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アメリカから〈自由〉が消える 増補版
 [社会・政治・時事]

増補版 アメリカから<自由>が消える (扶桑社新書)
 
堤未果/著
出版社名:扶桑社(扶桑社新書 245)
出版年月:2017年7月
ISBNコード:978-4-594-07740-2
税込価格:918円
頁数・縦:256p・18cm
 
 
 2010年4月に刊行した同名書の増補改訂版。内容的には、オバマ政権時代のことが中心で、9・11以降、じわじわと広がる自由の抑制の事例を列挙する。巻末に袋綴じを付し、スノーデン事件のことに言及している。
 日本も他人ごとではない。民主主義の終焉が訪れようとしているのだろうか?
 
【目次】
第1章 飛行機に乗れない!丸裸にされる!恐怖の空港
第2章 何もかも見られている
第3章 ある日突然人が消える
第4章 口をふさがれる市民
第5章 危機に立つジャーナリストたち
第6章 それでも“希望”は存在する
袋綴じ
 
【著者】
堤 未果 (ツツミ ミカ)
 国際ジャーナリスト。ニューヨーク州立大学、ニューヨーク市立大学院国際関係論学科修士号。国連、アムネスティ・インターナショナルNY支局員、米国野村証券等を経て現職。日米を行き来しながら各種メディアで発言、執筆、講演を続けている。「ルポ貧困大国アメリカ」(3部作:岩波新書)で新書大賞2009・日本エッセイストクラブ賞、「報道が教えてくれないアメリカ弱者革命」(海鳴社)で2006年度黒田清日本ジャーナリスト会議新人賞。夫は参議院議員の川田龍平氏。
 
(2017/8/16)KG
 
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習近平の中国 百年の夢と現実
 [社会・政治・時事]

習近平の中国――百年の夢と現実 (岩波新書)  
林望/著
出版社名:岩波書店(岩波新書 新赤版 1663)
出版年月:2017年5月
ISBNコード:978-4-00-431663-3
税込価格:886円
頁数・縦:220,3p・18cm
 
 
 2016年10月27日、北京の中国共産党中央委員会第6回全体会議(六中全会)で、党の「核心」と位置づけられた習近平。実は、「核心」と呼ばれた総書記は、これまでに毛沢東、鄧小平、江沢民の3人しかいない。習指導部が盤石のものとなり、独裁体制が鮮明になった証とみてよい。
 そんな「習近平の中国」の来し方・行く末を描く。
 
【目次】
序章 習近平の描く夢
第1章 勃興する大国、波立つ世界
 米中の攻防
 海への野心
 日中の地殻変動
第2章 中国式発展モデルの光と影
 改革開放のひずみ
 農民を食べさせる
 国家の繁栄、市民の憂鬱
第3章 十三億人を率いる党
 強まる自負と深まる危惧
 「核心」時代の党大会
終章 形さだまらぬ夢
 
【著者】
林 望 (ハヤシ ノゾム)
 1972年長野県生まれ。1995年東京外国語大学外国語学部中国語学科卒業。信濃毎日新聞、人民中国雑誌社勤務の後、2001年に朝日新聞社入社。香港支局長、広州支局長などを経て、2012年から中国総局員として中国の政治・社会分野の取材を担当。2016年から米戦略国際問題研究所(CSIS)客員研究員。
 
【抜書】
●百年マラソン(p56)
 過去100年に及ぶ屈辱に復讐すべく、中国共産党革命百周年にあたる2049年までに、世界の経済・軍事・政治のリーダーの地位をアメリカから奪取するという計画。
 
●三大国有大手企業(p102)
 中国の国有企業の三大大手。石油の生産を効率化するために全国に散らばっていた企業や施設を統廃合した。
 ・中国石油天然ガス集団(CNPC)
 ・中国石油化工集団(シノペック)
 ・中国海洋石油
 企業と言いながら実態は政権と一体の存在。そこでキャリアを積んだ幹部が、歴代の共産党指導部の一角を占めてきた。党最高指導部との太いつながりを背景に、国有石油大手は中央政府を同格かむしろ格下とみなしている。
 
●公民意識(p137)
 中国人の間で広がりつつあるのが「公民意識」。
 人民……共産党政権を支えてその支配に従うという政治的な意味合いが強い。
 公民……暮らしや生命にかかわる権利意識に目覚めた人々を指す。
 新公民運動……真正面から共産党に抵抗するのではなく、社会の安定を願い、中国社会をより公正で風通しの良いものにしたいという意識の表れ。新公民運動が目指したのは、「公民」がつながる「公民社会」を育て、広げること。守るべき生活と財産、幅広い知識や情報をもつ中間層が育ってきたことも一因。
 
●『炎黄春秋』(p142)
 『炎黄春秋(えんこうしゅんじゅう)』……中国の改革派の言論を代表してきた月刊誌。
 2016年7月、『炎黄春秋』の社長を解任された杜道正が以下のような声明を発表した。
 「今後、『炎黄春秋』を名乗って刊行されるいかなる出版物も、弊社とは一切関係ありません」。
 習近平指導部になってから、記事の事前検閲が強まったり、監督機関を党の影響力の強い団体に変更させられたりし、多くのスタッフが去っていった。そして、ついに杜社長も解任された。
 もともと『炎黄春秋』は、胡耀邦元総書記の息子の胡徳華らの支えを受け、共産党体制の下で政治改革や経済改革を促そうとする穏健な改革派言論人のよりどころとなってきた。胡耀邦や趙紫陽元総書記ら、1980年代の改革派指導者たちの志を引き継ごうとする共産党内の声を代表していた。
 
(2017/7/29)KG
 
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父と私
 [社会・政治・時事]

父と私 (B&Tブックス)
 
田中眞紀子/著
出版社名: 日刊工業新聞社(B&Tブックス)
出版年月:2017年3月
ISBNコード:978-4-526-07676-3
税込価格:1,728円
頁数・縦:305p・20cm
 
 
 実娘から見た田中角栄。傍から見ていたのでは分からない、角栄の実像が語られる。本書には、志の高い偉大な政治家が立ち現れる。もちろん、身内の身びいきもあるかもしれないが、私たちは、マスコミによって形作られ、ゆがめられた虚像を見ていた可能性も拭い去れない。
 
【目次】
第1章 マコちゃん――幼少期
第2章 お嬢さん――独身時代
第3章 奥さん――結婚
第4章 先生・大臣――衆議院議員になって
第5章 眞子さん――議員バッジを外して以降
 
【著者】
田中 眞紀子 (タナカ マキコ)
 1944年生まれ。早稲田大学第一商学部卒業。衆議院議員に新潟県旧第3区より無所属で初当選。科学技術庁長官、外務大臣、文部科学大臣を歴任。越後交通株式会社代表取締役会長。
 
(2017/7/18)KG
 
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日本列島創生論 地方は国家の希望なり
 [社会・政治・時事]

日本列島創生論 地方は国家の希望なり (新潮新書)
 
石破茂/著
出版社名:新潮社(新潮新書 712)
出版年月:2017年4月
ISBNコード:978-4-10-610712-2
税込価格:821円
頁数・縦:218p・18cm
 
 
 元地方創成担当大臣による、地方活性化のための新たな「日本列島改造論」。
 
【目次】
はじめに―革命は地方から起きる
地方創生とは何か
補助金と企業誘致の時代は終わった
PDCAとKPIを考えよ
国は人材とデータで後押しをする
外資アレルギーから脱却を
観光はA級を目指すべし
一次産業に戦略を
創生の基点はどこにでも作れる
「おねだり」に未来は無い
官僚は現場で発想せよ
里帰りにどれだけ魅力を付加するか
「お任せ民主主義」との決別を
 
【著者】
石破 茂 (イシバ シゲル)
 1957(昭和32)年生まれ、鳥取県出身。慶應義塾大学法学部卒。86年衆議院議員に全国最年少で初当選。防衛大臣、農林水産大臣等を歴任し、2014年に初代地方創生・国家戦略特別区域担当大臣に就任。
 
【抜書】
●CLT(p117)
 CLT:Cross Laminated Timber。ひき板を繊維方向が直交するように接着した重厚な木造のパネル。マンションや商業施設の壁や床として使われている。ヨーロッパでは、CLTを使った木造10階建て、20階建ての建物が多く建っている。
 
●土佐の森・救援隊(p119)
 200名ほどの隊員たちが、地元の山林の間伐を引き受けるNPO。
 
●島留学(p128)
 島根県海士町の隠岐島前(おきどうぜん)高等学校。中ノ島の島の島外から生徒を集め、島留学をアピールする。寮も作った。
 廃校寸前の高校が2クラスになった。教職員数の関係上、これ以上は増やせない。
 この地域の島は4つとも国立公園に指定されていて、自然が豊か。
 
●北海道おといねっぷ美術工芸高校(p131)
 北海道音威子府村の村立高校。
 昭和50年代、前身にあたる音威子府高校は存立の危機にあった。
 音威子府村は、北海道で最も小さな村で、人口789人(2016年)。面積の8割が森林という特徴を生かした高校づくりを推進。木材の加工、工芸を教育の中心に据えた。
 2002年、校名を「北海道おといねっぷ美術工芸高等学校」に変更し、工芸コース、美術コースの選択制に。2008年から、家具デザインの世界での「先進国」スウェーデンの高校と姉妹校提携制度を導入。
 村外、道外からの生徒を積極的に受け入れ、寄宿舎も作る。全人口の2割弱が学校関係者。「村民運動会」は高校の体育祭も兼ね、高校生が中心となって開催。
 
●やねだん(p139)
 鹿児島県鹿屋市の柳谷集落、通称「やねだん」。人口300人程度の、過疎化、高齢化の進む集落。
 豊島哲郎……地元の高校を卒業後、東京都民銀行に就職。「学歴の壁」にぶつかり、Uターンして養鰻業を始める。1996年、50代で公民館長となる。
 「行政に頼らないむら興し」を目指す。まず、耕作放棄地を使ったサツマイモの栽培。土着菌を用いた上質のサツマイモ作りに成功。焼酎にすると、高品質のものができ、今では韓国に輸出。これを目玉にした「やねだん」という居酒屋がソウルにできる。
 自主財源ができ、高齢者にボーナスを支給。住民みんなが仕事を分担し、儲けをみんなで分配。90歳を超えても
土壌菌を繁殖させるために土壌をかき回すといった仕事がある。
 地域リーダー養成のための「やねだん故郷創生塾」を開講。
 2007年からは、芸術家に創作場所として空き家を提供する試みを始める。芸術祭も毎年開かれるようになる。
 地元の民家を改造した宿泊施設「迎賓館」をつくる。広い日本間で素泊まり3,000円ほど。
 
●海士町(p143)
 隠岐島前高校のある海士町。山内道雄町長。
 もともとNTTの営業マンだったが、52歳の時、退職して母親の介護のために帰島。当時の町長に声をかけられ、島で立ち上げた観光関連の第三セクターを手伝う。町長の新しい試みに対して議会から横やりが入るので、思い切って町議に立候補して当選。
 2期目に、町長が引退。地元の建設会社の社長に懇願されて町長に立候補、助役を破って当選。社長の言葉「もう公共事業に頼る時代は終わった」。
 島の人たちも、当時の島の財政難に危機を感じていた。当選後、自身の給与30%カットを実施。 役場の課長、一般職員、町議、教育委員らも報酬のカットを申し出る。
 浮いたお金を「未来への投資に」使う。島留学もその一つ。ほかに、5億円を投じてCASの設備を購入。
 CAS(Cells Alive System)……細胞が生きたままの状態で冷凍する技術。
 海士町では、魚介類、隠岐牛を、CASを用いて商品化して全国に出荷している。
 現在、岩ガキの養殖を推進することで、新たな名物を作り出している。
 
●丸亀町商店街(p154)
 香川県高松市の「シャッター商店街」。地元の青年会の人たちが話し合い、商店の2階部分を強制的に賃貸させるように決める。
 とにかく、2階部分を診療所や保育所などに貸し出すことにより、町の機能をなるべく商店街に凝縮するようにした。
 
●中央官庁の地方移転(p166)
 移転の目的は、(1)東京への一極集中を避ける、(2)地方を活性化する。全国の都道府県(首都圏一都三県以外)に、来てほしい中央官庁機関の希望を募る。その希望に国が有効な反証ができなければ移転させる。
 文化庁を全面的に京都府に移転。もっとも文化財が多い土地。
 消費者庁の政策の企画・立案部門を徳島県に移転。消費者行政の先進地であり、ブロードバンド環境も全国屈指。
 総務省統計局の一部を和歌山県に移転。
 
●CCRC構想(p185)
 CCRC:Continuing Care Retirement Community、生涯活躍のまち。
 「東京圏をはじめとする高齢者が、自らの希望に応じて地方に移り住み、地域社会において健康でアクティブな生活を送るとともに、医療介護が必要なときには継続的なケアを受けることができるような地域づくり」を目指す。
 楡周平『プラチナタウン』(祥伝社文庫)のイメージ。子育て世代と老人たちが共存する新しいタイプのコミュニティが描かれている。2008年の刊行。
 
●ユーカリが丘(p203)
 千葉県佐倉市のベッドタウン。山万が開発。1970年代末、住民の高齢化も視野に入れ、 「環境にやさしい街づくり」を標榜して宅地開発。交通機関やホテルなども含め、住民にとって有益な設備を整える。
 山万は、建売を買った夫婦が高齢化した際、手広になった戸建て住宅を買い戻し、駅近くのマンションを斡旋。戸建てはリフォームして若い夫婦に販売。
 開発業者が、「売ったらお終い」ではなく、町にずっと関わり続けている。
 
(2017/7/15)KG
 
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国家の矛盾
 [社会・政治・時事]

国家の矛盾 (新潮新書)
 
高村正彦/著 三浦瑠麗/著
出版社名:新潮社(新潮新書 703)
出版年月:2017年2月
ISBNコード:978-4-10-610703-0
税込価格:842円
頁数・縦:236p・18cm
 
 
 2015年秋に成立した平和安全法制を主導した立役者のひとりである高村正彦と、国際政治学者の三浦瑠麗による対談。法政成立の舞台裏や、日本の安全保障、米国との関係などを真摯に語る。
 
【目次】
第1章 安全保障の矛盾
 安全保障は「確率のゲーム
 戦前の「翼賛勢力」に似ているのはどっち?
 「原罪としての敗戦」という考え方
  ほか
第2章 外交の矛盾
 「法理」はキープし、「当てはめ」は柔軟に
 米軍駐留の必要性と国民感情の相克
 対北朝鮮政策に「正解」は存在しない
  ほか
第3章 政治の矛盾
 小選挙区制が生んだ「政治主導」
 「政高党低」か「党高政低」か
 筋金入りの平和主義者・河本敏夫
  ほか
 
【著者】
高村 正彦 (コウムラ マサヒコ)
 1942(昭和17)年生まれ。衆議院議員。自由民主党副総裁。弁護士。外務大臣、防衛大臣、法務大臣などを歴任。
 
三浦 瑠麗 (ミウラ ルリ)
 1980(昭和55)年生まれ。国際政治学者。東京大学政策ビジョン研究センター講師株式会社山猫総合研究所代表。博士(法学)。
 
【抜書】
●武力行使3要件(p27、高村)
 平和安全法案で、武力行使をする際の要件。
 (1)我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること。
 (2)これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと。
 (3)必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと。
 
●サラミスライス(p45、三浦)
 中国は、南シナ海や東シナ海で、サラミを薄く切るように少しずつ勢力を拡張させ、既成事実を積み重ねていく「サラミスライス戦略」をとっている。
 
●芦田修正論(p56、編集部注)
 憲法9条第1項は、武力による威嚇や武力の行使を「国際紛争を解決する手段」としては放棄する、と定めている。第2項では、「前項の目的を達するため」に戦力を保持しない、と定めている(この部分は芦田均が加えた)。
 したがって、我が国が当事国である国際紛争を解決するために武力による威嚇や武力の行使に用いる戦力の保持は禁止されている。しかし、それ以外の目的での戦力の保持は認められている、という考え方。すなわち、個別的または集団的を問わず自衛のための実力の保持や、国際貢献のための実力の保持は禁止されてない、という考え方。
 
●本音(p97、三浦)
〔 ただ、世界全体で人々が本音で話したいというふうに思っていますよね。イギリス、フィリピン、大阪でもそうだった。トランプ現象ももちろんそうです。彼らは何に対して戦ったのか。大阪では大阪自民党であり、そこと結託していた官僚でした。トランプは不法移民問題に対して何もできていないワシントンのエスタブリッシュメント。フィリピンのドゥテルテが衝いたのは、大農場主の保守派が組織犯罪グループとなあなあにやってきたことに対する国民の不満です。現状を何らかの形で変えたいと思いている人々の、変えてこなかった人たちに対する怒りがあちこちで噴出している。2009年に、それまでほとんど経験を蓄積してこなかった政党に政権を与えて大失敗した日本は、その経験から学んで穏健化したのかもしれないですが。〕
 
(2017/7/15)KG
 
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ハーバードで喝采された日本の「強み」
 [社会・政治・時事]

ハーバードで喝采された日本の「強み」
 
山口真由/著
出版社名:扶桑社
出版年月:2017年3月
ISBNコード:978-4-594-07666-5
税込価格:1,404円
頁数・縦:221p・19cm
 
 
 日本の超エリートと目される財務省勤務、弁護士活動を経て、ハーバード大学ロースクール留学した、東大法学部首席女子の挫折と、日本再発見のエッセー。
 
【目次】
第1章 私を白熱させたハーバードの授業
第2章 ハーバードで受けた洗礼
第3章 トランプ大統領を誕生させたアメリカ社会の二極対立
第4章 ハーバードで喝采された日本の「強み」
 
【著者】
山口 真由 (ヤマグチ マユ)
 1983年、札幌市生まれ。東京大学法学部在学中に司法試験、国家公務員1種に合格。全科目「優」の成績で2006年に首席卒業。財務省勤務を経て、弁護士として活動したのち、2015年夏からハーバード大学ロースクールに留学。2016年に卒業し、帰国。
 
【抜書】
●思想の自由主義(p22)
 アメリカの根底にある考え方。裁判官のような一部のエリートが、保護に値する「価値ある表現」と、保護に値しない「価値なき表現」を分けることを本能的に嫌った。一部のエリートに任せるよりは、大衆を信用しようという考え方。
 オリバー・ウェンデル・ホームズ・ジュニア……アメリカ史上最も賢い判事の一人と言われている。それまでのイギリス法学の流れを転換し、アメリカ独自の法解釈の基礎を作り上げた人物。いまだに判決で最も引用される判事の一人。古典経済学における「市場」の理論を思想にも適用した。
  とにかくどんな考えでも自由に表明させよう。
  そして対立する思想を自由にぶつけ合わせよう。
  多くの支持を得た意見が生き残るだろう。
 
●ハーバード流交渉術(p33)
 〔ハーバードの交渉術で重視されるのは、「交渉に勝つこと」ではなくて、「価値を作り出すこと」だ。〕
 〔相手がこの交渉によって得たい価値を明確に把握したうえで、自分が得たい価値と並び立つようにする。〕
 〔パイを大きくすることができれば、全員が得する状況を作り出せる。こうやって、パイを広げられるのが、優れた交渉人だと教えらえる。〕
 〔相手が本当に欲しているものは何かを探り、相手の面子を立てつつ、相手と自分の利益を調整するのが「根回し」の技術である。〕
 〔ハーバード流交渉術の極意は、相手に気持ちよく「YES」と答えてもらうこと。そう考えると、テーブルに着く前に、相手との信頼関係を構築し、真意を聞き出し、そして相手が「YES」といえる提案を用意している日本の根回しは、相当に洗練された交渉術だ。〕
 
●曖昧調和(p186)
 〔アメリカの「二極対立」文化とは真逆の、「曖昧調和」文化とでもいうべき風土を日本は持っている。そしてそれは、アメリカの限界を超えうる、大きな可能性を秘めたものだった。〕
 
(2017/6/25)KG
 
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中国のフロンティア 揺れ動く境界から考える
 [社会・政治・時事]

中国のフロンティア――揺れ動く境界から考える (岩波新書)
 
川島真/著
出版社名:岩波書店(岩波新書 新赤版 1652)
出版年月:2017年3月
ISBNコード:978-4-00-431652-7
税込価格:886円
頁数・縦:224p・18cm
 
 
 発展途上国による発展途上国に対する援助。中国は、アフリカ諸国その他に対して行っている援助をそう位置付けているようだ。援助を受ける側にしても、かつての支配者であったヨーロッパの先進国よりも、同じ立場にあった中国のほうにシンパシーを感じるのかもしれない。中国が行うアフリカ支援は、資源確保や世界支配の布石といった中国側の事情のみを取り上げるのではなく、援助を受ける側の「心情」も忖度して考える必要がある。
 そんなことを考えながら、アフリカ、東チモール、金門島と中国との関わりに関する本ルポを読んだ。
 
【目次】
序章 フロンティアから中国を考える
第1部 アフリカの中国人、中国のアフリカ人
 第1章 アフリカの「保定村」物語―中国人農業移民
 第2章 広州のアフリカ人街―中国に進出するアフリカ商人とその苦衷
 第3章 雑誌『非洲』の世界―中国の“公共外交”
第2部 マラウイはなぜ中国を選んだのか
 第4章 マラウイと中国の国交正常化
 第5章 マラウイと台湾の断交
第3部 溢れ出す中国―周辺外交の舞台
 第6章 中国・ASEAN南寧博覧会参観記
 第7章 二一世紀の援蒋ルート―雲南・ミャンマー国境
 第8章 東チモールから見る中国―マカオ・フォーラムと葡語スクール
第4部 中華圏の内なるフロンティア―金門島から見る
 第9章 金門島の経験した近代
 第10章 金門アイデンティティを求めて
終章 運動体としての中国をとらまえること
 
【著者】
川島 真 (カワシマ シン)
 1968年神奈川県横浜市生まれ。1997年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学、博士(文学)。現在、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻教授(国際関係史)。専攻は中国近現代史、アジア政治外交史。
 
【抜書】
●マカオ・フォーラム(p153)
 正式名称:中国-葡語国家経貿合作論壇(澳門)。
 ポルトガル語圏の国と、中国とが経済貿易協力を目指す組織。第1回の閣僚会議が2003年10月に開かれ、「経貿合作行動綱領」(10月13日)という基本文書を採択した。
 構成国は、中国、ポルトガル、ブラジル、東チモール、アンゴラ、モザンビーク、カーボベルデ、ギニアビサウ。
 
(2017/5/26)KG
 
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世界で一番他人(ひと)にやさしい国・日本
 [社会・政治・時事]

世界で一番他人(ひと)にやさしい国・日本 (祥伝社新書)
 
マンリオ・カデロ/〔著〕 加瀬英明/〔著〕
出版社名:祥伝社(祥伝社新書 488)
出版年月:2016年11月
ISBNコード:978-4-396-11488-6
税込価格:842円
頁数・縦:220p・18cm
 
 
 サンマリノ共和国特命全権大使による日本賛歌。日本とイタリアの比較文化論的な内容も含む。
 第2部は蛇足。
 
【目次】
第1部 世界が学ぶべき「日本モデル」……マンリオ・カデロ(p16~p104)
 日本人のやさしさの源泉
 日本が世界から称賛される理由
 日本文化の、豊かさと独創性
第2部 自然に感謝する日本人のこころ……加瀬英明(p108~p215)
 神話が現代につながっている国
 和食こそが日本文化の象徴
 変わらない心、失われた心
 自然に寄り添う日本の心
 
【著者】
カデロ,マンリオ (Cadelo, Manlio)
 イタリアのシエナ生まれ。高等学校卒業後、パリのソルボンヌ大学に留学。フランス文学、諸外国語、語源学を習得。1975年に来日し、ジャーナリストとして活躍。1989年、駐日サンマリノ共和国領事、2002年、駐日サンマリノ共和国特命全権大使を任命され、2011年5月、駐日各国大使の代表である「駐日外交団長」に就任。イタリア共和国騎士勲章など多くの勲章を受章。
 
加瀬 英明 (カセ ヒデアキ)
 1936年東京生まれ。外交評論家。慶應義塾大学、エール大学、コロンビア大学に学ぶ。「ブリタニカ国際大百科事典」初代編集長。1977年より福田・中曽根内閣で首相特別顧問を務めたほか、日本ペンクラブ理事、松下政経塾相談役などを歴任。
 
【抜書】
●神道(p26)
〔 神道は教団に分かれて、諍うこともない。ところが残念なことに、キリスト教もイスラム教も、多くの教派に分かれて、歴史を通して抗争に明け暮れてきた。
 仏教も同様に、いろいろな問題があった。
 日本は歴史を通して、世界の各所で見られるおぞましい宗教戦争が、一度も起こらなかった。このような歴史には、日本の国民性と日本人の信仰観が現れている。珍しい国である。
 神道いう言葉が、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教や、バハイ教、仏教と同じような宗教であるような誤解を与えるために、警戒する人々がいる。
 だが、神道は「道」であって、「教」がついていない。それぞれの人が、自分の好みによって、人間道、地球道と呼んでもよいのではないだろうか。〕
 
パスタ(p61)
 パスタは、マルコ・ポーロが「黄金の国ジパング」を目指した旅の途中、アジア大陸のどこかで目にした細長い面をイタリアに持ち帰ったのが起源といわれている。重い汁は捨てなければならなかったので、汁麺がない。
 
●オシボリ(p65)
 今日、オシボリはどこの国の航空会社も採用している。この30年の間に世界に普及したジャポニズムの一つ。
 
●ビッター神父(p72)
 マッカーサー元帥は、靖国神社を爆破するか、燃やしたかった。
 しかし、上智大学の、イエズス会のブルーノ・ビッター神父(ドイツ人)が、元帥によく説明して、納得させて靖国神社を守らせた。
 手紙を送って、靖国神社を破壊することは、アーリントン国立墓地を破壊するのと同じことだと説き、靖国神社の歴史と実態を理解させた。
 キリスト教の神父が、神道の靖国神社を守ったことになる。
 
●マンモーネ(p81)
 イタリア人は「マンモーネ」と世界中から揶揄されるお母さん子。
 マンモーネ=マザコン。
 
●武士の娘の教育(p128、加瀬)
 江戸時代、武士階級の息子たちは、各藩の藩校で学んだ。
 庶民の子供たちは、男女共学の寺子屋があった。
 武士の娘のための学校は存在しなかった。家において、母親から躾や古典を学んだ。
 
(2017/5/2)KG
 
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世界が憧れた日本人の生き方
 [社会・政治・時事]

世界が憧れた日本人の生き方 日本を見初めた外国人36人の言葉 (ディスカヴァー携書)
 
天野瀬捺/〔著〕
出版社名:ディスカヴァー・トゥエンティワン
出版年月:2016年12月
ISBNコード:978-4-7993-2024-2
税込価格:1,080円
頁数・縦:207p・18cm
 
 
 主に幕末・維新のころに日本を訪れ、日本に魅了された西洋人たちの日本観をテーマ別にまとめた。登場する外国人は36人。
 
【目次】
第1章 シンプルさのなかに豊かさを見いだす
 シンプルな住まいに暮らす……A・B・ミッドフォード
 質素でありながら満足した生活を送る……タウンゼント・ハリス
 純粋なままで生きる……ヘンリー・ヒュースケン
 慎ましやかな物質的満足感で生活する……エミール・ギメ
第2章 どんな相手も尊重する
 立場の弱い人に親切にする……イザベラ・バード
 敵に対しても心遣いをする……フランシス・ブリンクリー
 トラブルが起きたら、最初に詫びる……カール・ムンチンガー
第3章 いつも陽気である
 隠しごとをしない……リュドヴィック・ド・ボーヴォワール
 生活を楽しむ……チャールズ・アップルトン・ロングフェロー
 気持ちよく挨拶する……グスタフ・クライトナー
 礼儀作法として笑いを絶やさない……エドモンド・コトー
 いつでも陽気である……シェラルド・オズボーン
第4章 教養を身につける
 自発的に学ぶ……ヴィルヘルム・ハイネ
 教育で人格を養う……ヘンリー・ダイアー
 教養を見せびらかさない……フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト
 報道をチェックする……ポール・ボヌクン
第5章 自然とともに生きる
 精神的に自然と通じ合う……パーシヴァル・ローウェル
 自然と互恵関係をつくる……アーネスト・サトウ
 人間らしい生き方を意識する……ジョルジュ・ブスケ
 自然の循環のなかに生きる……キャサリン・サンソム
第6章 必要な道徳心を備える
 正直である……エドワード・モース
 社会を快いものにするべく配慮する……エドウィン・アーノルド
 恩に報いることこそが道徳である……ルース・ベネディクト
第7章 進んで相手をもてなす
 相手を楽な気分にさせる……クララ・ホイットニー
 人好きである……アーサー・H・クロウ
 相手に要求しない……エミール・カヴァリヨン
 ありとあらゆる用意をする……ラドヤード・キプリング
 極上のサービスをする……ブルーノ・タウト
第8章 共存共栄に生きる
 必要以上に憎まず、欲しがらない……アレッサンドロ・ヴァリニャーノ
 個人よりも共同体を優先する……ローレンス・オリファント
 中庸の精神を持つ……バジル・ホール・チェンバレン
 自らの感情や憎悪をあらわにしない……アルベルト・アインシュタイン
最終章 現代に生き続ける日本の美徳
 精神的な価値を考える教育……李登輝
 隣人愛に似た「和の精神」……ネルケ無方
 自らの身分を正当化しない……ロバート・ベラー
 穏やかで品位があり、秩序を守り、高い犠牲心と優しさがある……ジャンヌ・ボッセ
 
【著者】
天野 瀬捺 (アマノ セナ)
 千葉県生まれ。トロント、セネカカレッジ卒。オーストラリア、スイス、カナダでの在住経験がある。元ユナイテッド航空フライトアテンダント。2007年、自身の経験をもとに書き上げた「フライトアテンダント物語―小夜子のスッチー見聞録」が日加タイムス文学賞に入選。同年5月から5ヶ月間、日加タイムス紙上で連載される(2013年に電子書籍化)。
 
【抜書】
●経済(p173)
 なぜ日本だけが、西洋以外の国の中で唯一、近代化の成功したのだろうか?
 ロバート・ベラーは、日本とアメリカの宗教、文化、社会構造の比較分析を行い、次のような結論に至った。
 (1) 日本においては古来より、経済に対して政治が優勢であった。「士農工商」という言葉にみられるように、ビジネスは社会の仕組みの最上位に置かれることなく、より人道的な価値観を重視して政治がなされてきた。 
 (2)日本人の精神性、「日本的宗教」。普遍的なものを認識しようとすることや、目に見えない至高な存在に敬意を示すといった特質。
 ロバート・ベラー……Robert Bellah、1927-2013。アメリカ、オクラホマ州生まれ。ハーバード大学卒。宗教学者。1960年、フルブライト交換留学生として國學院大学に在籍。
 
(2017/4/26)KG
 
〈この本の詳細〉


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貧者の一票 グローバル経済の崩壊と連鎖する無血革命
 [社会・政治・時事]

貧者の一票 グローバル経済の崩壊と連鎖する無血革命
 
渡邉哲也/著
出版社名:扶桑社
出版年月:2017年1月
ISBNコード:978-4-594-07641-2
税込価格:1,080円
頁数・縦:223p・18cm
 
 
 新自由主義者が志向したグローバリズムへの批判が高まり、ナショナリズムが台頭する現代の世界情勢を、「貧者の一票」をキーワードに読み解く。将来、今よりましな民主主義の社会は到来するのだろうか?
 
【目次】
第1章 混迷する2017年の世界経済
第2章 「脱グローバリズム」に舵を切る世界
第3章 世界を動かす「貧者の一票」
第4章 権利の乱用者「ただ乗り屋」叩きが始まった
第5章 問われる「命の価値」の重み
第6章 ポスト・グローバリズム―世界経済の近未来
 
【著者】
渡邉 哲也 (ワタナベ テツヤ)
 作家・経済評論家。1969年生まれ。日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務した後、独立。複数の企業運営などに携わる。大手掲示板での欧米経済、韓国経済などの評論が話題となり、2009年『本当にヤバイ!欧州経済』(彩図社)を出版、欧州危機を警告しベストセラーになる。内外の経済・政治情勢のリサーチや分析に定評があり、さまざまな政策立案の支援から、雑誌の企画・監修まで幅広く活動を行っている。
 
【抜書】
●新自由主義(p45)
 〔グローバリズムは政府による規制に加え、過度な社会保障や福祉、富の再分配は企業や個人の自由な経済活動を妨げると批判する新自由主義思想を生んだ。〕
 
●第4の権力(p89)
 インターネットメディアは、「第3の権力=既存のメディア」を監視する「第4の権力」。
 アメリカ大統領選挙で、共和党、民主党の両陣営が使う資金は5000億円に上ると言われる。必然的に、政治家はお金の方向を向いた政治を行わざるを得ない。
 レガシーメディアがトランプ氏の反対陣営からお金をもらって行ったネガティブ・キャンペーンは、トランプ氏の発言を広く世の中に知らせる結果となり、ネットを通じて支持が広がった。
 トランプの当選は、〔従来お金のほうを向いていた政治家が、票に向き始めたという意味で、民主主義を担保する選挙のあり方を大きく変えるエポック・メイキングな出来事だといえるのだ。〕
 
●クープマンの目標値(p92)
 アメリカの数学者B・O・クープマン。企業間の販売競争などに勝つための理論として応用される「ランチェスターの法則」を研究して、「クープマンの目標値」という市場シェア理論を構築。ある商品やサービスの市場シェアに関する階層化。
 独占的市場シェア……73.9%を上回ると絶対的首位となる。
 相対的安定シェア……41.7%を取ればトップの地位が安定。
 市場影響シェア……26.1%を取ると市場に影響を与える段階に達する。
 市場認知シェア……10.9%に達すると市場に認知され始める。
 
●ベーシックインカム論(p126)
 もともと、ティーパーティの主張。
 ティーパーティは、小さな政府を志向。政府が民間企業の経済活動に介入し、多額の税金を投入して社会資本を整備して所得格差を是正する「大きな政府」はいらない、民間が自由にやればいい、という意見。
 道路整備などの必要不可欠な事業を除き、医療制度をはじめとする社会保障や公的な学校制度などをすべて否定、病院や学校、保育所などを民間に任せる。
 ベーシックインカム論……上記の施設に投じられる膨大な行政コストを削減したうえで、国民にお金を配り、民間の好きなサービスを選べるようにする。
 
●印僑(p136)
 客家を中心とする華僑は、世界中どこでも移住し、中華街を築き上げ、そこで中国人だけのコミュニティを作り上げていく。土地(領土)=国という意識が低い。
 印僑は、インドの本家にいる父親が子どもたちを世界各国に送り出し、さまざまなビジネスを手掛ける。本拠地をインドに置いてネットワークビジネスを展開している。上位カーストの人たちが多い。彼らがある州や地域を統治していることも少なくない。いわば、統治者が、地域の住民を食べさせるために世界中でビジネスを行っている、というのが印僑ビジネスの一つの側面。
 
●インターナショナル・サプライチェーン(p196)
 グローバル・サプライチェーン……生産地≠消費地。コストの安い地域で生産し、お金のある国で販売する。消費地に雇用をもたらさない。
 インターナショナル・サプライチェーン……生産地=消費地。生産も消費も同じ国で行う。消費地に雇用をもたらすので歓迎される。
 
●日本のリーダーシップ(p204)
 〔世界を破綻から救うために、「和を以て貴しとなす」の伝統を持つ日本は率先してリーダーシップを発揮し、和の精神を世界にどんどん輸出していくべきだ。先の「質の高いインフラ投資の推進のためのG7伊勢志摩原則」は、世界のインフラ開発について日本がリーダーシップを取った典型的な例である。
 さらに言えば、今後、世界経済の持続的成長を実現するうえで、資源問題や食糧問題にどう対処していくのかということも大きな課題だ。〕
 
●島国(p217)
〔 日本人は島国という、そこから逃げられないコミュニティの中で暮らしてきたといえるだろう。島国の閉ざされたコミュニティの中で対立を繰り返すことは、結果的に民族の滅亡を引き起こす。そのため日本人は、意見や立場に対立がある場合、話し合いをしながら柔軟に対応し、可能な限り争いを回避してきた。そのため、絶えず戦乱を繰り返してきた欧州のように、国自体が滅びるというところまでには至らなかった。また経済活動においても、島国の中で生み出される食物や資源には限りがあり、外から略奪してくることもできないため、必然的に公平な分配を追求していった。「和の精神」の源流も、おそらくそういうところにあるのだろう。
 その結果、ヨーロッパの列強が大航海時代に世界中で植民地を拡大し、搾取によって莫大な富を吸い上げていた頃、鎖国政策を取っていた日本では、自国の限られた資源と人々の知恵だけで成立する経済体を生み出していたのだ。そういう先人の文化や知恵を、私たちは受け継いでいるのである。〕
 
(2017/4/21)KG
 
〈この本の詳細〉


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