社に入社。『週刊朝日』編集長、朝日新聞編集委員などを歴任。

【抜書】
●蛮カラ(p71)
 〔「蛮カラ」という言葉は、明治時代に西欧に傾倒した新しもの好きの人たちが好んだ、襟の高い洋服(ハイ・カラー)から生まれた「ハイカラ」に対抗する意味でつくられたものである。言葉の根底には、侮蔑や嫉妬や羨望が入り混じった感情がある。〕

●伊藤忠兵衛(p97)
 伊藤忠兵衛(2代目)……滋賀県に生まれ、八幡商業に学ぶが、父親の死で進学を断念し、18歳で家業の綿糸卸商を継ぐ。23歳でイギリス留学。32歳で「伊藤忠商事」を設立する。大正9年(1920)に始まったカナモジ運動の推進者。
 大野晋は、第一高等学校2年から東京大学卒業まで、伊藤の奨学金給付を受けることになる。対象者は十数人。

●助動詞の寿命(p304)
 助動詞の寿命は、だいたい500年。500年たつと、姿を消してしまうか、元の形がわかりにくくなるほど変わってしまう。
 「つ、ぬ、たり、り、き、けり、けむ」は、口語では消えた。
 (室町時代)まいらする→まるする→まっする→まっす→ます(現代)
 「る・らる・す・さす」は、「られる、される」の形で残っている。

●大野晋の学者像(p323)
 〔大野の頭の中にある学者は、学問研究に誠実で、事実に対して謙虚で、メンツなどにはこだわらない、そういうものだったのだろう。〕

●日本語とタミル語の間にある共通点(p334)
 大野が20年間におよぶ研究から到達した結論。
 ①すべての音素にわたって音韻の対応がある。
 ②基礎語を中心に対応する単語が500語近くある。
 ③文法も構造も共通するところがある。
 ④助詞、助動詞が音韻でも用法でも対応し、係り結びの法則にも共通性がある。
 ⑤五七五七七という歌の韻律が共通している。

●日本を救った言葉(p343)
 東京書籍と時事通信社が共同で「日本語検定」を始めることになり、監修役を引き受ける。2007年2月27日、日本経団連会館で行われた記者会見にて。
〔 会見で大野は、言葉が日本を救った例を語った。ポツダム宣言の中の一節、「天皇はis subject to連合国最高司令官」の訳である。
 普通は「従属する」と訳すところを外務省事務次官の松本俊一は、「そんな訳にすれば、怒った軍部が焦土作戦に出る」と考えて、「制限の下に置かれる」と訳し、天皇のもとに届けた話である。
 松本にこういう訳ができたのは、彼に日本語の教養があったからである。日本を救ったのは、言葉の力であると、大野は諄々と説いた。そして、
「私は日本語をいくらか勉強したので、少しわかるようになりました」
といってから、
「日本語が話せて、日本語の読み書きができる。その程度で言葉がわかるとは思わないで下さい。もっと本気で、日本語に対して下さい」
 といって、会見を終えた。これが、公式の場で発した大野の最後の言葉となった。大野の著書を読んだことのある者は、「遺言」と聞いた。〕

(2016/1/16)KG

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サッカーGK(ゴールキーパー)の教科書
 [スポーツ]

サッカー GKの教科書 (PERFECT LESSON BOOK)

権田修一/監修
出版社名 : 実業之日本社(パーフェクトレッスンブック)
出版年月 : 2015年8月
ISBNコード : 978-4-408-45557-0
税込価格 : 1,728円
頁数・縦 : 187p・21cm


 サッカー日本代表の中堅ゴールキーパーによる、ゴールキーパーの教則本。テクニックの解説だけでなく、どんなゴールキーパーが本当に良いキーパーなのかということについて、丁寧に説いている。出版時点で26歳、まだ若いのにしっかりした考え方をもっている。楢崎(名古屋グランパスエイト)や西川(浦和レッズ)もそうだが、良いゴールキーパーとはある面、哲学者でなければならないのかもしれない。
 あとがきで、ゴールキーパーとして一番喜びを感じるのは、「チームが勝ったとき」と述べている。決して、ビッグセーブをしたときでも、コースを完全に読みきってPKを止めたときでもないという。負けたときには、「チームを勝たせるために、GKとしてできることはあったんじゃないかと思ってしまう」らしい。この責任感が、ゴールキーパーとしての最大の資質なのである。

【目次】
1 ポジショニング―ベストなポジションは常に変化する!
2 構え方―一番ゴールを守れるベストな構え方を見つけよう!
3 ステップワーク―いつでも、どこにでも動ける体勢でいよう!
4 シュートストップ―キャッチするのが最高のプレー!
5 クロスボール―クロスボールはGKが最も有利!
6 セットプレー―セットプレーではGKが“司令塔”になる!
7 スロー&フィード―GKは攻撃の起点にならないといけない!
8 ウォーミングアップ―試合を想定してアップをしよう!

【著者】
権田 修一 (ゴンダ シュウイチ)
 1989年3月3日生まれ、東京都世田谷区出身。小学生からサッカーを始める。FC東京U-15、FC東京U-18を経て、高校3年生だった2006年に第二種登録選手としてトップチームに帯同。2009シーズンより正GKとして活躍し、同年には当時のJリーグ記録となる16試合完封を達成した。U-15時代から各年代の日本代表に選ばれ、2009年にはアジアカップ最終予選イエメン戦でA代表に初招集され、代表デビューを果たす。2012年にはロンドンオリンピックに正GKとして出場し、日本のベスト4進出に貢献。2014年にはブラジルワールドカップの日本代表メンバーに選出された。

(2016/1/13)KG

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暗渠マニアック!

暗渠マニアック!

吉村生/著 高山英男/著
出版社名 : 柏書房
出版年月 : 2015年7月
ISBNコード : 978-4-7601-4609-3
税込価格 : 2,376円
頁数・縦 : 223p・21cm


 暗渠とは、「地下や蓋の下の暗いところを流れている水路のこと」である(p.9、高山)。そして、本書では、「地下に水が流れている、いないにかかわらず、『もともと川や水路(あるいはドブ)があったところ』をすべて」暗渠と定義して、暗渠の魅力についてさまざまな観点から語られる。暗渠とは、奥が暗く、もとい、奥が深く、都市の「景観」としてひそやかな魅力をもった存在なのである。
 その「景観」、つまり暗渠にありがちな風景とは以下のようなものである(p12、高山)。
 1. 周囲より低いところに続く、抜け道のような細い道。
 2. 湿気の多い道の周辺で存在を主張する苔。
 3. 遊歩道・緑道・鰻の寝床のような公園。
 4. 車止め
 5. 道に連なるマンホール。
 6. 車道に比べてあからさまに幅の広い歩道。
 本書を読んで、街を歩く楽しみがまた一つ増えた。

【目次】
序章 ようこそ暗渠ロジーへ―暗渠を知ると、路地歩きがもっと愉しくなる
第1章 暗渠、私の「見方」
第2章 名所と暗渠
第3章 境界と暗渠
第4章 湧水と暗渠
第5章 暗渠への視線
第6章 東京近郊暗渠、二番勝負!
第7章 新たな観光資源としての暗渠探訪

【著者】
吉村 生 (ヨシムラ ナマ)
 本業の傍ら、暗渠探索に勤しみ、暗渠ツアーガイドや講演なども行う。杉並区を中心に、郷土史を中心とした細かい情報を積み重ね、じっくりと掘り下げていく手法で暗渠へのアプローチを続けている。もっとも情熱を傾けている暗渠は、杉並・中野を流れていた「桃園川」。

高山 英男 (タカヤマ ヒデオ)
 中級暗渠ハンター(自称)。本業での著書は『絵でみる広告ビジネスと業界のしくみ』(日本能率協会マネジメントセンター)ほか。

【抜書】
●暗渠化の時代(p10、高山)
〔 谷があれば、そこには川があったろう。川とまでいかなくとも、凹んでいれば、何らかの水の流れが生じる。さらに尾根づたいには、玉川上水をはじめとした人工の水路が張り巡らされ、あちこちの尾根を水辺へと変えていた。加えて、東部の東京湾岸エリアには、水運のための掘割が造られ、多くの川岸が賑わいを見せていた。かつての東京は、あちこちに川や水の流れが存在する「水都」であったはずなのだ。
 近代から現代に至るこの100年は、そんな水の都・東京から水が消えていく「暗渠化の時代」だったといえる。江戸から東京への移行に伴う明治期の都市改造、大正期の関東大震災からの復興、および太平洋戦争からの復興などの過程で、東京の水辺を覆う、いくつもの「大波」が押し寄せた。だが、最大のインパクトは、昭和30年代の高度成長期であったろう。経済が急成長し、東京が世界有数の近代都市へと変貌を遂げるのと引き換えに、山の手をはじめとする多くの川が水面を失くしていった。昭和30年代、昭和40年代……と、徐々に都心から離れた地域まで暗渠化の波が及んでいることが見てとれる。〕

●洲崎遊郭(p74、吉村)
 洲崎(すさき)遊郭……現・江東区東陽町1丁目。根津遊郭の移転先のために、海を埋め立てて造成された。洲崎パラダイス。カフェー建築。三方が川で、南端だけが海だった。
 〔明治期、政府が根津遊郭に入り浸る東大生を憂え、キャンパスを移すか遊郭をつぶすかというほどの問題となり、結果、遊郭が追い出されたという、どこまでが本当かわからぬ逸話がある。石川島の囚人を使って海を埋め立て、明治21(1888)年6月30日、造成済みの洲崎に向かって遊郭関係者が一斉に土埃を上げて引っ越していったという。〕

●暗渠ANGLE(p245、高山)
 暗渠ANGLE(ANkyo General Level Explorer)……暗渠および開渠を加工度で分類。
 レベル0……ほぼ天然の状態の開渠。
 レベル1……加工されている開渠。はしご式開渠も含む。
 レベル2……蓋がかけられた暗渠。さまざまな蓋が存在する。
 レベル3……埋没されて道となっている暗渠。見た目は「普通の道」地下下水道管が敷設されていたり、付け替えなどですでに地下に水が流れていないものもある。
 レベル4……過剰に整備された暗渠。公園、緑道など。


●合流式、分流式(p156、高山)
 東京の多くの都市中小河川は下水道に転用されており、暗渠は下水道とは切っても切れない縁がある。
 下水道には、「合流式」と「分流式」がある。
 分流式……「雨水」と「汚水」がある。合流式は、これらが一緒になっている。

(2016/1/11)KG

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欧米社会の集団妄想とカルト症候群 少年十字軍、千年王国、魔女狩り、KKK、人種主義の生成と連鎖
 [歴史・地理・民俗]

欧米社会の集団妄想とカルト症候群――少年十字軍、千年王国、魔女狩り、KKK、人種主義の生成と連鎖

浜本隆志/編著 柏木治/〔ほか〕著
出版社名 : 明石書店
出版年月 : 2015年9月
ISBNコード : 978-4-7503-4243-6
税込価格 : 3,672円
頁数・縦 : 396p・20cm


 ヨーロッパとアメリカの、中世から現代に至るまでの裏面史あるいは暗黒史として、歴史に現れた「集団妄想」と「カルト症候群」について紹介、解説する。
 集団妄想を大きく2つに分類すると、「熱狂型」と「災禍型」になるという。
 「熱狂型集団妄想」のケースとして、十字軍や、聖地巡礼、ルルドの聖母顕現などが挙げられる。これらは、〔感情が高揚し、やがて忘我や憑依の状態をつくりだすことが多い〕(p.341)。
 「災禍型集団妄想」は、飢饉や感染症などの災厄が起きたときに発生するもので、〔被害をこうむると鬱積した感情やストレスのはけ口として、スケープゴートをつくり上げる傾向をもつ。さらにこちらのほうは受けた災禍のリアクションとして、攻撃に転ずる狂暴性を発揮することがある〕(同)。ペストの蔓延によるさまざまなパニック、ユダヤ人差別、人狼伝説、魔女狩りなどである。被害に遭うのは、主に下層階級、異邦人、被差別民である。
 カルト症候群には、「宗教的カルト」と「政治的カルト」がある。「宗教的カルト」は、正統と異端の近親憎悪的な感情を背景に引き起こされるケースが多い。「政治的カルト」は、社会が行き詰ったときに、カリスマ性をもった指導者が現れ、主に下層階級の者たちの熱狂を煽るのである。もちろん、「宗教的カルト」も、カリスマの存在は見逃せない。

【目次】
欧米の集団妄想とカルト症候群……浜本隆志
もう一つの十字軍運動と集団妄想……浜本隆志
フランス、ドイツ、スペインの異端狩り……浜本隆志
ペストの蔓延と鞭打ち苦行者の群れ……浜本隆志
トレントの儀礼殺人とユダヤ人差別……森貴史
人狼伝説から人狼裁判へ……溝井裕一
ミュンスターの再洗礼派と千年王国の興亡……浜本隆志
魔女狩りと集団妄想……浜本隆志
アメリカに飛び火したセイラムの魔女狩り……浜本隆三
フランスの王政復古と幻視―天空の十字架、大天使の出現、蘇る聖遺物崇敬……柏木治
ルルドの奇蹟と聖母巡礼ブームの生成……柏木治
カンパーの顔面角理論からナチスの人種論へ……森貴史
アメリカの秘密結社クー・クラックス・クラン―人種差別団体の実像……浜本隆三
ヒトラー・ユーゲントの洗脳……細川裕史
ヒトラー演説と大衆……高田博行
集団妄想とカルト症候群の生成メカニズム……浜本隆志

【著者】
浜本 隆志 (ハマモト タカシ)
 1944年香川県生まれ。関西大学名誉教授、ヴァイマル古典文学研究所、ジーゲン大学留学。ヨーロッパ文化論・比較文化論、関西大学博士(文学)。

柏木 治 (カシワギ オサム)
 1956年生まれ。関西大学文学部教授。フランス政府給費留学生としてグルノーブル第3大学(スタンダール大学)に留学。フランス文学・文化論。

高田 博行 (タカダ ヒロユキ)
 京都市生まれ。学習院大学文学部教授。Dr. phil.(ブラウンシュヴァイク大学)。DAAD給付奨学生、フンボルト財団招聘研究員。近現代のドイツ語史、歴史語用論、歴史社会言語学。

浜本 隆三 (ハマモト リュウゾウ)
 1979年京都府生まれ。福井県立大学学術教養センター専任講師。アメリカ文学・文化論。

細川 裕史 (ホソカワ ヒロフミ)
 1979年広島県生まれ。阪南大学経済学部准教授。Dr. phil.(キール大学)。DAAD給付奨学生としてキール大学留学。社会言語学とドイツ語史。

溝井 裕一 (ミゾイ ユウイチ)
 1979年兵庫県生まれ。関西大学文学部准教授。関西大学博士(文学)。ドイツ民間伝承研究・西洋文化史、ひとと動物の関係史。

森 貴史 (モリ タカシ)
 1970年大阪府生まれ。関西大学文学部教授。Dr. phil.(ベルリン・フンボルト大学)。早稲田大学交換留学生としてボン大学、DAAD奨励奨学生としてベルリン・フンボルト大学留学。ドイツ文化論・ヨーロッパ紀行文学。

(2016/1/9)KG

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見えない巨人――微生物
 [自然科学]

見えない巨人―微生物

別府輝彦/著
出版社名 : ベレ出版
出版年月 : 2015年11月
ISBNコード : 978-4-86064-450-5
税込価格 : 1,512円
頁数・縦 : 263p・19cm


 微生物について、発酵、病気、環境の三つのテーマに分けて解説する。

【目次】
1 微生物とは何だろう?
 微生物は見えない生き物
 微生物は巨大な生き物
 微生物は多様な生き物
 微生物と人間のかかわり
2 発酵する微生物
 発酵とは何だろう?
 発酵という文化
 新しい微生物、新しい発酵
 次の世代に向かって
3 病気を起こす微生物
 歴史の中の感染症
 病原体との戦い
 新しい感染症の姿
4 環境の中の微生物
 環境を支える微生物
 共生する微生物
 集団としての微生物
 地球環境と微生物

【著者】
別府 輝彦 (ベップ テルヒコ)
 1961年、東京大学大学院化学系研究科修了。1977年、東京大学大学院農学生命科学研究科教授。1994年、日本大学生物資源科学部教授。2006年、日本大学総合科学研究所教授。東京大学名誉教授。日本学士院会員。平成24年度文化功労者。

【抜書】
●生物の分類(p36)
 原核生物ーー細菌
      └古細菌
 真核生物ーー動物
      └真菌
      └植物
 古細菌……メタン生成菌、高度好塩菌、など。進化的には、細菌よりも真核生物に近い。

●ミミウイルス(p38)
 ミミウイルス……小型の細菌に匹敵するサイズの巨大ウイルス。遺伝子の配列を他の生物と比較すると、古細菌と真核生物の間で枝分かれしたと考えられる。

●大酸化イベント(p41)
 最も古い微生物の化石……約34億年前の西オーストラリアの地層から見つかった。当時、メタン生成菌によって、炭酸ガスからメタンが作られ、温室効果により、今より暗かった太陽の下で氷結から免れた。
 約25億年前、地球の大気に初めて分子状酸素(O2)が出現した。微生物の大部分を絶滅させ、酸素呼吸型の真核生物の誕生につながった。酸素を作り出した原因は、ストロマトライトを形成するシアノバクテリアが光合成を行ったため。
 約21億年前の米国ミシガン州の地層から、藻類の一種と考えられる真核微生物の微化石が見つかっている。

●酒作り(p56)
 単発酵酒……糖を含んでいる原料から、アルコール発酵だけの一段階でできる酒。ブドウ酒、蜂蜜酒、馬乳酒、ヤシ酒、プルケ(蒸留酒テキーラの元)、など。
 複発酵酒……穀物のデンプンを糖に分解(糖化)する過程とアルコール発酵の二段階を踏む酒。糖化に必要なアミラーゼを手に入れるには、①唾液のアミラーゼ(口噛み酒)、②麦芽に代表される発芽した穀物(穀芽)のアミラーゼ(ビール)、③カビのアミラーゼ(日本酒)、の三つの方法がある。
 単行複発酵酒……ビールのように、麦芽による糖化が終わった後に酵母単独で発酵させる。
 並行複発酵酒……中国や日本の酒のように、カビによる糖化と、酵母による発酵が一つの容器の中で同時に進む。

●抗生物質(p99)
 ペニシリン……細菌に固有の細胞壁合成を阻害する。
 ストレプトマイシン……タンパク合成にかかわるリボソームの細菌に固有の特徴を見分けて阻害する。
 どちらも、真核生物であるヒトの細胞にはない、原核生物固有の標的に作用することで、人体に副作用を及ぼさず、選択的に病原菌を殺すという、長年の医療の夢を実現した。

●ペスト(p128)
 ペスト菌の起源は中国。中国奥地からシルクロードを経て西アジア、ヨーロッパへ、鄭和の大船団(1405~33年)によって東南アジア、インド、アフリカ東海岸へ広がった。
 ペスト菌は、ノミを介してネズミ、リス、マーモットなどネズミ目の野生動物に感染する。ネズミからヒトに伝わる。

●バクテリアリーチング(p205)
 バクテリアリーチング……微生物による精錬。
 銅は、硫黄と化合した数種類の硫化銅の鉱石として産出。鉱石を野外に積み上げ、上から水を撒くだけで、鉱石に棲みついている硫黄酸化細菌、鉄酸化細菌という2種類に細菌が溶かしだした銅が、あらかじめ堆積の底に張り巡らせておいた配管を通って流れ出てくる。1950年代に米国の銅山で実用化された。
 硫黄酸化細菌、鉄酸化細菌……それぞれ、硫黄、二価鉄を酸化してエネルギーを得ると同時に、炭酸固定を行う。

●共生(p212)
 相利共生……どちらも得する共生。
 片利共生……片方だけが得をする共生。

●ブフネラ(p223)
 アブラムシは、「菌細胞」という特殊な細胞を持ち、その中にブフネラという共生細菌を多数持っている。
 アブラムシが栄養源としている植物の汁液はアミノ酸のバランスが著しく偏っている。ブフネラがこれを必須アミノ酸に合成しなおして宿主に補給している。
 ブフネラは、菌細胞の外では増殖できない、絶対共生菌。大腸菌に近縁だが、ゲノムの大きさは七分の一。独立して生きていく上で不可欠な遺伝子の多くを失っている一方、一部のアミノ酸の合成遺伝子などはしっかり残している。
 約2億年前に、アブラムシの祖先の細胞の中に入り込んだ。安定した環境で宿主との相互依存の関係を深めながら進化する間に、不要になった遺伝子を次々に捨て去った。ミトコンドリアがたどったのと同じ道中の途中にいる。

●バイオフィルム(p237)
 細菌などの単細胞の微生物は、通常、固体表面に多数が寄り集まって「バイオフィルム」をつくっている。
 バイオフィルム内部は、複数の種類の菌が互いに助け合いながら生きている、微生物の社会そのもの。メンバー同士が物質のやり取りをするのにも好都合。
 ある種の細菌がつくるバイオフィルムでは、菌の表面に生えている極細の線毛がたがいにつなぎとめられており、タンパク質でできたその線毛は導電性を持っている。「超微細電線(ナノワイヤー)」によるネットワーク。

(2016/1/4)KG

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