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アジアの終わり 経済破局と戦争を撒き散らす5つの危機
 [社会・政治・時事]

アジアの終わり: 経済破局と戦争を撒き散らす5つの危機

マイケル・オースリン/著 尼丁千津子/訳
出版社名:徳間書店
出版年月:2017年5月
ISBNコード:978-4-19-864403-1 
税込価格:2,160円
頁数・縦:413p・19cm
 
 
 インド太平洋地域(アジア地域、アジア太平洋地域、etc.)の大きなリスク要因は、「失敗した経済改革」「人口動態のリスク」「未完の政治革命」「政治共同体の欠如」「戦争の脅威」の5つである。29頁の「アジアのリスクマップ」で描き出したこれらのリスクについて詳述し、危機を回避するために必要な(アメリカの)取り組みを考察する。
 今までのそして今後のアジアとの結びつきを考えると、アメリカは引き続き東アジアに関与すべきであるというのが、その主張の骨子である。アメリカにとって東アジアは、最大の貿易相手ではないが、経済的に重要な位置を占めている。民主主義とグローバル経済の観点から、アジアに本当の危機が訪れる前にアメリカが善導しなければならない、ということのようである。
 
【目次】
序章 アジアの時代の終わり
第1章 アジアの5つのリスク領域
第2章 「アジアの奇跡」は世界の危機となった
第3章 急激にしぼむ国、膨張しすぎる国
第4章 アジアに革命の中心人物はいるのか
第5章 決して統合できないアジア
第6章 戦争の暗雲
第7章 アジアの危機は回避できるのか
 
【著者】
オースリン,マイケル (Auslin, Michael R.)
 1967年生まれ。ワシントンD. C.のアメリカン・エンタープライズ公共政策研究所(AEI)で上級研究員、日本部長を務める。イェール大学国際地域研究マックミラン・センターの上級研究員、イェール大学准教授、東京大学客員教授などを歴任。イリノイ大学で博士号取得。ウォール・ストーリート・ジャーナル紙のコラムニストとしてアジアと世界の安全保障に関する記事を寄稿。専門はグローバルリスク分析、アメリカの国防と外交政策、アジア地域における安全保障と政治関係、世界の空海勢力など。スタンフォード大学フーバー研究所フェローに就任予定(2017.7.1)。
 
尼丁 千津子 (アマチョウ チズコ)
 翻訳家。神戸大学理学部数学科卒。
 
【抜書】
●マフィア(p68)
 中国では、中国企業が外資系企業との競争に負けそうになると、会社にマフィアを送り込んでくるという。中国で20年以上暮らし、仕事をしているアメリカ人男性の話。
 「昔ながらの脅迫さ。貿易部門に参入したばかりの企業にそういう例が多い。伝統ある企業ほど世慣れておらず、彼らは中国のやり方で進めようとするんだ」。
 
●水質汚染(p132)
 2011年、ある非営利環境保護団体の指摘。
 中国の主要7河川とその支流の39%は汚染が進みすぎて一般利用できず、そのうちの14%は工業利用にさえ適していない。
 26の主な湖と貯水池の42%は水泳や釣りに不適で、そのうちの8%は工業利用にも不向き。
 世界銀行は、中国の半数の都市で地下水が危険なレベルにまで汚染されていると推測している。
 つまり、中国の水源の四分の一は人が利用するには汚染が進みすぎている。
 
●日本の民主主義(p174)
 〔一九四五年にアメリカから現行の政治体制構築を命じられた日本でさえ、戦前から民主主義国家である。〕
 
●ならず者国家の支援(p253)
 中国は、北朝鮮やイランに対する国連の制裁措置について、常に自由主義国家の反対側に回っている。中国政府の政策には、世界の政治秩序を再構築する、または弱体化させるという願望がはっきりと表れている。
 中国は、「ならず者国家」が起こした地域や世界の危機を解決しようとするアメリカやそのパートナーの努力を邪魔しようとしている。
 
●世界に不満(p295)
 〔中国は世界に不満を抱きつづけているため、その一員となって協力し合う気になれない。その代わりに、中国は強くなればなるほど脅迫的で威圧感に満ちた行動を着実に取るようになっている。中国は世界の大国として認識されはじめてから、次第に挑発的な振る舞いをするようになった。〕
 
●同心三角形(p328)
 大小二つの三角形で、アメリカのアジア戦略を考える。インド太平洋地域での民主主義国家の同盟体制を築く。それによって、アジア主要国の間に共通の利害に基づいた、より確かな協力と協調が生まれ、中国とロシアに地域全体の話し合いを呼び掛けるための土台になる。
 外側の三角形……日本、韓国、インド、オーストラリア。
 内側の三角形……インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール。いずれ、民主化が定着すれば、タイヤベトナムも加わる。
 目標は、アジア地域主要国の共通のルールや規範、振る舞い、協調に基づいた利益共同体づくり。目的は、透明性の向上、信頼関係の構築、公海と公空の防衛の円滑化。
 「同心三角形」戦略は、中国政府を地域のルールや規範に自国の政策を合わせようとする気にさせられるかもしれない。
 〔合同パトロール、情報の共有といったこの戦略の具体策によって、中国は自身のわがままな振る舞いのためにアジアで孤立していて、しかも周りの国が安定を保とうと協調していることをはっきり理解するだろう。〕
 
(2017/10/9)KG
 
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知的機動力の本質 アメリカ海兵隊の組織論的研究
 [社会・政治・時事]

知的機動力の本質 - アメリカ海兵隊の組織論的研究
 
野中郁次郎/著
出版社名:中央公論新社
出版年月:2017年5月
ISBNコード:978-4-12-004974-3 
税込価格:1,944円
頁数・縦:289p・20cm
 
 
 敵地上陸作戦という、戦争において最も過酷な任務を負う海兵隊が、強固な組織として存在している理由の根源を解き明かす。
 
【目次】
第1部 アメリカ海兵隊の知的機動力
 海兵隊の歴史概観
 海兵隊の組織論的分析
 海兵隊の知的機動力モデル
第2部 『ウォーファイティング』(翻訳)
 戦争の本質
 戦争の理論
 戦争の準備
 戦争の遂行
 
【著者】
野中 郁次郎 (ノナカ イクジロウ)
 1935年(昭和10年)、東京に生まれる。早稲田大学政治経済学部卒業。富士電機製造株式会社勤務ののち、カリフォルニア大学経営大学院(バークレー校)にてPh.D.取得。南山大学経営学部教授、防衛大学校社会科学教室教授、北陸先端科学技術大学院大学教授、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授などを歴任。一橋大学名誉教授。
 
【抜書】
●MAGTF(p26)
 MAGTF(マグタフ:Mrine Air-Ground Task Force)……海兵空陸任務部隊。有事の組織編制。
 指揮部隊のもとに、陸上戦闘部隊、航空戦闘部隊、兵站戦闘部隊を組み合わせた統合部隊。高度に専門化した海兵遠征機能。
 
●人事システム(p66)
 海兵隊の昇任システムの特色は、能力・業績・職務経験の昇進基準を順守し、特進を認めないこと。
 人事システムで興味深いのは、優秀な人材を採用担当者に任命すること。海兵隊の募兵担当官は、海兵隊を代表する典型としての下士官や士官で、アメリカ国民の応募者が「こういう人になりたい」と願うような人物でなければならない。
 募兵担当官は、リーダーとしての潜在可能性を見抜く直観力ある人材でなければならない。海兵隊は、リーダーシップは天性ではなく、潜在能力を引き出すことにより育成されると信じている。
 
●三つの中核価値(p77)
 名誉(honor)……決して嘘をつかず、騙さず、盗まないこと、そして妥協なき高潔さを守ること、人間の尊厳を尊重すること、相互に関心を持つこと。この名誉という資質が道徳的・倫理的行動の究極の姿に導く。名誉があるからこそ、海兵隊員は行動に責任をもち、義務をまっとうし、他者の行動に対しても責任を負う行動ができる。
 勇気(courage)……中核価値の本質である勇気は、海兵隊では深く内面化された精神的・倫理的・肉体的な強靭さであり、勇気によって戦闘への挑戦や恐れを克服できるようになる。勇気をもつことによって、正しい行いを実践して、手本を示し、ストレスや圧力のもとでも不屈の決断を下すことができる。これは海兵隊員がさらなる高みを目指すことを可能にする内面的な強靭さである。
 献身(commitment)……軍隊におけるメンバーの決断力や献身の精神のことである。献身は、自身の規律を高い水準に向かわせる。「常に忠実であれ(Semper Fidelis、縮めてSemper Fi)」であり、海兵隊員は一日に100回以上口にしたり、耳にしたり、目にする機会がある。このモットーは、全海兵隊員に無条件に変わることのない献身を、神、国家、海兵隊、そして海兵隊員に捧げ続けるように求めているのである。1880年、第14代海兵隊軍楽隊長に就任したジョン・フィリップ・スーザは、「忠誠」と題する行進曲を作曲している。
 
●三階層のルール(p87)
 伍長……3人チームの班(team)を指揮。4人。
 軍曹……3班編成の分隊(squad)を指揮。13人。
 少尉……3分隊編成の小隊(platoon)を指揮。40人。
 大尉……3小隊編成の中隊(company)を指揮。200人。
 大佐……3中隊編成の大隊(battalion)を指揮。1,000人。
 少将……3大隊編成の連隊(regiment)を指揮。3,500人。
 中将……3連隊編成の師団(division)を指揮。
 二等兵から師団長までの八つの層になる。
 
●任務戦術(p88)
 任務戦術(mission tactics)……組織の最下位に位置する構成員(現場の人間)に、組織にとって最重要任務の成否を左右する判断を下す権限を与える。
 緊迫する事態にあっては、指揮命令系統を逸脱し、自ら判断する責務を負う。
 2段階アップ……指揮官が隊員に命令するときには、自分の上官(全体目標)と自分(個別目標)の意図の「目的(what)」と「「理由(why)」を説明するが、「方法(how)」は任せる。目的と理由を理解しておけば、臨機応変にほかの手段を用いることができる。
 指揮官は、権限を委譲したからには、部下の行為に対して自らも責任を取る。
 
●SECI(セキ)モデル(p113)
 個人・集団・組織のレベルの暗黙知と形式知の相互変換を示す集合知のモデル。以下の四つのフェイズの知覚・認識・行動様式からなるプロセス・モデル。
 共同化(Socialization)……個人が他者との直接対面の相互作用を通じて暗黙知を共有する。
   ↓
 表出化(Externalization)……個人間の暗黙知を対話・思索・メタファーなどを通して概念や図像、仮説などを創り形式知に変換する。
   ↓
 連結化(Combination)……集団レベルの形式知を組み合わせて物語や理論的モデルに体系化する。
   ↓
 内面化(Internalization)……試行錯誤の矛盾解消の行動を通じて形式知を具現化し、成果として新たな価値を生み出すとともに、新たな暗黙知として個人・集団・組織レベルで理解し体得する。
   ↓
 共同化......
 
●AAR(p129)
 海兵隊では、戦闘後、あるいは訓練や図上演習後には、必ずAAR(After Action Review)が行われる。部隊とリーダーと部下の間で適時行われる専門的な議論である。部隊長の状況の理解と意思決定、隊員のとった行動とその結果について、全参加者がより良い代案を提示することが求められる。
 
●Marine Corps Gazette(p135)
 『マリーン・コー・ガゼット』、1916年創刊。当初は季刊。隔月刊となり、1945年以降、月刊。将校向け。
 合衆国海兵隊と軍事に関する「論点」についてのオープン・ディスカッションとアイデア交換の場。
 毎号、自由投稿を中心とする10前後の主論文(2,000~3,000字)と小論文(750~1,500字)のアイデアと論点(イシュー)、意見(レターズ)、書評で構成される。海兵隊の軍事理論、戦略、戦術、戦闘技能、組織(MAGTF)、リーダーシップなどが率直に議論されている。
 大部分が現場に近い中隊や第一線のスタッフや下士官の寄稿である。実践的戦闘行為に軸足を置いた論文が多くを占める。
 
(2017/10/5)KG
 
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偽りの「都民ファースト」
 [社会・政治・時事]

偽りの「都民ファースト」 (WAC BUNKO 258)
 
片山善博/著 郷原信郎/著
出版社名:ワック(WAC BUNKO B-258 )
出版年月:2017年6月
ISBNコード:978-4-89831-758-7
税込価格:994円
頁数・縦:190p・18cm
 
 
 小池都知事が「希望の党」の党首に就くことになった。まさか、衆議院選挙に立候補するのか?
 豊洲問題の解決策が見えていない中、都知事の仕事はどうなる?? まさか辞任して都知事選となり、さらに税金の無駄遣いを加速させるつもりなのだろうか??
 もちろん国政は重要だが、都民の選挙によって都知事の職に就いたのだから、まずはきちんと東京都の仕事をしてもらいものだ。結局、オリンピックも豊洲市場も食い散らかすだけだし、みんなが納得のいく方向にもっていく手腕はないのかな。単に権力を握り、見せつけたいだけなのか。
 本書を読み、最近のニュースを見て、そんな感想を持った。もし、本当に都知事の再選挙になったら、片山さん、ぜひ出馬してください。
 
【目次】
はじめに 小池東京都知事の姿勢を問う
第1章 編集部編 小池劇場はこうして始まった
第2章 片山善博氏・郷原信郎氏対談(第一部)小池都知事よ、まず隗より始めよ
第3章 片山善博氏・郷原信郎氏対談(第二部)都知事としての責任と自覚
第4章 片山善博氏・郷原信郎氏対談(第三部)小池都政の先にある東京都の危機
第5章 片山善博氏・郷原信郎氏対談(第四部)変わりつつある小池都政の評価
おわりに 「小池劇場」の“暴走”が招く「地方自治」の危機
 
【著者】
片山 善博 (カタヤマ ヨシヒロ)
 1951年、岡山県生まれ。東京大学法学部卒業後、自治省に入省。能代税務署長、自治大臣秘書官、自治省国際交流企画官、鳥取県総務部長、自治省固定資産税課長などを経て、99年より鳥取県知事(2期)。2007年4月、慶應義塾大学教授。10年9月から11年9月まで総務大臣。同月慶應義塾大学に復職。17年4月、早稲田大学公共経営大学院教授。併せて、鳥取大学客員教授、日本郵船株式会社社外取締役など多くの要職を務める。
 
郷原 信郎 (ゴウハラ ノブオ)
 1955年、島根県生まれ。東京大学理学部卒。東京地検特捜部、長崎地検次席検事、法務省法務総合研究所総括研究官などを経て、2006年に弁護士登録。08年、郷原総合コンプライアンス法律事務所開設。これまで総務省顧問、日本郵政ガバナンス検証委員会委員長、総務省年金業務監視委員会委員長などを歴任。
 
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大東亞戰爭は日本が勝った 英国人ジャーナリストヘンリー・ストークスが語る「世界史の中の日本」
 [社会・政治・時事]

大東亞戰爭は日本が勝った 英国人ジャーナリストヘンリー・ストークスが語る「世界史の中の日本」/ヘンリー・S・ストークス/藤田裕行【1000円以上送料無料】
 
ヘンリー・S・ストークス/著 藤田裕行/訳・構成
出版社名:ハート出版
出版年月:2017年4月
ISBNコード:978-4-8024-0029-9
税込価格:1,728円
頁数・縦:284p・19cm
 
 
 大東亜戦争(著者は、あえて「太平洋戦争」とは言わない)は、「侵略戦争」として認識されるべきではなく、世界文明史的な意義のある戦いであったということを説く。すなわち、アジアでの日本軍の戦いが、西欧列強の植民地支配を終わらせたのである。そして、この戦争での真の敗者は日本ではなく、アジアの植民地を奪われた大英帝国だった。
 
【目次】
第1章 日本が戦ったのは「太平洋戦争」ではない!
第2章 「太平洋戦争」史観で洗脳される日本
第3章 日本は「和」の国である
第4章 世界に冠たる日本の歴史
第5章 オリエントにあった世界の文明と帝国
第6章 侵略され侵略するイギリスの歴史
第7章 アメリカの「マニフェスト・デスティニー」
第8章 白人キリスト教徒による太平洋侵略
第9章 マッカーサー親子によるフィリピン侵略
第10章 大日本帝国と西欧列強の帝国主義の違い
第11章 大日本帝国は「植民地支配」などしていない!
第12章 日本は中国を侵略していない
第13章 アメリカによる先制攻撃の「共同謀議」
第14章 大統領がアメリカ国民を欺いた日
第15章 大英帝国を滅ぼしたのは日本だった!
 
【著者】
ストークス,ヘンリー・S. (Stokes, Henry Scott)
 ヘンリー・スコット・ストークス。ジャーナリスト。1938年英国生まれ。1961年オックスフォード大学修士課程修了後、フィナンシャル・タイムズ入社。1964年来日、同年『フィナンシャル・タイムズ』東京支局長、1967年『ザ・タイムズ』東京支局長、1978年『ニューヨーク・タイムズ』東京支局長を歴任。三島由紀夫と最も親しかった外国人ジャーナリストとして知られる。
 
藤田 裕行 (フジタ ヒロユキ)
 ジャーナリスト。1961年東京生まれ。日本外国特派員協会プロフェッショナル・アソシエイト。元『国民新聞』論説委員。上智大学外国語学部比較文化学科中退。TV・ラジオなどで、海外情報の取材通訳、字幕翻訳、放送作家を担当。現在はフリーランスのジャーナリストとして、日本外国特派員協会などで英語で取材活動をしている。
 
【抜書】
●大東亜戦争を戦わなかったら(p3)
〔 もし日本が大東亜戦争を戦わなかったら、他のアジア諸国と同様に白人列強の植民地となっていたかもしれない。
 もし日本が大東亜戦争を戦わなかったら、アジアにはいまだに欧米列強が支配する世界が広がっていたかもしれない。
 そう考えてみると、大東亜戦争は「侵略戦争」であるかどうかなどという些末な議論を超えて、もっと大きな世界文明史的な意義が見いだされよう。〕
 
●反則負け(p19)
〔 空爆は、日本全国の九十三の主要都市を含む二百の都市に対して行われた。こうした空爆は、広島・長崎の原爆と同様に、戦時国際法違反である。全くの、民間人大虐殺だった。
 戦時国際法に違反して、日本人大虐殺を展開したアメリカは、「反則負け」である。東京裁判が、もしまっとうな「国際軍事裁判」であったなら、戦争犯罪国として処分されるべきは、アメリカだった。〕
 
●民主主義(p49)
〔 日本人の中に、それも国会議員や閣僚・首相経験者の中にまで、「民主主義が、アメリカによって、戦後に日本にもたらされた」と勘違いしている者が数多くいる。実に嘆かわしいことだ。日本の歴史を否定しているようなものである。
 日本は歴史を通して、話し合いで物事を決めてきた。その原点は神話になる。〕
〔 六〇四年に、聖徳太子によって制定された「十七条憲法」では、その第十七条で「大切なことは、みんなでよく相談して決めなさい。全員が合意したことは、正しい」と定めている。
 これは、世界最古の民主憲法だと言える。
 だが、聖徳太子がある日、思いついて書いたものではないだろう。当時の日本人が抱いていた考え方を、太子が述べたものであるはずだ。〕
 
●皇民化教育(p199)
 韓国の国定教科書では、「日帝の民族抹殺計画」として、6項目を挙げている。
 (1)内朝一体・皇国臣民化の名のもとに、韓国人を日本人として、韓民族をなくそうとした。
 (2)朝鮮語の使用を禁じ、日本語の使用を強要した。
 (3)韓国の歴史教育を禁じた。
 (4)日本式の姓と名の使用を強要した。
 (5)各地に神社を建てさせて崇拝させた。
 (6)子供にまで、「皇国臣民の誓詞」を覚えさせた。
 しかし、(2)は真実に反しており、実際には朝鮮人にハングルの教育を施したのが日本の統治時代だった。
 
●豊満ダム(p219)
 「リットン報告書」で「満州国の承認を一切排除する」とされたが、その後に以下の国が満州国を承認した。満州国が、短期間に立派な国家建設を果たしたからである。
 1934年 ヴァチカン(4月)、サルヴァドル(5月)
 1937年 イタリア(11月)、スペイン(12月)
 1938年 ドイツ(2月)
 1939年 ハンガリー(1月)
 1940年     汪兆銘政権(11月)、ルーマニア(12月)
 1941年 ブルガリア(5月)、フィンランド(7月)、タイ、デンマーク(8月)
 1942年 クロアチア(8月)
 1943年 ビルマ(8月)、フィリピン(10月)
〔 満州を訪れたフィリピン外相は、日本が満州に建設した豊満ダムを見学して、「フィリピンは、スペインの植民地として三五〇年、アメリカが支配して四〇年になるが、住民の向上に役立つものは、何一つ作っていない。満州は建国わずか一〇年で、このようなダムを建設したのか」と感慨深く述べた。〕
 
●大英帝国(p268)
 2016年2月、倉山満へのインタビュー記事。
 「日本が行った大東亜戦争は、大日本帝国と大英帝国が差し違えた戦いだった」
 「戦場となったアジアの国々を見れば、インドネシアとフィリピンこそオランダとアメリカの植民地だったが、マレーシア、ブルネイ、シンガポール、ビルマ、インドはすべてイギリスの植民地。つまり、(大東亜戦争の)本質は、「英国&(彼らから利益を得ていた)華僑」VS「日本&(白人に支配されていた)植民地アジアの人」の戦いだった。しかも終盤まで、日本側の全戦全勝だった。」
 
(2017/9/26)KG
 
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都知事失格
 [社会・政治・時事]

都知事失格
 
舛添要一/著
出版社名:小学館
出版年月:2017年6月
ISBNコード:978-4-09-389772-3
税込価格:1,404円
頁数・縦:286p・19cm
 
 
 マスコミのバッシングにあい、2年と数か月で都知事を辞任せざるを得なった舛添要一による顛末書。そして、自らが進めようとした都政の具体策が述べられている。
 あの頃のヒステリックな舛添批判には違和感を感じていた。報道の内容を見る限りでは、せこいな、とは感じたものだが、都知事を辞めなければならないほどの大事なのか、というのが率直な印象であった。間違った政策を行っているわけでもないし、収賄などの汚職もない。にもかかわらず、なぜ、あそこまで大騒ぎをしなければならないのか、理解できなかった。
 それが、本書による本人の弁解により、腑に落ちた。やはりあの頃に感じた違和感は正常な反応であった。また、せこいと感じた絵画購入や別荘への公用車利用、海外でのスイートルーム利用なども、正当な理由があったのだということも分かった。マスコミの報道だけ見ていたのでは(と言っても庶民には他に真実を知る手段がないのだが)、見えないものがたくさんある。報道関係者は、批判されている当事者の弁明もきちんと伝え、市民が公正な判断を下せるようにすべきである。さもないと、報道機関の歪んでいる(かもしれない)主張だけが世間に垂れ流されることになる。
 舛添さんは、まっとうな考えと、きちんとした構想を持ったまじめな政治家であると感じた。決して、「都知事失格」ではない。道半ばで挫折させられたことが残念である。
 持ち前の反骨精神で、復活することを期待している。
 
【目次】
第1章 誰が私を刺したのか
第2章 都庁は「不思議の国」だった
第3章 韓国訪問とヘイトスピーチ
第4章 ファーストクラスは「悪」なのか
第5章 五輪と敗戦
第6章 見果てぬ東京
第7章 小池知事へ―カジノ・豊洲・広尾病院
 
【著者】
舛添 要一 (マスゾエ ヨウイチ)
 1948年福岡県北九州市生まれ。1971年東京大学法学部政治学科卒業。東京大学法学部助手、パリ大学現代国際関係史研究所客員研究員、ジュネーブ高等国際政治研究所客員研究員、東京大学教養学部政治学助教授などを経て、1989年舛添政治経済研究所を設立。2001年参議院議員に初当選し、厚生労働大臣(安倍内閣、福田内閣、麻生内閣)等を歴任。2014年2月、都知事就任。2016年6月、辞任。
 
【抜書】
●選挙権(p119)
 戦前、内地居住の朝鮮人・台湾人には、日本人と同等な選挙権も被選挙権もあった。
 北九州は、在日朝鮮人が多かったので、舛添要一の父親弥次郎が若松市会議員に立候補した時、選挙ポスターには、「舛添弥次郎」にハングル語でもルビが降ってあった。
 
(2017/9/6)KG
 
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粛清の王朝・北朝鮮 金正恩は、何を恐れているのか
 [社会・政治・時事]

粛清の王朝・北朝鮮―金正恩は、何を恐れているのか
 
羅鍾一/著 ムーギー・キム/訳
出版社名:東洋経済新報社
出版年月:2017年6月
ISBNコード:978-4-492-21233-2
税込価格:1,944円
頁数・縦:318p・19cm
 
 
 金正日の実の妹である金慶喜(キム・ギョンヒ)の夫で、金正日の側近中の側近、張成沢(チャン・ソンテク)の政治生活を通して、北朝鮮金王朝の内実を描く。張は、ナンバー2の宿命どおり、甥である金正恩に粛清されてしまう。
 
【目次】
序章 独裁国家で粛清される、ナンバー2の宿命
第1章 失敗の本質―権力継承制度の欠如
第2章 「神の娘」との恋愛と、粛清・出身成分による独裁強化
第3章 金正日の権力闘争
第4章 上昇する権力―張成沢、金正日に仕えて第二の権力者に
第5章 取り残される北朝鮮と、危険な越権行為
第6章 ナンバー2としての苦悩―悪化する情勢と、改革不能な矛盾した権力
第7章 南北関係の変化と、金正日時代の終焉―切迫する後継者問題
第8章 権力継承制度なき国家の宿命―「唯一的領導体系」への固執と粛清
終章 北朝鮮は、改革・開放に導く、唯一の人物を失った
 
【著者】
羅 鐘一 (ラ ジョンイル)
 1940年ソウル生まれ。ソウル大学政治学科卒業。英国ケンブリッジ大学で政治学博士号取得。慶煕大学政治外交学科教授、慶煕大学院長(学長)、国家安全企画部第一次長、国家情報院海外・北韓(北朝鮮)担当第一次長、国民会議外交安保担当総裁特別補佐、民主党総裁外交安保特別補佐、駐英大使、大統領青瓦台国家安保補佐官などを歴任。2004~07年に駐日大使を務めた。現在、韓国・嘉泉大学教授。
 
ムーギー・キム (ムーギーキム)
 1977年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。INSEADにてMBA(経営学修士)取得。大学卒業後、外資系金融機関、大手グローバル・コンサルティングファーム、外資系資産運用会社を経て、香港に移住してプライベート・エクイティ・ファンドへの投資業務に転身。現在、シンガポールでベンチャー投資支援企業を経営。英語・中国語・韓国語・日本語を操る。
 
【抜書】
●世界を殲滅(p37)
 平壌市にある三大革命展示館には、以下のような文句が書かれているらしい。「朝鮮がない地球は必要がありません。金正日」
 1993年3月、北朝鮮がNPT(核拡散防止条約)を脱退した後、朝鮮半島に危機が高まったとき、金日成は軍の団長級以上の軍首脳部会議を開き、「アメリカとの戦争が起きたら、勝つことができるのか?」と質問した。
 すべての指揮官が「勝つことができます」と答えた。金日成は再び聞いた。「万一負けたたらどうするつもりだ?」と。誰もまともに答えられなかったが、金正日は次のように答えた。
 「首領様、地球を爆破してしまいます。朝鮮がない地球は、ある必要がありません」
 
●喜び組(p104)
 喜び組は、金正日が、老いゆく父親を、歌、楽器演奏、マッサージ、漫談、魔術公演などで楽しませるために作った。若くて美しい女性たちを全国から選抜した。〔二〇世紀にはほとんど見ることができない、特異な組織〕。
 権力維持のために、父親と継母金聖愛の仲を引き離しておくことも目的の一つだった。また、金正日を警戒するかもしれない他のあらゆる女性に対する対策でもあった。
〔 父親の周辺に若くて美しい女性を配し、一生を闘争で過ごしてきた彼に、余生を休息と回春の喜びを享受するようにしておき、その間金正日は、実質的な支配を拡大していった。文書を読むのが少しずつ負担に感じるようになってきた父親に、口頭で報告することで、報告ラインを独占した。そうして父親の身辺と健康を世話しながら、警護、検閲、党の生活指導、人事権に至るまで、実権を手に入れていった。〕
 
●水族館火災事故(p123)
 1970半ば、張成沢(チャン・ソンテク)は、金正日のために、「水族館」と呼ばれる豪華な休息施設の建設に取りかかった。
 1階に大きな水族館を作り、あらゆる珍しい魚を展示。2~3階には、物理治療室や運動・マッサージ施設、4階には金正日が休息できる寝室や宴会場などを配置する計画だった。
 1978年春、小さな仕上げ作業を残し、竣工目前だった。ところが、ある日の夜明け、1階から火災が発生し、建物は全焼。党幹部や外交官など、130人が死亡。外交部だけでも職員の10%が一晩で亡くなった。
 原因は、ペンキやシンナーなどの発火性の物質が充満している中で、誰かがたばこに火をつけたこと。
 1階の床に寝ていた外交官たちはその場で焼死。
 上の階で作業していた職員たちは、窓から落ちて死亡。一般の建物と違い、天井が高かった。約2倍。建物の周辺には、まだ片付けられていない建築資材が散乱しており、被害を大きくした。
 
●夜会(p134)
 副総理兼外交部長だった許錟(ホダム)と、張成沢は、金正日のために新しい喜び組を組織した。
 金正日は、日課をたいがい金曜日の午前中までに終えた。週末は、側近たちと釣りや狩猟など趣味を楽しみ、夜は喜び組の奉仕を受けながら、酒池肉林、歌舞と飲酒の夜会を楽しんだ。
 
●革命化教育(p161)
 北朝鮮で高級幹部たちに適用される処罰は二つ。
 (1)幹部たちが犯した過ちが政治的な問題である場合、処刑するか、家族と一緒に政治犯収容所に送る。
 (2)過ちが、任務遂行中に犯した行政的な過誤や、首領や指導者、金王朝に対する不敬に当たる行動である場合、「革命化教育」へ送る。監視のもと、作業所などで現場労働に従事させられる。
 張成沢も、3度、革命化教育に送られた。
 
●南北統一(p201)
 北朝鮮では、経済的には韓国が上回っているが、政治的には北朝鮮が優位に立っていると信じられている。韓国は、政治的な未熟さで混乱を繰り返している、という認識。
 
●中国(p276)
 改革開放路線を夢見た張成沢は、中国を手本としていた。
 「中国は一三億人の人口を、しっかり食べさせているだけでなく、日本やアメリカと張り合い、またはそれ以上に先を行く発展を成し遂げたではないか」
 「我々が少しだけ考えを変えれば、無限の外国資本と技術を引っぱり、短時間で韓国とも競える発展を達成することができるのだ」
 
(2017/9/2)KG
 
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アメリカから〈自由〉が消える 増補版
 [社会・政治・時事]

増補版 アメリカから<自由>が消える (扶桑社新書)
 
堤未果/著
出版社名:扶桑社(扶桑社新書 245)
出版年月:2017年7月
ISBNコード:978-4-594-07740-2
税込価格:918円
頁数・縦:256p・18cm
 
 
 2010年4月に刊行した同名書の増補改訂版。内容的には、オバマ政権時代のことが中心で、9・11以降、じわじわと広がる自由の抑制の事例を列挙する。巻末に袋綴じを付し、スノーデン事件のことに言及している。
 日本も他人ごとではない。民主主義の終焉が訪れようとしているのだろうか?
 
【目次】
第1章 飛行機に乗れない!丸裸にされる!恐怖の空港
第2章 何もかも見られている
第3章 ある日突然人が消える!
第4章 口をふさがれる市民
第5章 危機に立つジャーナリストたち
第6章 それでも“希望”は存在する
袋綴じ
 
【著者】
堤 未果 (ツツミ ミカ)
 国際ジャーナリスト。ニューヨーク州立大学、ニューヨーク市立大学院国際関係論学科修士号。国連、アムネスティ・インターナショナルNY支局員、米国野村証券等を経て現職。日米を行き来しながら各種メディアで発言、執筆、講演を続けている。「ルポ貧困大国アメリカ」(3部作:岩波新書)で新書大賞2009・日本エッセイストクラブ賞、「報道が教えてくれないアメリカ弱者革命」(海鳴社)で2006年度黒田清日本ジャーナリスト会議新人賞。夫は参議院議員の川田龍平氏。
 
(2017/8/16)KG
 
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習近平の中国 百年の夢と現実
 [社会・政治・時事]

習近平の中国――百年の夢と現実 (岩波新書)  
林望/著
出版社名:岩波書店(岩波新書 新赤版 1663)
出版年月:2017年5月
ISBNコード:978-4-00-431663-3
税込価格:886円
頁数・縦:220,3p・18cm
 
 
 2016年10月27日、北京の中国共産党中央委員会第6回全体会議(六中全会)で、党の「核心」と位置づけられた習近平。実は、「核心」と呼ばれた総書記は、これまでに毛沢東、鄧小平、江沢民の3人しかいない。習指導部が盤石のものとなり、独裁体制が鮮明になった証とみてよい。
 そんな「習近平の中国」の来し方・行く末を描く。
 
【目次】
序章 習近平の描く夢
第1章 勃興する大国、波立つ世界
 米中の攻防
 海への野心
 日中の地殻変動
第2章 中国式発展モデルの光と影
 改革開放のひずみ
 農民を食べさせる
 国家の繁栄、市民の憂鬱
第3章 十三億人を率いる党
 強まる自負と深まる危惧
 「核心」時代の党大会
終章 形さだまらぬ夢
 
【著者】
林 望 (ハヤシ ノゾム)
 1972年長野県生まれ。1995年東京外国語大学外国語学部中国語学科卒業。信濃毎日新聞、人民中国雑誌社勤務の後、2001年に朝日新聞社入社。香港支局長、広州支局長などを経て、2012年から中国総局員として中国の政治・社会分野の取材を担当。2016年から米戦略国際問題研究所(CSIS)客員研究員。
 
【抜書】
●百年マラソン(p56)
 過去100年に及ぶ屈辱に復讐すべく、中国共産党革命百周年にあたる2049年までに、世界の経済・軍事・政治のリーダーの地位をアメリカから奪取するという計画。
 
●三大国有大手企業(p102)
 中国の国有企業の三大大手。石油の生産を効率化するために全国に散らばっていた企業や施設を統廃合した。
 ・中国石油天然ガス集団(CNPC)
 ・中国石油化工集団(シノペック)
 ・中国海洋石油
 企業と言いながら実態は政権と一体の存在。そこでキャリアを積んだ幹部が、歴代の共産党指導部の一角を占めてきた。党最高指導部との太いつながりを背景に、国有石油大手は中央政府を同格かむしろ格下とみなしている。
 
●公民意識(p137)
 中国人の間で広がりつつあるのが「公民意識」。
 人民……共産党政権を支えてその支配に従うという政治的な意味合いが強い。
 公民……暮らしや生命にかかわる権利意識に目覚めた人々を指す。
 新公民運動……真正面から共産党に抵抗するのではなく、社会の安定を願い、中国社会をより公正で風通しの良いものにしたいという意識の表れ。新公民運動が目指したのは、「公民」がつながる「公民社会」を育て、広げること。守るべき生活と財産、幅広い知識や情報をもつ中間層が育ってきたことも一因。
 
●『炎黄春秋』(p142)
 『炎黄春秋(えんこうしゅんじゅう)』……中国の改革派の言論を代表してきた月刊誌。
 2016年7月、『炎黄春秋』の社長を解任された杜道正が以下のような声明を発表した。
 「今後、『炎黄春秋』を名乗って刊行されるいかなる出版物も、弊社とは一切関係ありません」。
 習近平指導部になってから、記事の事前検閲が強まったり、監督機関を党の影響力の強い団体に変更させられたりし、多くのスタッフが去っていった。そして、ついに杜社長も解任された。
 もともと『炎黄春秋』は、胡耀邦元総書記の息子の胡徳華らの支えを受け、共産党体制の下で政治改革や経済改革を促そうとする穏健な改革派言論人のよりどころとなってきた。胡耀邦や趙紫陽元総書記ら、1980年代の改革派指導者たちの志を引き継ごうとする共産党内の声を代表していた。
 
(2017/7/29)KG
 
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父と私
 [社会・政治・時事]

父と私 (B&Tブックス)
 
田中眞紀子/著
出版社名: 日刊工業新聞社(B&Tブックス)
出版年月:2017年3月
ISBNコード:978-4-526-07676-3
税込価格:1,728円
頁数・縦:305p・20cm
 
 
 実娘から見た田中角栄。傍から見ていたのでは分からない、角栄の実像が語られる。本書には、志の高い偉大な政治家が立ち現れる。もちろん、身内の身びいきもあるかもしれないが、私たちは、マスコミによって形作られ、ゆがめられた虚像を見ていた可能性も拭い去れない。
 
【目次】
第1章 マコちゃん――幼少期
第2章 お嬢さん――独身時代
第3章 奥さん――結婚後
第4章 先生・大臣――衆議院議員になって
第5章 眞子さん――議員バッジを外して以降
 
【著者】
田中 眞紀子 (タナカ マキコ)
 1944年生まれ。早稲田大学第一商学部卒業。衆議院議員に新潟県旧第3区より無所属で初当選。科学技術庁長官、外務大臣、文部科学大臣を歴任。越後交通株式会社代表取締役会長。
 
(2017/7/18)KG
 
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日本列島創生論 地方は国家の希望なり
 [社会・政治・時事]

日本列島創生論 地方は国家の希望なり (新潮新書)
 
石破茂/著
出版社名:新潮社(新潮新書 712)
出版年月:2017年4月
ISBNコード:978-4-10-610712-2
税込価格:821円
頁数・縦:218p・18cm
 
 
 元地方創成担当大臣による、地方活性化のための新たな「日本列島改造論」。
 
【目次】
はじめに―革命は地方から起きる
地方創生とは何か
補助金と企業誘致の時代は終わった
PDCAとKPIを考えよ
国は人材とデータで後押しをする
外資アレルギーから脱却を
観光はA級を目指すべし
一次産業に戦略を
創生の基点はどこにでも作れる
「おねだり」に未来は無い
官僚は現場で発想せよ
里帰りにどれだけ魅力を付加するか
「お任せ民主主義」との決別を
 
【著者】
石破 茂 (イシバ シゲル)
 1957(昭和32)年生まれ、鳥取県出身。慶應義塾大学法学部卒。86年衆議院議員に全国最年少で初当選。防衛大臣、農林水産大臣等を歴任し、2014年に初代地方創生・国家戦略特別区域担当大臣に就任。
 
【抜書】
●CLT(p117)
 CLT:Cross Laminated Timber。ひき板を繊維方向が直交するように接着した重厚な木造のパネル。マンションや商業施設の壁や床として使われている。ヨーロッパでは、CLTを使った木造10階建て、20階建ての建物が多く建っている。
 
●土佐の森・救援隊(p119)
 200名ほどの隊員たちが、地元の山林の間伐を引き受けるNPO。
 
●島留学(p128)
 島根県海士町の隠岐島前(おきどうぜん)高等学校。中ノ島の島の島外から生徒を集め、島留学をアピールする。寮も作った。
 廃校寸前の高校が2クラスになった。教職員数の関係上、これ以上は増やせない。
 この地域の島は4つとも国立公園に指定されていて、自然が豊か。
 
●北海道おといねっぷ美術工芸高校(p131)
 北海道音威子府村の村立高校。
 昭和50年代、前身にあたる音威子府高校は存立の危機にあった。
 音威子府村は、北海道で最も小さな村で、人口789人(2016年)。面積の8割が森林という特徴を生かした高校づくりを推進。木材の加工、工芸を教育の中心に据えた。
 2002年、校名を「北海道おといねっぷ美術工芸高等学校」に変更し、工芸コース、美術コースの選択制に。2008年から、家具デザインの世界での「先進国」スウェーデンの高校と姉妹校提携制度を導入。
 村外、道外からの生徒を積極的に受け入れ、寄宿舎も作る。全人口の2割弱が学校関係者。「村民運動会」は高校の体育祭も兼ね、高校生が中心となって開催。
 
●やねだん(p139)
 鹿児島県鹿屋市の柳谷集落、通称「やねだん」。人口300人程度の、過疎化、高齢化の進む集落。
 豊島哲郎……地元の高校を卒業後、東京都民銀行に就職。「学歴の壁」にぶつかり、Uターンして養鰻業を始める。1996年、50代で公民館長となる。
 「行政に頼らないむら興し」を目指す。まず、耕作放棄地を使ったサツマイモの栽培。土着菌を用いた上質のサツマイモ作りに成功。焼酎にすると、高品質のものができ、今では韓国に輸出。これを目玉にした「やねだん」という居酒屋がソウルにできる。
 自主財源ができ、高齢者にボーナスを支給。住民みんなが仕事を分担し、儲けをみんなで分配。90歳を超えても
土壌菌を繁殖させるために土壌をかき回すといった仕事がある。
 地域リーダー養成のための「やねだん故郷創生塾」を開講。
 2007年からは、芸術家に創作場所として空き家を提供する試みを始める。芸術祭も毎年開かれるようになる。
 地元の民家を改造した宿泊施設「迎賓館」をつくる。広い日本間で素泊まり3,000円ほど。
 
●海士町(p143)
 隠岐島前高校のある海士町。山内道雄町長。
 もともとNTTの営業マンだったが、52歳の時、退職して母親の介護のために帰島。当時の町長に声をかけられ、島で立ち上げた観光関連の第三セクターを手伝う。町長の新しい試みに対して議会から横やりが入るので、思い切って町議に立候補して当選。
 2期目に、町長が引退。地元の建設会社の社長に懇願されて町長に立候補、助役を破って当選。社長の言葉「もう公共事業に頼る時代は終わった」。
 島の人たちも、当時の島の財政難に危機を感じていた。当選後、自身の給与30%カットを実施。 役場の課長、一般職員、町議、教育委員らも報酬のカットを申し出る。
 浮いたお金を「未来への投資に」使う。島留学もその一つ。ほかに、5億円を投じてCASの設備を購入。
 CAS(Cells Alive System)……細胞が生きたままの状態で冷凍する技術。
 海士町では、魚介類、隠岐牛を、CASを用いて商品化して全国に出荷している。
 現在、岩ガキの養殖を推進することで、新たな名物を作り出している。
 
●丸亀町商店街(p154)
 香川県高松市の「シャッター商店街」。地元の青年会の人たちが話し合い、商店の2階部分を強制的に賃貸させるように決める。
 とにかく、2階部分を診療所や保育所などに貸し出すことにより、町の機能をなるべく商店街に凝縮するようにした。
 
●中央官庁の地方移転(p166)
 移転の目的は、(1)東京への一極集中を避ける、(2)地方を活性化する。全国の都道府県(首都圏一都三県以外)に、来てほしい中央官庁機関の希望を募る。その希望に国が有効な反証ができなければ移転させる。
 文化庁を全面的に京都府に移転。もっとも文化財が多い土地。
 消費者庁の政策の企画・立案部門を徳島県に移転。消費者行政の先進地であり、ブロードバンド環境も全国屈指。
 総務省統計局の一部を和歌山県に移転。
 
●CCRC構想(p185)
 CCRC:Continuing Care Retirement Community、生涯活躍のまち。
 「東京圏をはじめとする高齢者が、自らの希望に応じて地方に移り住み、地域社会において健康でアクティブな生活を送るとともに、医療介護が必要なときには継続的なケアを受けることができるような地域づくり」を目指す。
 楡周平『プラチナタウン』(祥伝社文庫)のイメージ。子育て世代と老人たちが共存する新しいタイプのコミュニティが描かれている。2008年の刊行。
 
●ユーカリが丘(p203)
 千葉県佐倉市のベッドタウン。山万が開発。1970年代末、住民の高齢化も視野に入れ、 「環境にやさしい街づくり」を標榜して宅地開発。交通機関やホテルなども含め、住民にとって有益な設備を整える。
 山万は、建売を買った夫婦が高齢化した際、手広になった戸建て住宅を買い戻し、駅近くのマンションを斡旋。戸建てはリフォームして若い夫婦に販売。
 開発業者が、「売ったらお終い」ではなく、町にずっと関わり続けている。
 
(2017/7/15)KG
 
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