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覆す力
 [エンターテインメント]

覆す力 (小学館新書)

森内俊之/著
出版社名 : 小学館(小学館新書 195)
出版年月 : 2014年2月
ISBNコード : 978-4-09-825195-7
税込価格 : 778円
頁数・縦 : 219p・18cm


 現在、竜王と名人の二大タイトルを保持し、十八世永世名人の資格をもつ棋士、森内俊之の自伝。羽生善治を中心に、将棋界での出来事と、自身の将棋人生を綴る。同時に、将棋に向かう心構え、勝負に関する考え方などを素直な筆致で語る。
 その謙虚な人柄と柔軟な思考力が伝わってくる好書である。将棋およびプロ棋士の世界はあまり詳しくないのだが、読んでいて森内棋士のファンになってしまった。

【目次】
第1章 竜王戦
第2章 将棋との出合い
第3章 若手棋士
第4章 名人への道
第5章 羽生さんとの名人戦
第6章 私の勝負哲学

【著者】
森内 俊之 (モリウチ トシユキ)
 将棋棋士。1970年、東京調布市生まれ、神奈川県横浜市育ち。小学六年生で勝浦修九段に師事し、82年、奨励会に入会。同期に羽生善治、佐藤康光、郷田真隆らがいる。87年、四段に昇段、プロ棋士に。2002年、第60期名人戦で丸山忠久を破り、名人位を獲得。07年、名人位の通算獲得数が5期となり、十八世名人の資格を得る。14年2月現在、竜王・名人。名人位の通算獲得数8期は、大山康晴、中原誠に次ぎ、木村義雄と並ぶ歴代3位タイ記録。

【抜書】
●壁を越える(p146)
〔 一期で終わったとは言え、“名人”という壁を越えた自信が私を成長させたのかもしれない。越えられないと思っていた壁だったが、一度越えてしまえば、また越えられるような気持ちになれた。もし二度目の挑戦でも名人位を獲得できていなかったら、タイトルとは無縁の棋士人生だっただろう。たった一度のタイトル獲得の経験が私を大きく変えていたのだ。〕

●一回目のミスを許す(p185)
〔 若い頃の私は完璧主義者で、自分の一度のミスが許せず、その動揺した気持ちのまま指し続け、ミスを重ねて負けてしまったことが何度もある。しかし、そんなことを繰り返しているうちに気がついた。
 ミスをしないなんてありえない。だれでも、どんなときでもミスはある。だから自分のミスを許そう、と。
 大切なのは、一回目のミスを許容する余裕だ。
 「ちょっとくらいなら、いいか」
 そんなふうに考えて、“ちょっと”で止めるように意識を転換すればいいのだ。きっとミスを繰り返すことはなくなるだろう。〕

●アナログとデジタル(p207)
〔 決して完全ではない人間が、論理的な思考を巡らして戦う。それこそが将棋なのだ。最近のタイトル戦などを見ても、相変わらず羽生さんを筆頭に、佐藤さん、郷田さん、丸山さん、私など、四十歳を過ぎた、いわゆる“羽生世代”のメンバーで戦っていることが多い。
 それはもちろん、羽生さんという稀代の棋士が私たちの世代を引っ張ってきてくれたことも大きいのだが、もう一つ理由があるとすれば、この世代がアナログとデジタル、両方の時代の将棋を知っているということが理由なのではないかと考えている。〕

●七対三(p208)
〔 成長段階における成功と失敗、勝ちと負けに理想的なバランスがあるとするならば、七対三くらいではないかと私は考えている。あまり勝ち過ぎるとおごりが生じるし、負けすぎるとやる気がなくなる。七割程度の成功で自信をつかみながら、三割の失敗を反省し、学ぶ。負けることがあるからこそ、勝つことに喜びを感じられるのだ。
 「勝たなきゃ駄目だ」
ではなく、三割は負けてもいいというくらいの気持ちで戦ったほうが、伸び伸びと将棋を楽しむことができるのではないだろうか。〕

(2014/5/4)KG

〈この本の詳細〉


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音楽で人は輝く 愛と対立のクラシック
 [エンターテインメント]

音楽で人は輝く ―愛と対立のクラシック (集英社新書) 樋口裕一/著
出版社名 : 集英社(集英社新書 0577)
出版年月 : 2011年1月
ISBNコード : 978-4-08-720577-0
税込価格 : 777円
頁数・縦 : 222p・18cm

■後期ロマン派を読み解く
 19世紀後半から20世紀にかけて隆盛した「後期ロマン派」の音楽を、ブラームス派対ワーグナー派の対立として描く。著者は、そこに難解で退屈なものになってしまった現代音楽(クラシック)の起源を求めるのである。
 キーワードは愛と形式。ブラームス派は、音楽を「動く形式」とみなし、絶対的な音楽を作ろうとする。すなわち「絶対音楽派」である。対するワーグナー派は、放埓な女性遍歴を糧に、人間感情や思想を音楽で表現しようとする。かたや「表現音楽派」である。
 このように単純化して当時の作曲家たちを分類してみると、音楽の大局的な潮流がつかむことができる。
 クラシック音楽の世界で、自分にとってあまり馴染みのない時期、すなわち19世紀後半から現代にかけての潮流をある程度知ることができた。でも、音楽って、実際に聴かないと駄目だよね。いくら知識を仕入れて頭でっかちになっても音楽はわからない(だろう)。

【目次】
第1章 対立のきざし
 共通の基盤ベートーヴェン
 前期ロマン派の時代―ブラームスにつながる作曲家たち
 前期ロマン派の時代―ワーグナーにつながる作曲家たち
 シューマンの愛と夢想の音楽
第2章 ブラームス派の巨人たち
 ブラームス
 ドヴォルザーク
 シュトラウス・ファミリー
第3章 ワーグナー派の巨人たち
 ワーグナー
 ブルックナー
 リヒャルト・シュトラウス
 マーラー
 フーゴー・ヴォルフ
 新ウィーン学派
最終章 結論にかえて
 ラ・フォル・ジュルネで、後期ロマン派がテーマになる!

【著者】
樋口 裕一 (ヒグチ ユウイチ)
 1951年大分県生まれ。作家。アフリカフランス文学翻訳家。多摩大学経営情報学部教授。早稲田大学第一文学部卒業後、立教大学大学院博士後期課程満期退学。クラシック音楽通としても知られ、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンのアンバサダーを務める。小論文・作文通信指導塾「白藍塾」塾長。

【抜書】
●十二音技法(p162)
 新ウィーン楽派……20世紀初頭、アルノルト・シェーンベルクを中心とする作曲家。アントン・ウェーベルン、アルバン・ベルクら。
  ⇒ウィーン楽派……ハイドン、モーツァルト、ベートーベン、シューベルトら、18世紀から19世紀にかけてウィーンで活躍した作曲家たち。
 十二音技法の音楽を創始。ハ長調などの調性のある音楽を否定。

(2011/9/4)KG

〈この本の詳細〉
bk1: http://www.bk1.jp/product/03362320
e-hon: http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032529176
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