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キリスト教成立の謎を解く 改竄された新約聖書
 [哲学・心理・宗教]

キリスト教成立の謎を解く―改竄された新約聖書

バート・D・アーマン/著 津守京子/訳
出版社名:柏書房
出版年月:2010年10月
ISBNコード:978-4-7601-3872-2
税込価格:2,592円
頁数・縦:350p・20cm


 キリスト教の正典集『聖書』の「本文批評」研究の「常識」を開陳する書。
 〔本書で私が提示する見解は、学者の間ではごくごく標準的なものである。本書を読んで、一つでも新しい発見をする聖書学者がいるとは思えない。〕(p.32)
 異教徒にとって(と同時に一般のキリスト教徒にとっても)、目から鱗が落ちるような内容である。
 自らの宗教の聖典を批判的に論じる西洋人の精神とはいかなるものなのであろうか。キリスト教が民族固有の自然宗教ではないだけに、心の奥底に客観的な視点を残しているということなのだろうか。

【目次】
第1章 信仰に突きつけられた歴史的挑戦
第2章 矛盾に満ちた世界
第3章 山積する様々な見解
第4章 誰が聖書を書いたのか?
第5章 嘘つき、狂人あるいは主?歴史的なイエスを求めて
第6章 いかにして私たちは聖書を手に入れたのか
第7章 誰がキリスト教を発明したのか?
第8章 それでも信仰は可能か?

【著者】
アーマン,バート・D. (Ehrman, Bart D.)
 ノース・カロライナ大学教授。新約聖書・原始キリスト教史・イエス伝等の研究の第一人者。

津守 京子 (ツモリ キョウコ)
上智大学外国語学部英語学科、東京大学文学部歴史文化学科(西洋史学専修)卒業。

【抜書】
●共観福音書(p56)
 『マルコによる福音書』『マタイによる福音書』『ルカによる福音書』。これらは同じような内容を含む。
 『ヨハネによる福音書』は含まない。

●偽書(p138)
 新約聖書として編纂されている27の書のうち、作者名と実際の作者が一致することがほぼ確実なのは、以下の8つ。
 ・パウロ作『ローマの信徒への手紙』『コリントの信徒への手紙1』『同2』『ガラテヤの信徒への手紙』『フィリピの信徒への手紙』『テサロニケの信徒への手紙1』『フィレモンへの手紙』
 ・『ヨハネの黙示録』(ただし、ヨハネが何者なのかよく分かっていない)
 間違った作者名を与えられた書……『マタイによる福音書』、『ヨハネによる福音書』、『ヘブライ人への手紙』(ヨハネ)。
 同名異人(ホモニマス)の書……『ヤコブの手紙』。イエスの兄弟ヤコブの作ではない。
 偽典……他人の名を騙って書かれたもの。スーデピグラフィー。

●非類似性の基準(p184)
 ありそうもない話のほうが信憑性が高い。
 聖書では、自分たちの見解に沿うように伝承に手を加えたため、正典間で矛盾を抱えるようになった。初期キリスト教徒が好んだと思われるイエス像と一致しないイエスの口碑のほうが、信憑性が高い。
 たとえば、イエスはベツレヘムで生まれ、ナザレで育ったことになっている。ベツレヘムはダビデの子が生まれることになっているので、イエスの出生地として都合がよい。しかし、おそらくナザレ出身。ガリラヤ地方のナザレという貧しい町に生まれたとしても、キリスト教の教義の発展には寄与しない。そうであるからこそ、たぶん、この誕生譚は歴史的に正しい。

●トリエント公会議(p224)
 27の書から成る正典は、16世紀に宗教改革に対抗して開かれたトリエント公会議において、初めて公会議において承認された。
 それまで〔正典は、ある時点ではっきりと採択されることなく、誰が決を採ったわけでもないのに、出現したのだ。〕

●アタナシウス(p257)
 初期キリスト教史において、初めて、現在の聖書を構成する27の書だけが記載された正典のリストがつくられたのは、367年。エジプトのアレクサンドリアの司教だったアタナシウス。39通目の「祝祭日に関する書簡」の中で、教会で読まれるべき書のリストを挙げた。
 5世紀以降、アタナシウスの正典は、大方の正統派教会の正典として定着する。
 ニケア公会議……アタナシウスは、その数十年前に開かれたニケア公会議(325年)の立役者。ローマ皇帝コンスタンティヌスにより招集された、最初の公会議。

●苦悩するメシア(p276)
 イエスが苦悩するメシアだという考えは、初期キリスト教徒が発明したものである。ユダヤ教にはない概念。
 パウロは、この発想が、ユダヤ人にとって最大の「つまずかせるもの」だったと指摘(『コリントの信徒への手紙1』1章23節)。しかし、このようなメシア像があまりに馬鹿げているからこそ、正当だとみなした。(『同』1章18-25節)。

●反ユダヤ思想(p285)
 反ユダヤ思想は、キリスト教が誕生するまで、ローマやギリシャや他のいかなる地域にも存在しなかった。ローマやギリシャの作家が、男児のペニスを傷つけたり、豚肉を食べなかったり、1週間のうち1日は怠けて仕事をしなかったり(安息日)といった慣習を、揶揄することはあったが、彼らはすべての異民族を馬鹿にしていた。

●垂直的二元論(p310)
 水平的二元論……もうじき終末が訪れ、神の国が実現するという、時間的な二元論。
 垂直的二元論……天上に神の国が存在するという空間的な二元論。
〔 キリスト教思想家は、終末が、待てど暮らせど来ないので、この時間軸を再定義し、軸を回転させ、水平的二元論にすることで、「終わり」を垂直線上に置きかえた。そうすることで、この世とあの世という、二つの領域が、今の時代とこれから訪れる時代という、二つの時代に取って代わった。もはや、肉体的復活は、議論されることも、信じられることもなくなった。いまや、重要なのは、この世における苦しみと、天国における歓喜なのだ。〕

(2017/2/28)KG

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もう時効だから、すべて話そうか 重大事件ここだけの話
 [社会・政治・時事]

もう時効だから、すべて話そうか: 重大事件ここだけの話

一橋文哉/著
出版社名:小学館
出版年月:2016年11月
ISBNコード:978-4-09-388523-2
税込価格:1,728円
頁数・縦:286p・19cm


 長年、新聞・雑誌で事件記者を務めたノンフィクションライターが、昭和~平成に起きた重大事件の、マスコミに出なかった「裏側」を語る。月刊『本の窓』2013年3・4月合併号から2016年9・10月合併号所収のコラムに、大幅加筆・修正。
 事件を担当した現場の刑事よりも犯人に肉薄しているのではないかと思われるケースも多々登場。事件記者の食い込み具合のすごさを感じる。報道も命がけの仕事なのである。

【目次】
第1章 身勝手過ぎる凶悪犯罪に喝!
第2章 女心ほど不可解なものはない
第3章 未解決に陥るには理由がある
第4章 絶対正義をうたう司法の裏切り
第5章 グリコ森永事件こそ私の原点だ
第6章 スクープのコツはここにあり
第7章 アスリートと芸能人を支配する闇
第8章 少子高齢化社会は病んでいる

【著者】
一橋 文哉 (イチハシ フミヤ)
 ジャーナリスト。東京都生まれ。早稲田大学から新聞、雑誌記者を経て現職。1995年、月刊誌「新潮45」に「ドキュメント『かい人21面相』の正体」(雑誌ジャーナリズム賞受賞)を連載。『闇に消えた怪人―グリコ・森永事件の真相』刊行後、3億円強奪、オウム真理教など未解決事件や闇社会を題材にノンフィクション作品を次々と発表。

【抜書】
●三億円事件(p77)
 1968年12月10日朝に発生。
〔 この事件は現金強奪のトリックこそ奇抜だが、犯行のシナリオは単純で偽装白バイなど百五十点の遺留品があったうえ、犯人の目撃証言が多かったことから、スピード解決が期待された。だが、捜査は予想外に難航し、延べ約十七万二千人の捜査員と被害金額の三倍を上回る約十億円の捜査費用を投入したが、七五年十二月十日、犯人を逮捕できないまま、時効が成立してしまった。〕

(2017/2/25)KG

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平安京はいらなかった 古代の夢を喰らう中世
 [歴史・地理・民俗]

平安京はいらなかった: 古代の夢を喰らう中世 (歴史文化ライブラリー)

桃崎有一郎/著
出版社名:吉川弘文館(歴史文化ライブラリー 438)
出版年月:2016年12月
ISBNコード:978-4-642-05838-4
税込価格:1,944円
頁数・縦:276p・19cm


 平安京は、唐や新羅との対抗上、律令制に移行するために造られた都だったが、規模が大きすぎ、不要な施設も多く、1200年を通して結局は完成を見ず、無駄な都市であった……。

【目次】
中世からは見えない中世京都―プロローグ
平安京の規格と理念
 古代のミヤコと中国の都城―律令国家が求めたもの
 平安京の規格―座標系に投影された身分秩序の写像
 日本の身分制度―ラベルとしての位階官職、原点としての天皇
 平安京の構造と身分制度―観念的な秩序の実体化
実用性なき平安京
 平安京を守る朝廷、平安京を破壊する住人
 平安京は日本の実情に合わせて造られたか
 実用性なき首相街路・朱雀大路
 外交の“舞台”としての朱雀大路
 祭礼の“舞台”としての朱雀大路
大きすぎた平安京―“平安京図”という妄想
 未完成の平安京
 衰退する右京
 成長する左京
 土地だあり余る平安京
 平安京を埋められない人口
 縮小する政務、引きこもる天皇
平安京の解体と“京都”への転生
 摂関政治と平安京の再利用―平安京の終わりの始まり
 持て余す大内裏、快適な里内裏―仮住まいに永住する天皇
 院政が捨てた大内裏―中世京都への脱皮、抜け殻としての平安京
 大内裏を諦めなかった男・信西―選択と淘汰の大内裏再建
 信西の中世国家設計と正面観主義―“背景セット”としての平安京・大内裏
内裏の適正サイズと大内裏の中世的“有効活用”―エピローグ

【著者】
桃崎 有一郎 (モモサキ ユウイチロウ)
 1978年東京都に生まれる。2001年慶應義塾大学文学部卒業。2007年慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学、博士(史学)。現在、高千穂大学商学部教授。

【抜書】
●得宗(p3)
 得宗……鎌倉幕府の執権北条氏の嫡流。執権になると相模守に任じられた。
 相模守は、得宗・執権の象徴。唐名(唐風に気取って呼んだ別称)の「相州」「相太守」は、幕府の支配者を意味した。

●律令国家(p9)
〔 平安京を生み出した日本の律令国家は、もとはといえば、唐や新羅との軍事的な緊張に対応するために造られた。しかし、律令国家の都の完成形が平安京として生まれ落ちた時、危機はとうに去っていた。これからは、唐を中心とする国家秩序と距離を置き、日本列島の中で幸福を追求した方が、この国の得られる満足度が高そうだ。そう判断した時、多くのものが不要であることに、朝廷は気づいた。
 とはいえ、かつて大々的に掲げてしまった“律令制”という看板は、もう引っ込みがつかない。それは体制面の問題でもあるし、律令制にはほかで代用できない便利な機能も多い。そこで朝廷は、“律令制” という看板(建前)を下さないまま、律令制の内実を換骨奪胎して、必要十分な最小限のシステムへと減量(ダイエット)させていった。〕

●歴代遷宮(p15)
 中国を模倣する以前の、倭の大王の宮殿は、大王が代替わりするたびに別の場所に造り替えられた。歴代遷宮。
 平安京の本質は、74代(南北朝期は北朝)もの天皇が、平安京を使い続けたことにある。つまり、代替わりによって都を移らないことが、「倭国」を卒業して「日本国」となった、国家の本質の変化。
 歴代遷宮……倭国の政府の実体は、大王個人と豪族個人の人格的なつながり、つまり1対1の個人的な人間関係の寄せ集めであった。大王が替わるたびに、政権を運営する豪族が替わる。当時、すでに豪族たちが飛鳥を中心とする地域一帯に根を下ろし、現地の人民を支配していた。大王はそこに後から登場(即位)したのであり、政権運営のためには、豪族たちに協力を要請しなければならなかった。大王と豪族の先後関係が、政権の所在地に反映された。仁藤敦史『都はなぜ移るのか』(吉川弘文館、2011年)。
 持統天皇8年(694年)に造営された藤原京より、都市が丸ごと遠方に移る「遷都」が行われた。豪族を支配地域から引きはがし、天皇の都(京)に住まわせるため。
 藤原京……近代の研究者が創作した造語。実際には新益京(あらましのみやこ)と呼ばれた。

●平安京(p31)
 東西1508丈(4501m)×南北1751丈(5226m)。
 1丈=10尺、1尺=29.844518cm。
 大路は広さ10丈(30m)、小路(こうじ)は広さ4丈(12m)。
 現在の「普通道路」は、1車線につき幅3.25m。
 大内裏(平安宮)は、東西384丈(1146m)×南北460丈(1373m)。

●条坊制(p33)
 町(ちょう)……市街地の1区画を町(方一町)という。40丈(119m)四方。
 坊……町を4×4集めた区画。坊の周囲には必ず大路が通る。坊の中を東西南北3本ずつの小路が通り、町の境界となす。

●冊封、羈縻(p89)
 布目潮渢/栗原益男『隋唐帝国』(講談社、1997)。
 冊封……現地の王を唐の皇帝が改めて王に任命することで、相手国の事実上の独立を認めながら、形式上で唐に従属させる手法。主に東アジアに対して行われた。
 羈縻……現地の王の支配を追認しつつ、唐の地方官に任命し、都督府や都護府などの唐の統治機関を現地に置いて、間接的に支配する手法。突厥など北方・西方の諸蕃に多く用いられた。

●儀礼の劇場(p103)
〔 外交も祭もともに本質が儀礼であり、その出演者たちが所作を演じる舞台として朱雀大路を用い、同時に多数の見物人が観客席として朱雀大路を用いたならば、それは街路という形をとった”劇場”と見なしてよい。そして、朱雀大路が外交・祭の時だけ使われたのならば、“儀礼の劇場”であることにこそ、朱雀大路の最大の存在意義があったことになる。しかも大嘗会は祭礼の形を取りながら、実際には天皇の即位儀礼であり、つまり新天皇の権威を誇示するための儀礼だ。そしてまた外交も、天皇率いる日本国(倭国)の国威を周辺諸国に誇示するための儀礼だ。つまり朱雀大路の存在目的は、“天皇権威を誇示する儀礼の劇場”であったと結論できる。〕
 朱雀大路は、広さ28丈(約82m)もあった。『延喜式』による。(p76)

●巷所(p107)
 巷所(こうしょ)……平安京で、街路を勝手に農地として耕したところ。街路では、牛馬の放し飼いも行われていた。

●王家(p136)
 王家……院政期の新興勢力の一つ。治天を家父長とする一家。近代の「皇族」と区別するため、「王家」と呼んでいる。
 上皇が「治天(の君)」と呼ばれて政務を執るようになると、家父長的な権力のあり方が発達した。それにより、治天とその直系親族が巨大な富を集積する最大の新興勢力となった。
 たとえば鳥羽法皇の皇女、暲子(しょうし)内親王は、女院となって八条院と呼ばれ、八条院領という巨大な荘園・所領群を相続した。
 女院(にょいん)……天皇の母や有力な皇族女性に与えられる、院=上皇と同等の待遇。

●京都御所(p254)
 両統迭立の時代、一方から他方へ天皇が替わるたびに里内裏も移動し、鎌倉後期を通じて転々とした。平安宮(大内裏)が使われることはなかった。
 建武3年(1336年)、北朝の初代、光明天皇が土御門殿(土御門内裏)という邸宅を里内裏にすると、その後は里内裏は固定され、二度と動かなくなる。1町四方の区画。今日の京都御所の原型。しかし、1401年まで、南半分には新長講堂という王家の寺院があり、半町の面積しかなかった。

(2017/2/24)KG

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雑な読書 IN THE BOOKSHELF
 [ 読書・出版・書店]

雑な読書 (BURRN!叢書)

古屋美登里/著
出版社名:シンコーミュージック・エンタテイメント(BURRN!叢書 13)
出版年月:2017年2月
ISBNコード:978-4-401-64396-7
税込価格:1,620円
頁数・縦:303p・19cm


 『BURRN!』という、HM/HR(ヘビメタ/ハードロック)系の月刊紙の書評(?)連載コラム「IN THE BOOK SHELF」の中から50編を選んで1冊にまとめたもの。コラム自体は、1994年1月号から、1年半の中断をはさんで現在まで続いているという。本書は、2004年までの第1期セレクト50冊である。
 翻訳家だから外国ものが多いかと思いきやさにあらず。翻訳本は全部で17冊である。その中には、バルガス=リョサや、レーモン・クノーなど、専門の英米文学以外も含まれ、実に多彩なラインナップである。すべて、書評というよりは、その本を素材に、本人の読書遍歴や生い立ち、身辺雑記的なことどもを縦横に綴るエッセーである。もちろん、概ね半分くらいは本の内容の紹介も盛り込んではあるのだが。
 で、私が読んだことがあるものは、金子達仁『28年目のハーフタイム』、白川静『字書を作る』の2冊だけであった。文学作品はあまり読まないからな。
 と、読んでみたいと思ったものは、山田詠美『快楽の動詞』、南條竹則『酒仙』、宮部みゆき『蒲生邸事件』、レーモン・クノー『文体練習』、アシモフ他編『16品の殺人メニュー』、久生十蘭『顎十郎捕物帳』、バルガス=リョサ『若い小説家に宛てた手紙』、エドワード・ケアリー『望楼館追想』、など。

【目次】
内田春菊『ファザーファッカー』
山田詠美『快楽の動詞』
南條竹則『酒仙』
キャリー・フィッシャー『ピンクにお手あげ』
ジョン・ファウルズ『アリストス』
竹内久美子『男と女の進化論』
中村真一郎『読書の快楽』
アラン・フォルサム『狂気のコードネーム“明後日”』
中島梓『夢見る頃を過ぎても』
北村薫『スキップ』
 ほか
特別付録・対談 豊﨑由美(書評家)×古屋美登里

【著者】
古屋 美登里 (フルヤ ミドリ)
 神奈川県出身。早稲田大学卒業。翻訳家。

(2017/2/22)KG

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格安イタリア生活 憧れの欧州で暮らせるノウハウ満載!
 [歴史・地理・民俗]

格安イタリア生活―憧れの欧州で暮らせるノウハウ満載! (アスキー新書)

御法川裕三/著
出版社名: アスキー・メディアワークス(アスキー新書 060)
出版年月: 2008年4月
ISBNコード: 978-4-04-870006-1
税込価格: 782円
頁数・縦: 196p・18cm


 ある日、妻の提案により、一念発起して家族でイタリアに移住。その顛末とイタリアでの生活を、写真とデータを添えつつ率直に描く。

【目次】
第1章 海外に移住する。その意義と利便性
 不退転の決意?イタリアに移住する
 海外移住、その現状と実情
 旅とは異なる「暮らす」の重要性
 住めば都、しかし物価高が生活を直撃する
第2章 海外住宅事情と家探し
 現地の不動産業者をまわる
 コネクション社会のネットワーク
 イタリア/欧州、住宅スタイルあれこれ
 庭・プール付きの住宅が我が家に!?
 貴族末裔の自宅とは?
第3章 移住ビザと諸手続き
 移住をするにはビザが必要?
 必要なのは滞在許可証だ
 イタリアで働くために
 将来を見据えたビザ更新
第4章 暮らし方と生活、実例多数
 国内引っ越しとは勝手が違う?海外引っ越しのあれこれ
 食料品は安いけれど、それでも節約を試みる
 自炊と外食、それぞれの楽しみ方
 PC大爆発!日本製を使う際の注意事項
 格安に利用するための航空チケット
第5章 お金と医療
 移住のための生活費
 イタリアの医療制度

【著者】
御法川 裕三 (ミノリカワ ユウゾウ)
 1967年埼玉県生まれ。大学卒業ののち、日本での放送局勤務を経て独立。オーディオ・ビジュアル雑誌や音楽雑誌、または「マックピープル」「月刊アスキー」(アスキー・メディアワークス)や「ASCII.jp」(ウェブサイト)など、メディアを問わず寄稿をするAV/ITライター兼評論家。2004年より家族を伴いイタリアはフィレンツェに移住。欧州全土を含めた情報発信を主に、幅広い活動を行っている。

(2017/2/19)

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ヘリコプターマネー
 [経済・ビジネス]

ヘリコプターマネー

井上智洋/著
出版社名: 日本経済新聞出版社
出版年月: 2016年11月
ISBNコード: 978-4-532-35718-4
税込価格: 1,620円
頁数・縦: 194p・19cm


 今の日本を覆う「信用創造の罠」から抜け出すには、「ヘリコプターマネー」を中心とした貨幣制度の変革が必要と説く。

【目次】
第1章 お金のばらまきで景気は良くなるか?
 アベノミクスの基礎にはマクロ経済学がある
 成長政策はデフレ不況脱却のための政策ではない
  ほか
第2章 政府紙幣と財政ファイナンス
 歴史の中の政府紙幣
 銀行券と中央銀行の起源
  ほか
第3章 長期デフレ不況にヘリコプターマネーは有効か?
 長期的な需要不足の可能性
 自然失業率仮説
  ほか
第4章 日本経済が陥った罠とは何か?
 流動性の罠なのか?
 クルーグマンの「流動性の罠」モデル
  ほか
第5章 ヘリコプターマネーとベーシックインカム
 貨幣発行益とは何か?
 貨幣発行益をベーシックインカムとして国民に配当せよ
  ほか

【著者】
井上 智洋 (イノウエ トモヒロ)
 駒澤大学経済学部講師。慶應義塾大学環境情報学部卒業、早稲田大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。2015年4月から現職。博士(経済学)。専門はマクロ経済学、貨幣経済理論、成長理論。人工知能と経済学の関係を研究するパイオニアとして、学会での発表や政府の研究会などで幅広く活動している。AI社会論研究会の共同発起人もつとめる。

【抜書】
●ベビーシッター組合(p32)
 資産効果……通常は、株価や地価などの上昇による資産の増大によって消費が増える効果をいう。井上は、現金や預金通貨などの増大によって消費が増える現象も「資産効果」と呼ぶ。
 「資産効果」によって消費需要が増大して景気が良くなる例として、「貨幣理論とベビーシッター組合の危機」(ジョーン・スウィーニー/リチャード・スウィーニー著、1977年)のエピソードがある。ポール・クルーグマンによって日本のデフレ不況を説明するために紹介されて有名になった。
 ベビーシッター組合に150組ほどの若い夫婦が加盟していた。ベビーシッターを雇うためのクーポン券は20枚配布され、1枚で30分、ベビーシッターを頼める。
 一定程度のクーポン券を蓄えようとするカップルが増え、需要が減り、相互扶助が行われなくなった。
 「需要不足は貨幣の増大によって解消できる。」
 クーポンを30枚に増やすと、資産が増大し、より気軽にクーポンを使うようになり、需要が増える。しかし、500枚に増やすとベビーシッターをしてクーポンを増やそうとする人がいなくなり、供給が増えない。

●ジョン・ロー(p42)
 1671年、スコットランド生まれ。「ゴールドスミス・バンカー」(金匠銀行家) の父親の財産を相続。博打打ち、殺人犯、亡命者、銀行家、政治家、経済思想家。
 『貨幣と商業』を匿名で出版。歴史上初の銀行や信用に関する体系的な理論書。スコットランドの経済が停滞しているのは、貨幣が不足しているから。その解決のためには、銀行を設立して貨幣量を増大させ、雇用の増大を図るべきである、と論じる。
 スコットランドではこの「銀行設立計画」は受け入れられず、財政危機に瀕していたスランスにて実現。
 王立銀行を設立、紙幣(王立銀行券)を発行、国債の償還に充てる。
 同時に、市中に出回った紙幣を吸収するために、ミシシッピー会社という政府系企業を設立。植民地ルイジアナで、金鉱の探査をするための会社。この会社の株を王立銀行券で買えるようにした。国債がミシシッピー会社の株に「化ける」 ⇒ 証券化(セキュリタイゼーション)。
 実際にはルイジアナに金鉱などなく、偽装。
 「ローのシステム」「ミシシッピー・システム」……貨幣は、金や銀などといった貴金属と交換できる保証がなくても信用だけで流通する。 
 1720年、王立銀行券の額面を100リーヴルから50リーヴルに切り下げ、ミシシッピー会社の株価が暴落し、ローはフランスを追われ、29年、ヴェネチアで亡くなる。

●交子(p51)
 宋朝の中国で、人類史上、初めて紙幣が広範囲に使われるようなった。「交子(こうし)」。
 当時の中国では、目覚ましい経済発展により、銅銭が不足した。
 やがて、西夏の侵入によって増大した軍事費を賄うのに使われるようなった。

●ゴールドスミス・バンク(p54)
 金細工師(ゴールドスミス)は、金を保管するための頑丈な金庫を持っていたので、人々から金を預かる業務つまり預金業務(銀行業)を営むようになる。⇒ ゴールドスミス・バンク
 金を預かる際にゴールドスミスが発行する預かり証「ゴールドスミス・ノート」が、紙幣(銀行券)として流通するようになる。民間の「銀行」が、めいめい銀行券を発行し、流通させていた。⇒ フリーバンキング
 イングランド銀行は、当初は政府への貸し付けを主たる業務とする民間銀行だった。ただし、政府への貸付額と同じ額まで紙幣(イングランド銀行券)を発行する権利が与えられた。一般の民間銀行が金ではなくイングランド銀行券を保有するようになり、銀行の銀行として機能するようになり、自然と中央銀行としての役割を担うようになった。

●ピグ―効果(p108)
 ピグ―効果……需要が不足すると、商品の価格が下がって手持ちのお金でより多くのものが買えるようになり、消費需要が増大する、という効果。
 資産効果と同じ結果をもたらす。

●技術進歩率(p126)
 技術進歩率と同程度の貨幣成長率を維持すれば、長期的な需要不足を解消することができる。
 政策当局の介入が存在しないようなレッセフェール(自由放任主義)経済では、必ず技術的失業が発生する。
 貨幣が非中立的な経済では、そもそもレッセフェールはあり得ない。

●信用創造の罠(p138)
 流動性の罠……マネーストック(現金+預金)を増大させても、利子率が低下せず投資や消費が増大しない。
 信用創造の罠……マネタリーベース(現金+預金準備)を増大させても利子率が低下せずマネーストックが増大しない。
 現在は、信用創造の罠に陥っている。

●自己実現的期待(p156)
 「景気が回復し定常状態Hにたどり着ける」ということを国民全体に信じ込ませることができれば、それによって消費需要及び投資需要が増大し、信用創造がなされ、マネーストックも増大し、本当に定常状態Hにたどり着ける。
 予言したことによって実際に予言したとおりになる「予言の自己成就」 ⇒ 自己実現的期待。

●貨幣発行益(p160)
 信用創造の罠からの唯一確実な脱却手段は、「ヘリコプターマネー」である。
 ヘリコプターマネーを実施するということは、「貨幣発行益」を使うことを意味する。
 たとえば国債は、いずれ税金によって償還するか、中央銀行に買い取らせて貨幣発行益に変える必要がある。
 もっとも公平なのは、国民一人ひとりに同額ずつマネーを給付すること。⇒ 「貨幣発行益の国民配当」
 ベーシックインカム……カナダの思想家クリフォード・ヒュー・ダグラスのアイディア。生活に最低限必要な所得を国民全員に保障する制度。

●国民中心の貨幣制度(p170)
 これまでの貨幣制度は、「政府中心の貨幣制度(Aレジーム)」と「銀行中心の貨幣制度(Bレジーム)」のどちらかであった。
 Aレジーム……政府(領主や王、皇帝などの為政者)がコインや紙幣を発行して貨幣発行益を享受する近代以前の制度。
 Bレジーム……銀行が信用創造を行い、貨幣発行益を享受する近代以降の制度。
 Cレジーム……未来に現れるだろう貨幣制度。「国民中心の貨幣制度」。中央銀行のみがお金を創造し、政府を介してそのお金は国民にベーシック・インカムとして支給され、国民はすべての貨幣発行益を直接享受できる。
 中央銀行 ⇒ 民間銀行 ⇒ 企業 ⇒ 家計、という流れが以下のように逆転。
 中央銀行 ⇒ 家計 ⇒ 民間銀行 ⇒ 企業
 現在、銀行以外の経済主体が仮想通貨や地域通貨を発行し、「貨幣創造の分権化」が進行している。
 Cレジームは、中央銀行のみに貨幣創造の権限を持たせる「貨幣創造の集権化」。

●100%準備制度(p175)
 信用創造の禁止……「部分準備制度」を廃止して、「100%準備制度」を導入する。
 「預け入れ」であり、同時に「貸し付け」であるという預金の二重性を預金からはく奪する。
 ヘンリー・シモンズやミルトン・フリードマンといったシカゴ大学を根城とする経済学者集団に支持されたので、「シカゴプラン」と呼ばれるようになる。

●純粋機械化経済(p181)
 人間の労働の大部分が、汎用AIを搭載したロボットなどの機械によって代替され、機械のみが生産を行う経済。
 潜在成長率が上がるので、マネーストックを増大させ、絶え間なく需要を喚起し続ける必要がある。
 今の貨幣制度のままでは、信用創造の罠が発生してしまう。
 貨幣経済の主軸をヘリコプターマネーに据える必要がある。
 雇用を失った人々の生活を支えるための社会保障制度として、ベーシック・インカム(BI)が導入されるべきである。 ⇒ 固定BI
 BIの給付額は、インフレ率やGDPギャップなどのマクロ経済の状況を鑑みて変動させる必要がある。⇒ 変動BI。固定BIとの2階建てBI。
 変動BIを実施するには、「貨幣制度の変革」(Currency Innovation:CI)がなされなければならない。
 AI ⇒ BI(2階建てBI)⇒ CI

(2017/2/18)KG

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腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方
 [医学]

腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方

ジャスティン・ソネンバーグ/著 エリカ・ソネンバーグ/著 鍛原多惠子/訳
出版社名: 早川書房
出版年月: 2016年11月
ISBNコード: 978-4-15-209653-1(4-15-209653-5)
税込価格: 2,052円
頁数・縦: 339p・19cm

 ヒトの大腸には100兆個の細菌(マイクロバイオータ)が棲息し、ヒトの身体や精神の状態をも左右している。これらの細菌の遺伝子は250万個にも及び、ヒトの遺伝子の100倍近い数となる。ヒトは、体内の細菌と共生して存在しているのであり、細菌と人体とはひとつのエコシステムを形成している……。

【目次】
第1章 マイクロバイオータとは?なぜ重要?
第2章 マイクロバイオータの形成―妊娠、出産、離乳期
第3章 免疫系を調整する
第4章 毎日、体外に出ていく細菌たち
第5章 一〇〇兆個の細菌が餓えている
第6章 「なんとなく」は腸からの知らせ?
第7章 「クソ」を食らってでも生きよ
第8章 老化するマイクロバイオータ
第9章 では、どうすればいいのか?

【著者】
ソネンバーグ,ジャスティン (Sonnenburg, Justin)
 スタンフォード大学スクール・オブ・メディスン微生物学・免疫学部准教授。2009年、アメリカ国立衛生研究所(NIH)による新しいイノベーターのための所長賞を受賞。

ソネンバーグ,エリカ (Sonnenburg, Erica)
 スタンフォード大学スクール・オブ・メディスン微生物学・免疫学部上級科学研究員。食生活と腸内細菌の関係を研究している。

鍛原 多惠子 (カジハラ タエコ)
 翻訳家。米国フロリダ州ニューカレッジ卒(哲学・人類学専攻)。

【抜書】
●マイクロバイオータ(p15)
 マイクロバイオータ……ヒトの体内に住む細菌類の総称。胃や小腸にもいるが、大半は大腸内におり、100兆個以上。平均的なアメリカ人の場合、約1,200種。ベネズエラのアマゾネス州に住む平均的なアメリカインディアンは約1,600種。

●ヒトミルクオリゴ糖(p64)
 母乳に含まれる複合炭水化物。ヒトミルクオリゴ糖は、母乳に脂肪と乳糖の次に多く含まれている。
 化学構造がきわめて複雑で、ヒトには消化できない。マイクロバイオータの食べ物となる。
 マイクロバイオータは2,500万個(250万個?)の遺伝子を持ち、ヒトミルクオリゴ糖を消化してエネルギーを抽出する能力を持つ。特に、植物組織を食べるバクテロイデス属菌の好物で、この細菌の定着を促す。

●免疫系(p86)
〔 免疫系は、共通の資源(人体)をとおして共生菌とたえず交渉している。免疫系としては、ヒト細胞と細菌細胞のあいだに安全な距離を保ちたい。だが細菌は棲息地(ヒトの腸)を確保したいので、そこから追い出されたくはない。〕

●Tレグ細胞(p98)
 免疫反応が起きると、B細胞とT細胞が抗体を作って炎症を促し、赤味、腫れ、発熱、化膿が起きる。
 この反応の後、Tレグ細胞(制御性T細胞)が関わり、これらの症状が消えていく。
 Tレグ細胞が少ないと免疫反応が強くなり、自己免疫、炎症性腸疾患、癌などに発展することもある。
 マイクロバイオータの一部の菌には、腸内のTレグ細胞を増やす働きがある。理科学研究所消化管恒常性研究チームの本田賢也の発見。

●イヌリン(p128)
 腸内細菌は、イヌリンを発酵させて短鎖脂肪酸を作る。短鎖脂肪酸は、エネルギーとして吸収され、腸を炎症から守る。
 イヌリン……最大で60個の果糖分子が直鎖状につながった重合体。一般的な市販のプレバイオティクス(有用な食品成分)の一つ。

●シンバイオティクス(p129)
 シンバイオティクス……プロバイオティクス(有用菌)とプレバイオティクスを組み合わせたもの。医薬品ではない。プレバイオティクスがプロバイオティクスの食べ物となり、体内に取り込んだ細菌が大腸で増える。

●マック(p141)
 腸内の微生物は、主に食物繊維を含む複合炭水化物を食べる。でんぷん質の多い食品や炭酸飲料に入っている単純炭水化物はヒトの小腸で吸収されてしまい、大腸にいる微生物には届かない。
 マイクロバイオータが食べる食物繊維(複合炭水化物)を、マック(MAC: microbiota accessible carbohydrates)と呼ぶ。

●短鎖脂肪酸(p145)
 マイクロバイオータは、ヒトには消化できない植物由来の炭水化物を発酵し、短鎖脂肪酸を作る。しかし、腸内には酸素がないので、短鎖脂肪酸から熱量を抽出することができない。ヒトは、短鎖脂肪酸を酸素のある組織内に吸収し、熱量を取り出す。
 つまり、ヒトは、マイクロバイオータのお陰で、本来は消化できない繊維質から熱量を得ることができる。

●ポルフィラナーゼ(p158)
 海苔に含まれる多糖類を分解する酵素。日本人のマイクロバイオーム(体内細菌の遺伝子群)にはこの遺伝子が含まれるが、北アメリカの住民には見られない。

●脳腸軸(p172)
 ヒトの脳と腸は、大規模なニューロン網と、化学物質とホルモンの連絡路とでつながっている。どれほど空腹か、ストレスを感じているか、病原性の微生物を食べたかなどに関わる情報を、絶えず相互にフィードバックしている。この情報通信網を脳腸軸と呼ぶ。
 腸の神経系は、第二の脳。
 腸神経系は極めて大規模で、食道から肛門までの消化管全体に目を配っている。中枢神経系からの入力がなくとも独立して働くが、両者はつねに情報を交換し合っている。
 腸内のニューロン網は、脊髄内のそれと同等に密集していて複雑。
 中枢神経系は、腸神経系の働きを統制する。自律神経系を介して、腸と連絡を取り合う。
 ニューロン、ホルモン、化学伝達物質の回路は、腸の状態に関するメッセージを脳に送る一方で、脳が腸環境に影響を与えるように計らってもいる。食べ物が通過する速度と腸内壁を覆う粘液の量など。

(2017/2/10)KG

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政治が危ない
 [社会・政治・時事]

政治が危ない

御厨貴/著 芹川洋一/著
出版社名 : 日本経済新聞出版社
出版年月 : 2016年11月
ISBNコード : 978-4-532-17610-5
税込価格 : 1,728円
頁数・縦 : 235p・19cm


 大学時代、半年間同じゼミで学んだ二人が、安倍政治、自民党政治について放談。

【目次】
第1章 政権という魔物―権力をめぐる闘争
 なぜ安倍政権はカムバックに成功したのか
 「同志、思想的結合、お友だち」を登用
 アベノミクスは「やった感」より「やってる感」
  ほか
第2章 政治家という代物―ポストをめぐる闘争
 安倍‐二階の「戦略的互恵関係」はいつまで続く?
 谷垣幹事長がいたから示せた「自民の幅」
 自民党内のバランスは崩れた
  ほか
第3章 憲法という難物―改憲をめぐる闘争
 16年8月、「天皇陛下のおことば」の背景
 なぜ摂政ではだめなのか
 「おとこば」を憲法上の観点から考える
  ほか
第4章 メディアという生き物―世論をめぐる闘争
 新聞論調は分極化しているのか
 政治家は「朝日がどう書くか」を気にしていた
 新聞の紙面が「べき論」でいいのか
  ほか

【著者】
御厨 貴 (ミクリヤ タカシ)
 青山学院大学特任教授、東京大学名誉教授。1951年東京都生まれ。東京大学法学部卒業。東京都立大学教授、ハーバード大学客員研究員、政策研究大学院大学教授、東京大学教授、放送大学教授を経て現職。日本政治史を専門とする。

芹川 洋一 (セリカワ ヨウイチ)
 日本経済聞社論説主幹。1950年熊本県生まれ。東京大学法学部卒業、同新聞研究所修了。76年日本経済新聞社入社。79年から政治部に所属し、次長、編集委員、政治部長、大阪本社編集局長、論説委員長等を経て現職。

(2017/2/9)KG

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55歳のハゲた私が76歳でフサフサになった理由 藤田博士の毛髪蘇生法

55歳のハゲた私が76歳でフサフサになった理由

 藤田紘一郎/著
出版社名: 青萠堂
出版年月: 2016年4月
ISBNコード: 978-4-908273-00-1
税込価格: 1,080円
頁数・縦: 218p・18cm


 「寄生虫博士」がハゲに関する本? 意外な組み合わせに思わず読んでみた。牽強付会か真実か!? ハゲには腸内細菌も関係しているらしい。ウ~ン。
 結論。本書に書かれていることは、髪のためというより、健康維持のために実践したいことばかりである。健康な生活が、豊かな髪を維持する秘訣なのか? 最後の「まとめ」参照(最後の1条を除く)。

【目次】
第1章 「糖質制限」で髪の毛がフサフサと生えてきた―腸内発毛力の証
 ハゲは単なる老化現象か
 白米を食べ過ぎると、なぜハゲる?
  ほか
第2章 腸内細菌が髪の大敵「活性酸素」を消す―腸は発毛の強い味方
 ハゲは体内が老化している表れ
 ハゲは遺伝か、生活習慣病か
  ほか
第3章 性ホルモンは「枯らさず増やさず」が毛髪力の極意―腸と“毛髪ホルモン”の深イイ関係
 「男性ホルモンが多いとハゲる」は本当か?
 女性にも男性型脱毛症が増えている
  ほか
第4章 髪の美容常識のウソ!みんな「毒」されている―腸内細菌が教える“脱清潔”
 日本人はコマーシャルに毒される
 このシャンプー、リンスは必要ない
  ほか
第5章 毛髪力を蘇らせる水と食べ物たち―発毛の腸内革命
 シリカ水を飲んで髪が増えた!
 活性酸素を消す「フィトケミカル」野菜グループ
  ほか

【著者】
藤田 紘一郎 (フジタ コウイチロウ)
 1939年、旧満州生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業。東京大学医学系大学院修了、医学博士。金沢医科大学教授、長崎大学教授、東京医科歯科大学教授を経て、東京医科歯科大学名誉教授。専門は寄生虫学と熱帯医学、感染免疫学。1983年に寄生虫体内のアレルゲン発見で日本寄生虫学会小泉賞を、2000年にはヒトATLウイルス伝染経路などの研究で日本文化振興会社会文化功労賞および国際文化栄誉賞を受賞。

【抜書】
●AGE(p25)
 AGE(Advanced Glycation Endproducts)=終末糖化産物。老化の元凶となる最悪の悪玉物質。
 糖化……タンパク質と糖質が結びつき、たんぱく質が劣化する反応。
 体内のたんぱく質は、糖化が進むとシッフ塩基という物質を経て、アマドリ化合物というたんぱく質に変質する。シッフ塩基やアマドリ化合物は、糖の濃度が下がれば元の正常なたんぱく質に戻る。しかし、アマドリ化合物が高濃度の糖にある程度さらされると、本来のたんぱく質と似ても似つかない「糖とたんぱく質の化合物」が生成される。これがAGE。
 人間の主な成分比率は、水分を除くと、たんぱく質46%、脂質43%、ミネラル11%。糖質は1%。
 食事の主な成分比率は、糖質68%、たんぱく質16%、脂質11%、ミネラル5%。

●腔腸動物(p63)
 最初の生命体である古細菌から、やがて細胞分裂を繰り返す多細胞生物が生まれる。
 やがて生物は臓器を持つようになる。それが、腸だけで生きる腔腸動物。クラゲ、サンゴ、イソギンチャク、など。
 あらゆる臓器のなかで、生物が最初に持った臓器は「腸」。腸は、消化や排泄だけでなく、呼吸や血液循環、思考や判断などすべての生命活動を行っていた。
 腸はやがて、働きの内容に応じた新たな臓器を作り出していく。心臓、肝臓、腎臓、肺、胃、脳。母なる腸が、他の臓器を生み出していくための原動力となったのが、腸内細菌。

●抗酸化力(p69)
 地上に早い段階で誕生した細菌や酵母、カビなどの原始生命体には、放射線に強い耐性(抗酸化力 )が備わっていた。地上に最初に出現した植物である緑藻植物も、紫外線に強い耐性(抗酸化力 )を持っていた。細胞壁にβ-グルカンという抗酸化物質が含まれている。
 放射線を浴びると、生命体のなかでは活性酸素が生じる。生命を脅かすほど毒性が強い。
 人間の抗酸化力は、だいたい20歳をピークに低下する。代わりに活性酸素の害から身を守ってくれるのが腸内細菌。

●活性酸素(p72)
 酸化……対象となる物質から電子を奪い取って劣化する。
 還元……電子を受け取って安定した状態にする。
 活性酸素は、非常に不安定な電子構造をしていて、触れるものから直ちに電子を奪い取ってしまう。
 酸素は、水素と結びつくと水となる。腸内細菌が水素を作り出し、体内で発生する活性酸素を消し去っている。

●腸内細菌(p74)
 フィルミクテス門……最も多い。日和見菌。過剰に繁殖すると悪玉菌に味方する傾向が強くなる。
 バクテロイデス門……次に多い。 繁殖力が増すと善玉菌に味方する。
 プロテオバクテリア門……大腸菌などの悪玉菌を含む。
 アクチノバクテリア門……最も少ない。ビフィズス菌などの善玉菌を含む。
 フィルミクテス門が優勢になるとバクテロイデス門の働きが弱まり、バクテロイデス門の繁殖力が増すとフィルミクテス門の活動力が低下する。
 水素を発生させているのは、バクテロイデス門の細菌?

●脱毛ホルモン(p95)
 ジヒドロテストステロン(DHT)……毛母細胞の寿命を短くする男性ホルモン。俗に「脱毛ホルモン」と呼ばれている。
 テストステロンが、5αリダクターゼという酵素により、DHTに変わる。5αリダクターゼは、毛母細胞の細胞膜に存在している。男性型脱毛症(AGA)になりやすいのは、毛母細胞の5αリダクターゼの活性が高い人、量が多い人。

●亜鉛(p104)
 亜鉛には、5αリダクターゼを抑制する作用がある。免疫力の向上や精子の形成などにも働いている。
 成人男性で、1日に10mgの摂取が推奨されている。
 亜鉛を多く含む食材……牡蠣、レバー、牛肉、卵、ウナギ、玄米、納豆、煮干し、ゴマ。

●セロトニン(p121)
 性欲は、ドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質の働きでわいてくる。
 ドーパミンは「好き」、セロトニンは「セックスをしたい」という感情を生み出すホルモン。
 これらの「幸せホルモン」の材料となる前駆体を作るのは、腸内細菌。セロトニンの90%は腸にあり、脳にあるのは2%。

●シリカ水(p177)
 シリカを含む水。
 シリカは、ヒトの体を構成する細胞の細胞膜にあり、強度を保つ働きをしている。
 血管の弾力性を保つ働きもある。

●トランス脂肪酸(p189)
 大量生産の食用油には、トランス脂肪酸が含まれている。高温の熱処理を繰り返し行うため。
 トランス脂肪酸は、植物油に水素を添加すると生じる。
 トランス脂肪酸を含む油は、「プラスチック化したオイル」と呼ばれている。自然界にはないプラスチックのように、体内にて分解されにくく、腐りにくい。
 マーガリンやショートニングなどにも大量に含まれている。
 ヒトの体を構成する約37兆個の細胞の膜は、コレステロールとともに油脂に含まれる脂肪酸を材料とする。普通は、オメガ6脂肪酸(細胞膜を硬く丈夫にする)とオメガ3脂肪酸(細胞膜を柔軟にする)。体内にトランス脂肪酸があふれていると、細胞は分裂の際にトランス脂肪酸を材料にしてしまう。

●オメガ3脂肪酸(p194)
 オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の摂取バランスの理想は1対4。しかし、現代人は1対10で、オメガ3脂肪酸が不足している。オメガ3脂肪酸は熱に弱い。
 オメガ3脂肪酸を多く含む食材……亜麻仁油、エゴマ油、青背の魚。

●DHEA(p199)
 DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)……長寿ホルモン。6~7歳ころから分泌が増加し、20歳前後をピークに加齢とともに直線的に低下。
 DHEAを増やす食材……納豆、イワシ。
 適度な運動により、分泌量を増やすことができる。

●まとめ(p210)
 【食事編】
 ・白い主食は食べない。
 ・焦げたものはなるべく食べない。
 ・満腹になるまで食べない。
 ・食物繊維の多い食事をする。
 ・ワカメを毎日食べる。
 ・牡蠣やウナギ、レバーをときどき食べる。
 ・週に2~3回ステーキを食べる。
 ・「ネバネバ3兄弟」を食べる。
 ・豆腐を食べる。
 ・「色」「香り」「辛み」「苦み」の濃い野菜(フィトケミカルを多く含む)を食べる。
 ・亜麻仁油、エゴマ油を常備する。
 ・ペットボトル飲料や缶コーヒーを飲まない。
 ・シリカ水を飲む。
 ・お酒は1日に赤ワイン2杯まで。
 ・加工食品はなるべく食べない。
 【生活編】
 ・身の回りの菌を排除しない。
 ・男は筋トレ、女はヨガ。
 ・起床時には外に出て深呼吸をする。
 ・夜は真っ暗にして寝る。
 ・男は赤パン、女はピンクのパンツ。
 ・シャンプーやリンスは使わない。
 ・湯シャンをする。
 ・シャワーヘッドにこだわる。
 ・薄毛男子はモテることを知り、自信を持つ。

(2017/2/8)KG

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出雲を原郷とする人たち
 [歴史・地理・民俗]

出雲を原郷とする人たち

岡本雅享/著
出版社名 : 藤原書店
出版年月 : 2016年12月
ISBNコード : 978-4-86578-098-7
税込価格 : 3,024円
頁数・縦 : 350p・19cm


 2011年4月から2016年1月まで、104回にわたり『山陰中央新報』に掲載された「出雲を原郷とする人たち」の単行本化。出雲系神社を中心に、日本各地に移住した出雲系の人々を訪ね歩く。

【目次】
筑前国
周防国
越前国
加賀国
能登国
越中国
伊予・讃岐国
備後・安芸国
紀伊国
越後・佐渡国
信濃国
岩代国
武蔵国
上野国
大和国
山城国
丹波国
播磨国
壱岐・新羅国へ

【著者】
岡本 雅享 (オカモト マサタカ)
 1967年生。島根県出雲市出身。一ツ橋大学大学院博士課程修了。福岡県立大学人間社会学部准教授。専門は社会学(多文化社会論)。

【抜書】
●野見宿禰(p20)
 相撲の始祖とされる、出雲国の野見宿禰は、土師連(はじのむらじ)の先祖。「日本書紀」による。畿内に移住後、殉死の代わりに埴輪を考案した(垂仁天皇7年、32年の条)。
 菅原道真の先祖は、アメノホヒ(14世の孫が野見宿禰)。道真の曾祖父で、大和国菅原郷に住む土師宿弥古人らが菅原に改姓。(p278)

●オオナムチ(p74)
 「所造天下(天の下造らしし)大神」オオ(大)・ナ(土地:アルタイ語系)・ムチ(貴・尊)=オオ(大)・クニ(国)・ヌシ(主)。
 出雲神話の「オオナムチ」が、ヤマト神話の「オオクニヌシ」の神名を生じさせた。

●出雲大社教(p258)
 千家尊福(たかとみ)、明治5年に第80代出雲国造(こくそう)に就任。
 明治6年に出雲大社敬神講を組織。
 明治7年、出雲大社敬神講を基に出雲大社教会を設立。
 出雲国造は、古来、移動の自由を制限される厳しい戒律が課せられてきた。明治5年に神道西部管長ともなった尊福は、これを廃止、各地を巡教し始める。

●荒川(p284)
 寛永6年(1629年)、江戸の水害を防ぐため、利根川に合流していた荒川を切り離し(瀬替え)を行う。今の熊谷市久下あたりから新しい河道を作り、和田吉野川と合わせ、入間川につないだ。和田吉野川との合流域から下流の入間川が、新たな荒川となった。

●氷川神社(p288)
 武蔵国の出雲系神社。
 氷川神社、284社(埼玉県204社、東京都77社、神奈川県3社)。
 久伊豆(ひさいず)神社、54社(すべて埼玉県)。
 鷲宮神社100社(埼玉県60社、東京都40社)。
 埼玉県の大宮は、「武州一ノ宮氷川大明神」の鎮座地(『東都道中分間絵図』、1810年)。「出雲国氷の川上に鎮座せる杵築大社をうつし祀りし故、氷川神社の神号を賜れり」(『新編武蔵国風土記稿』、1828年)。「氷の川』は、「肥河(ひのかわ)』(古事記)、「簸川」(日本書紀)、現在の斐伊川。

(2017/2/5)KG

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