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知的機動力の本質 アメリカ海兵隊の組織論的研究
 [社会・政治・時事]

知的機動力の本質 - アメリカ海兵隊の組織論的研究
 
野中郁次郎/著
出版社名:中央公論新社
出版年月:2017年5月
ISBNコード:978-4-12-004974-3 
税込価格:1,944円
頁数・縦:289p・20cm
 
 
 敵地上陸作戦という、戦争において最も過酷な任務を負う海兵隊が、強固な組織として存在している理由の根源を解き明かす。
 
【目次】
第1部 アメリカ海兵隊の知的機動力
 海兵隊の歴史概観
 海兵隊の組織論的分析
 海兵隊の知的機動力モデル
第2部 『ウォーファイティング』(翻訳)
 戦争の本質
 戦争の理論
 戦争の準備
 戦争の遂行
 
【著者】
野中 郁次郎 (ノナカ イクジロウ)
 1935年(昭和10年)、東京に生まれる。早稲田大学政治経済学部卒業。富士電機製造株式会社勤務ののち、カリフォルニア大学経営大学院(バークレー校)にてPh.D.取得。南山大学経営学部教授、防衛大学校社会科学教室教授、北陸先端科学技術大学院大学教授、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授などを歴任。一橋大学名誉教授。
 
【抜書】
●MAGTF(p26)
 MAGTF(マグタフ:Mrine Air-Ground Task Force)……海兵空陸任務部隊。有事の組織編制。
 指揮部隊のもとに、陸上戦闘部隊、航空戦闘部隊、兵站戦闘部隊を組み合わせた統合部隊。高度に専門化した海兵遠征機能。
 
●人事システム(p66)
 海兵隊の昇任システムの特色は、能力・業績・職務経験の昇進基準を順守し、特進を認めないこと。
 人事システムで興味深いのは、優秀な人材を採用担当者に任命すること。海兵隊の募兵担当官は、海兵隊を代表する典型としての下士官や士官で、アメリカ国民の応募者が「こういう人になりたい」と願うような人物でなければならない。
 募兵担当官は、リーダーとしての潜在可能性を見抜く直観力ある人材でなければならない。海兵隊は、リーダーシップは天性ではなく、潜在能力を引き出すことにより育成されると信じている。
 
●三つの中核価値(p77)
 名誉(honor)……決して嘘をつかず、騙さず、盗まないこと、そして妥協なき高潔さを守ること、人間の尊厳を尊重すること、相互に関心を持つこと。この名誉という資質が道徳的・倫理的行動の究極の姿に導く。名誉があるからこそ、海兵隊員は行動に責任をもち、義務をまっとうし、他者の行動に対しても責任を負う行動ができる。
 勇気(courage)……中核価値の本質である勇気は、海兵隊では深く内面化された精神的・倫理的・肉体的な強靭さであり、勇気によって戦闘への挑戦や恐れを克服できるようになる。勇気をもつことによって、正しい行いを実践して、手本を示し、ストレスや圧力のもとでも不屈の決断を下すことができる。これは海兵隊員がさらなる高みを目指すことを可能にする内面的な強靭さである。
 献身(commitment)……軍隊におけるメンバーの決断力や献身の精神のことである。献身は、自身の規律を高い水準に向かわせる。「常に忠実であれ(Semper Fidelis、縮めてSemper Fi)」であり、海兵隊員は一日に100回以上口にしたり、耳にしたり、目にする機会がある。このモットーは、全海兵隊員に無条件に変わることのない献身を、神、国家、海兵隊、そして海兵隊員に捧げ続けるように求めているのである。1880年、第14代海兵隊軍楽隊長に就任したジョン・フィリップ・スーザは、「忠誠」と題する行進曲を作曲している。
 
●三階層のルール(p87)
 伍長……3人チームの班(team)を指揮。4人。
 軍曹……3班編成の分隊(squad)を指揮。13人。
 少尉……3分隊編成の小隊(platoon)を指揮。40人。
 大尉……3小隊編成の中隊(company)を指揮。200人。
 大佐……3中隊編成の大隊(battalion)を指揮。1,000人。
 少将……3大隊編成の連隊(regiment)を指揮。3,500人。
 中将……3連隊編成の師団(division)を指揮。
 二等兵から師団長までの八つの層になる。
 
●任務戦術(p88)
 任務戦術(mission tactics)……組織の最下位に位置する構成員(現場の人間)に、組織にとって最重要任務の成否を左右する判断を下す権限を与える。
 緊迫する事態にあっては、指揮命令系統を逸脱し、自ら判断する責務を負う。
 2段階アップ……指揮官が隊員に命令するときには、自分の上官(全体目標)と自分(個別目標)の意図の「目的(what)」と「「理由(why)」を説明するが、「方法(how)」は任せる。目的と理由を理解しておけば、臨機応変にほかの手段を用いることができる。
 指揮官は、権限を委譲したからには、部下の行為に対して自らも責任を取る。
 
●SECI(セキ)モデル(p113)
 個人・集団・組織のレベルの暗黙知と形式知の相互変換を示す集合知のモデル。以下の四つのフェイズの知覚・認識・行動様式からなるプロセス・モデル。
 共同化(Socialization)……個人が他者との直接対面の相互作用を通じて暗黙知を共有する。
   ↓
 表出化(Externalization)……個人間の暗黙知を対話・思索・メタファーなどを通して概念や図像、仮説などを創り形式知に変換する。
   ↓
 連結化(Combination)……集団レベルの形式知を組み合わせて物語や理論的モデルに体系化する。
   ↓
 内面化(Internalization)……試行錯誤の矛盾解消の行動を通じて形式知を具現化し、成果として新たな価値を生み出すとともに、新たな暗黙知として個人・集団・組織レベルで理解し体得する。
   ↓
 共同化......
 
●AAR(p129)
 海兵隊では、戦闘後、あるいは訓練や図上演習後には、必ずAAR(After Action Review)が行われる。部隊とリーダーと部下の間で適時行われる専門的な議論である。部隊長の状況の理解と意思決定、隊員のとった行動とその結果について、全参加者がより良い代案を提示することが求められる。
 
●Marine Corps Gazette(p135)
 『マリーン・コー・ガゼット』、1916年創刊。当初は季刊。隔月刊となり、1945年以降、月刊。将校向け。
 合衆国海兵隊と軍事に関する「論点」についてのオープン・ディスカッションとアイデア交換の場。
 毎号、自由投稿を中心とする10前後の主論文(2,000~3,000字)と小論文(750~1,500字)のアイデアと論点(イシュー)、意見(レターズ)、書評で構成される。海兵隊の軍事理論、戦略、戦術、戦闘技能、組織(MAGTF)、リーダーシップなどが率直に議論されている。
 大部分が現場に近い中隊や第一線のスタッフや下士官の寄稿である。実践的戦闘行為に軸足を置いた論文が多くを占める。
 
(2017/10/5)KG
 
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分解するイギリス 民主主義モデルの漂流
 [経済・ビジネス]

分解するイギリス: 民主主義モデルの漂流 (ちくま新書 1262)  
近藤康史/著
出版社名:筑摩書房(ちくま新書 1262)
出版年月:2017年6月
ISBNコード:978-4-480-06970-2
税込価格:929円
頁数・縦:267p・18cm
 
 
 民主主義のモデルとされたイギリスが「分解」し、漂流している。イギリスの議会制民主主義の歴史、特徴を解説し、その分解の過程を論じる。
 二大政党制の代表的な国イギリスでも多党化が進んでいるという。そもそも、多様な意見を二つの政党の主張で代表させるのには無理がある。民主主義が行きわたり、情報化も進んで社会が複雑化している現代ではなおさらだ。
 
【目次】
序章 モデルとしてのイギリス?
第1章 安定するイギリス
第2章 合意するイギリス
第3章 対立するイギリス
第4章 分解するイギリス
終章 イギリスはもはやモデルたりえないか?
 
【著者】
近藤 康史 (コンドウ ヤスシ)
 1973年生まれ。筑波大学人文社会系教授。専門は比較政治・イギリス政治。名古屋大学大学院法学研究科博士課程修了、博士(法学)。
 
【抜書】
●イギリスの議会制民主主義(p29)
 民主主義のモデルとして位置づけられてきたイギリスの議会制民主主義は、以下のような制度的パーツから形作られている。
 ・議会主権
 ・小選挙区制
 ・二大政党制
 ・一体性のある政党組織
 ・執政(内閣)優位の執政ー議会関係
 ・中央集権的な単一国家
 
●多数決型民主主義(p29)
 比較政治学者アレント・レイプハルトは、民主主義を「多数決型民主主義」と「コンセンサス型民主主義」とに分類。
 イギリスは、ひとりでも数が上回ったほうに決定権を与える「多数決型民主主義」。
 コンセンサス型は、「なるべく多くの人が納得する選択肢に決定する」もの。
 
●ウェストミンスター・モデル(p41)
 イギリスの民主主義を示す言葉である「ウェストミンスター・モデル」の核をなすのは、「議会主権」。さまざまな政治的決定や法律形成を行う最上の機関が、ウェストミンスター議会である。
 イギリスには、議会を超える権威である成文化された憲法が存在しない。憲法的な取り決めも、議会において一般的な法律と同様の手続きを経て行われる。
 
●同意と代表(p42)
 中世、国王は戦争の費用を貴族たちに負担させていた。それに不満を持った貴族たちの「同意」を得るために招集された場が議会の起こり。
 13世紀になると、貴族以外の人々からも同意を得るために、「庶民院(House of Commons)が形成され、「貴族院」(上院)と「庶民院」(下院)の二院制として確立された。
 庶民院は、定期的にメンバーを選出し始めるようになる。つまり、人々の「代表」を選び、その代表によって決めるという原理が強まった。イギリスの議会において「同意」の原理と「代表」の原理が結合した。
 1689年の「権利の章典」、1701年の王位継承法によって多くの国王特権がはく奪され、議会の権限が強まり、現代につながる政党システムが形成され始めた。
 19世紀になって参政権が徐々に拡大され、議会の民主主義化が進めれられるにつれ、議会の持つ代表原理もさらに強まった。
 
●下院の優越(p45)
 イギリスの議会では、下院(庶民院)の優越が認められている。
 庶民院で開始された法案については、貴族院の反対があっても、最初の討論から3回の会期を連続して庶民院を通過した場合、貴族院の拒否権は「一時停止的な拒否権」にとどまる。最大1年、法案成立を遅らせることができるのみ。
 歳入などの予算にかかわる法案(金銭法案)は、貴族院の同意が得られなくても、1か月後には成立する。
 
●二大政党制(p52)
 二大政党制は、安定性と競争性を両立させた政党システムであった。しかし、イギリスでは、その安定性が崩れ始めている。
 イギリスの二大政党制の起源は、1688年の名誉革命。このころ、トーリー党とホイッグ党の二大党派が生まれた。
 トーリー党は王党派とも呼ばれ、王権を支持。現在の保守党につながる。
 ホイッグ党は王権の制限を求め、その後の自由党へとつながる。
 政党間対立というより、与党と野党、権力者と対抗者という形に近かった。
 20世紀には、自由党が分裂しがちになり、勢力が衰退し、労働党が二大政党の座を奪う。
 
●小さな悪(p54)
 フランスの学者モーリス・デュベルジェが唱えた、小選挙区制は二党制に有利に働くという説のうち、「心理学的要因」。
 小選挙区制では、第3党以下に投票して死票になるより、「より大きな悪を防ぐために、二つの対抗者のうちのより小さな悪に、自分たちの投票を委譲する自然の法則」。
 デュベルジェの法則のもう一つは「機械的自動的要因」。小選挙区制においては各選挙区で第一位になった候補者しか当選しないため、第1党が得票率に比較して過大に議席を獲得すること。
 
●オルタナティブ・ヴォート(p206)
 小選挙区制で選挙を行うが、投票者は複数の候補者に順位をつけて投票する制度。過半数の候補者が出なかった場合、最下位の候補者を落選とし、その候補者に次ぐ2位に記載された候補者にその票を分配する。これを、過半数の候補者が出るまで繰り返す。
 オーストラリアで採用されている。
 
●先進性(p251)
 〔イギリスは、制度や政策の導入にしても、その行き詰まりにしても、さらにはまた、その行き詰まりへの対処にしても、常に一歩先を行っている場合が多いために、その効果や問題点、行き詰まりの原因などについて検討することが可能な、先行事例となるのである。〕
 
(2017/9/30)KG
 
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偽りの「都民ファースト」
 [社会・政治・時事]

偽りの「都民ファースト」 (WAC BUNKO 258)
 
片山善博/著 郷原信郎/著
出版社名:ワック(WAC BUNKO B-258 )
出版年月:2017年6月
ISBNコード:978-4-89831-758-7
税込価格:994円
頁数・縦:190p・18cm
 
 
 小池都知事が「希望の党」の党首に就くことになった。まさか、衆議院選挙に立候補するのか?
 豊洲問題の解決策が見えていない中、都知事の仕事はどうなる?? まさか辞任して都知事選となり、さらに税金の無駄遣いを加速させるつもりなのだろうか??
 もちろん国政は重要だが、都民の選挙によって都知事の職に就いたのだから、まずはきちんと東京都の仕事をしてもらいものだ。結局、オリンピックも豊洲市場も食い散らかすだけだし、みんなが納得のいく方向にもっていく手腕はないのかな。単に権力を握り、見せつけたいだけなのか。
 本書を読み、最近のニュースを見て、そんな感想を持った。もし、本当に都知事の再選挙になったら、片山さん、ぜひ出馬してください。
 
【目次】
はじめに 小池東京都知事の姿勢を問う
第1章 編集部編 小池劇場はこうして始まった
第2章 片山善博氏・郷原信郎氏対談(第一部)小池都知事よ、まず隗より始めよ
第3章 片山善博氏・郷原信郎氏対談(第二部)都知事としての責任と自覚
第4章 片山善博氏・郷原信郎氏対談(第三部)小池都政の先にある東京都の危機
第5章 片山善博氏・郷原信郎氏対談(第四部)変わりつつある小池都政の評価
おわりに 「小池劇場」の“暴走”が招く「地方自治」の危機
 
【著者】
片山 善博 (カタヤマ ヨシヒロ)
 1951年、岡山県生まれ。東京大学法学部卒業後、自治省に入省。能代税務署長、自治大臣秘書官、自治省国際交流企画官、鳥取県総務部長、自治省固定資産税課長などを経て、99年より鳥取県知事(2期)。2007年4月、慶應義塾大学教授。10年9月から11年9月まで総務大臣。同月慶應義塾大学に復職。17年4月、早稲田大学公共経営大学院教授。併せて、鳥取大学客員教授、日本郵船株式会社社外取締役など多くの要職を務める。
 
郷原 信郎 (ゴウハラ ノブオ)
 1955年、島根県生まれ。東京大学理学部卒。東京地検特捜部、長崎地検次席検事、法務省法務総合研究所総括研究官などを経て、2006年に弁護士登録。08年、郷原総合コンプライアンス法律事務所開設。これまで総務省顧問、日本郵政ガバナンス検証委員会委員長、総務省年金業務監視委員会委員長などを歴任。
 
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大東亞戰爭は日本が勝った 英国人ジャーナリストヘンリー・ストークスが語る「世界史の中の日本」
 [社会・政治・時事]

大東亞戰爭は日本が勝った 英国人ジャーナリストヘンリー・ストークスが語る「世界史の中の日本」/ヘンリー・S・ストークス/藤田裕行【1000円以上送料無料】
 
ヘンリー・S・ストークス/著 藤田裕行/訳・構成
出版社名:ハート出版
出版年月:2017年4月
ISBNコード:978-4-8024-0029-9
税込価格:1,728円
頁数・縦:284p・19cm
 
 
 大東亜戦争(著者は、あえて「太平洋戦争」とは言わない)は、「侵略戦争」として認識されるべきではなく、世界文明史的な意義のある戦いであったということを説く。すなわち、アジアでの日本軍の戦いが、西欧列強の植民地支配を終わらせたのである。そして、この戦争での真の敗者は日本ではなく、アジアの植民地を奪われた大英帝国だった。
 
【目次】
第1章 日本が戦ったのは「太平洋戦争」ではない!
第2章 「太平洋戦争」史観で洗脳される日本
第3章 日本は「和」の国である
第4章 世界に冠たる日本の歴史
第5章 オリエントにあった世界の文明と帝国
第6章 侵略され侵略するイギリスの歴史
第7章 アメリカの「マニフェスト・デスティニー」
第8章 白人キリスト教徒による太平洋侵略
第9章 マッカーサー親子によるフィリピン侵略
第10章 大日本帝国と西欧列強の帝国主義の違い
第11章 大日本帝国は「植民地支配」などしていない!
第12章 日本は中国を侵略していない
第13章 アメリカによる先制攻撃の「共同謀議」
第14章 大統領がアメリカ国民を欺いた日
第15章 大英帝国を滅ぼしたのは日本だった!
 
【著者】
ストークス,ヘンリー・S. (Stokes, Henry Scott)
 ヘンリー・スコット・ストークス。ジャーナリスト。1938年英国生まれ。1961年オックスフォード大学修士課程修了後、フィナンシャル・タイムズ入社。1964年来日、同年『フィナンシャル・タイムズ』東京支局長、1967年『ザ・タイムズ』東京支局長、1978年『ニューヨーク・タイムズ』東京支局長を歴任。三島由紀夫と最も親しかった外国人ジャーナリストとして知られる。
 
藤田 裕行 (フジタ ヒロユキ)
 ジャーナリスト。1961年東京生まれ。日本外国特派員協会プロフェッショナル・アソシエイト。元『国民新聞』論説委員。上智大学外国語学部比較文化学科中退。TV・ラジオなどで、海外情報の取材通訳、字幕翻訳、放送作家を担当。現在はフリーランスのジャーナリストとして、日本外国特派員協会などで英語で取材活動をしている。
 
【抜書】
●大東亜戦争を戦わなかったら(p3)
〔 もし日本が大東亜戦争を戦わなかったら、他のアジア諸国と同様に白人列強の植民地となっていたかもしれない。
 もし日本が大東亜戦争を戦わなかったら、アジアにはいまだに欧米列強が支配する世界が広がっていたかもしれない。
 そう考えてみると、大東亜戦争は「侵略戦争」であるかどうかなどという些末な議論を超えて、もっと大きな世界文明史的な意義が見いだされよう。〕
 
●反則負け(p19)
〔 空爆は、日本全国の九十三の主要都市を含む二百の都市に対して行われた。こうした空爆は、広島・長崎の原爆と同様に、戦時国際法違反である。全くの、民間人大虐殺だった。
 戦時国際法に違反して、日本人大虐殺を展開したアメリカは、「反則負け」である。東京裁判が、もしまっとうな「国際軍事裁判」であったなら、戦争犯罪国として処分されるべきは、アメリカだった。〕
 
●民主主義(p49)
〔 日本人の中に、それも国会議員や閣僚・首相経験者の中にまで、「民主主義が、アメリカによって、戦後に日本にもたらされた」と勘違いしている者が数多くいる。実に嘆かわしいことだ。日本の歴史を否定しているようなものである。
 日本は歴史を通して、話し合いで物事を決めてきた。その原点は神話になる。〕
〔 六〇四年に、聖徳太子によって制定された「十七条憲法」では、その第十七条で「大切なことは、みんなでよく相談して決めなさい。全員が合意したことは、正しい」と定めている。
 これは、世界最古の民主憲法だと言える。
 だが、聖徳太子がある日、思いついて書いたものではないだろう。当時の日本人が抱いていた考え方を、太子が述べたものであるはずだ。〕
 
●皇民化教育(p199)
 韓国の国定教科書では、「日帝の民族抹殺計画」として、6項目を挙げている。
 (1)内朝一体・皇国臣民化の名のもとに、韓国人を日本人として、韓民族をなくそうとした。
 (2)朝鮮語の使用を禁じ、日本語の使用を強要した。
 (3)韓国の歴史教育を禁じた。
 (4)日本式の姓と名の使用を強要した。
 (5)各地に神社を建てさせて崇拝させた。
 (6)子供にまで、「皇国臣民の誓詞」を覚えさせた。
 しかし、(2)は真実に反しており、実際には朝鮮人にハングルの教育を施したのが日本の統治時代だった。
 
●豊満ダム(p219)
 「リットン報告書」で「満州国の承認を一切排除する」とされたが、その後に以下の国が満州国を承認した。満州国が、短期間に立派な国家建設を果たしたからである。
 1934年 ヴァチカン(4月)、サルヴァドル(5月)
 1937年 イタリア(11月)、スペイン(12月)
 1938年 ドイツ(2月)
 1939年 ハンガリー(1月)
 1940年     汪兆銘政権(11月)、ルーマニア(12月)
 1941年 ブルガリア(5月)、フィンランド(7月)、タイ、デンマーク(8月)
 1942年 クロアチア(8月)
 1943年 ビルマ(8月)、フィリピン(10月)
〔 満州を訪れたフィリピン外相は、日本が満州に建設した豊満ダムを見学して、「フィリピンは、スペインの植民地として三五〇年、アメリカが支配して四〇年になるが、住民の向上に役立つものは、何一つ作っていない。満州は建国わずか一〇年で、このようなダムを建設したのか」と感慨深く述べた。〕
 
●大英帝国(p268)
 2016年2月、倉山満へのインタビュー記事。
 「日本が行った大東亜戦争は、大日本帝国と大英帝国が差し違えた戦いだった」
 「戦場となったアジアの国々を見れば、インドネシアとフィリピンこそオランダとアメリカの植民地だったが、マレーシア、ブルネイ、シンガポール、ビルマ、インドはすべてイギリスの植民地。つまり、(大東亜戦争の)本質は、「英国&(彼らから利益を得ていた)華僑」VS「日本&(白人に支配されていた)植民地アジアの人」の戦いだった。しかも終盤まで、日本側の全戦全勝だった。」
 
(2017/9/26)KG
 
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汗はすごい 体温、ストレス、生体のバランス戦略
 [医学]

汗はすごい 体温、ストレス、生体のバランス戦略 (ちくま新書) [ 菅屋 潤壹 ]
 
菅屋潤壹/著
出版社名:筑摩書房(ちくま新書 1264)
出版年月:2017年6月
ISBNコード:978-4-480-06958-0
税込価格:929円
頁数・縦:265p・929円
 
 
 汗の機能を解説。人間にとって身近で生存に欠かせない汗であるが、まだまだ分からないことが多いようだ。
 
【目次】
第1章 汗とは何か
第2章 エクリン汗腺とアポクリン汗腺
第3章 役に立つ汗・無駄な汗
第4章 体温調節の方法―核心温を守るための生体の戦略
第5章 暑さに負けない身体の条件―暑熱順化とは何か
第6章 熱中症と汗
第7章 ストレスによる汗
第8章 こんなときの「汗」の意味
第9章 汗の異常
 
【著者】
菅屋 潤壹 (スゲノヤ ジュンイチ)
 1946年生まれ。名古屋大学医学部卒業。医学博士。愛知医科大学医学部の講師、助教授を経て教授。現在は愛知医科大学名誉教授。専門は生理学。研究分野に発汗生理、温熱生理、環境生理、自律神経生理など。共著、編著、監訳多数。
 
【抜書】
●アセチルコリン(p39)
 エクリン汗腺では、〔脳からインパルスが届くと、神経終末からアセチルコリンという神経伝達物質が放出され、これが分泌細胞の表面にある受容体に結合すると汗の製造が始まる。〕
 一般の器官では、交感神経の伝達物質はノルアドレナリンやアドレナリンである。
 発汗神経も、胎生期にはノルアドレナリンだが、出生までにアセチルコリンに代わってしまう。
 ノルアドレナリンは血管収縮作用があり、汗腺への血流を減らしてしまうので、アセチルコリンのほうが適していいる。
 
●能動汗腺(p44)
 出生後3~5日に手のひらと足の裏を除く一般の体表面の汗が出始め、汗腺の能動化は、2歳半頃に完了する。
 能動化する汗腺数は、出生後に生活した暑熱環境に影響される。日本人の場合、約230万個。台湾やタイの住民は約240万個。フィリピン約280万個。ロシア約140万個、アイヌ約190万個。
 
●アポクリン汗腺(p53)
 アポクリン汗腺は、皮膚面の開口部が皮膚の表面ではなく、毛包(毛をその根元から皮膚の表面まで包み込んでいる円筒状の鞘)の上部に開いている。一つの毛包にふつう2、3個のアポクリン汗腺が開いている。皮脂腺もここに開いている。毛とともに三者一体の構造。
 エクリン汗腺は、皮膚の表面に汗孔が存在する。
 アポクリン汗腺には交感神経が分布し、その末端から放出される物質はノルアドレナリン。
 アポクリン汗腺は、基本的に黒い毛(硬毛)がある部位に存在する。わきの下、乳頭、乳輪、陰嚢、陰唇、肛門周辺に多い。へその下、胸部、下腹部などの有毛部にもわずかに存在する。
 外耳道や眼瞼にも存在。外耳道の汗腺の分泌物は耳垢の原因となる。
 
●不感蒸泄(p66)
 汗腺によらない、皮膚面での水分の蒸発。
 表皮の深層にある水が水蒸気となり、その外側(表層)の角質を通過して皮膚表面に出たもの。
 
●褐色脂肪組織(p76)
 非ふるえ熱産生は、褐色脂肪組織と呼ばれる器官によって熱が産生される。
 褐色脂肪組織は、熱を産生するために働く特殊なたんぱく質(脱共益タンパク)を有する。
 新生児期には、褐色脂肪組織が頸部、鎖骨下部、腎臓周囲など各所に散在していて、小型のために体熱が失われやすい出生直後の個体の体温維持に役立っている。
 一部の成人にも残存し、体温調整にかかわっている。
 
●労作性熱射病(p141)
 熱射病には、古典的熱射病と労作性熱射病がある。
 古典的熱射病……高齢者、小児、慢性疾患(糖尿病、精神疾患など)の患者、活動性の低い人、特定の薬剤(発刊抑制薬、向精神薬、など)の投与を続けている人などがかかる。熱波や猛暑の際に増加。汗は、ふつう、完全に停止する。
 労作性熱射病……健康な青年期の男性に多い。スポーツマン、兵士、労働者(建設業、農・林業、運輸業)などが、高温多湿の環境で激しい筋活動をするときに発症する。汗は完全に停止せずに、多少残っていることもある。古典的熱射病に比べて重症なことが多い。
 
●男女差(p184)
 女性は、男性に比べて熱産生量が少ない。基礎代謝量が約6~10%ほど低い。
 皮下脂肪も男性より厚いので、汗が少なくて済む。断熱効果による。
 
●冷たい汗(p231)
 「熱い汗」は高くなった体液の温度を正常に戻す働きがある。恒常性の確立。
 「冷たい汗」は、体温以外のいくつかの要素が調整の限界を超えてしまって恒常性の維持が困難になり、個体にとって生命の危機が迫ってきたときに発現。体温を下げることにより、低酸素に対応。各細胞を内部環境の危機的環境に適応させることで個体が生き延びる確率を高める。
 
●胃食道逆流症(p235)
 胃食道逆流症(GERD)が起こると、就寝中に寝汗をかく。この場合の寝汗の理由は明らかにされていない。
 胃食道逆流書……食道下部の筋肉の締め付けが弱いために、胃の内容物が食道に逆流する疾病。
 
●耳下腺(p245)
 物を食べると、耳の前方や下方に多汗を生じる人がいる。
 耳下腺の炎症、手術、耳下腺の外傷などあって、その数年後に発症することがある。味覚性多汗症。
 耳下腺は、唾液中枢からの指令を副交感神経経由で受け取って唾液を分泌する。しかし、副交感神経が損傷を受けた後、再生する際に成長する神経の末端がその付近を走行している発汗神経(交感神経)に誤ってつながってしまうことがある。
 
(2017/9/23)KG
 
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