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日本経済瀕死の病はこう治せ!
 [経済・ビジネス]

日本経済 瀕死の病はこう治せ!  
島田晴雄/著
出版社名:幻冬舎
出版年月:2018年3月
ISBNコード:978-4-344-03264-4
税込価格:1,296円
頁数・縦:255p・18cm
 
 
 日本経済の危機を解説し、再興に向けてのシナリオを提示する。
 将来世代の負担を増やさないためにも、増税やむなしという立場である。
 
【目次】
なぜ日本は危機に近づいているのか
破綻に向かう日本経済
経済が破綻するとどうなるか
なぜ本格的対応がとられないのか
国民に危機を気づかせないしくみ
日本政府の苦難のあゆみ
なぜ年金は膨張したのか
財政政策改革への提言
社会保障改革への提言
目前の危機を克服し、若い力で新しい日本を築こう
日本再興に向けてのシナリオ
自然資源が持つ大きな可能性
 
【著者】
島田 晴雄 (シマダ ハルオ)
 1943年生まれ。65年慶應義塾大学経済学部卒業。70年同大学大学院経済学研究科博士課程修了。74年ウィスコンシン大学にて博士号取得。首都大学東京理事長、慶應義塾大学名誉教授。経済企画庁経済研究所客員主任研究官、フランスESSEC(経済経営グランゼコール)交換教授、米国MIT訪問教授、富士通総研経済研究所理事長、日本フィルハーモニー交響楽団理事長等を歴任。2001年9月より5年間内閣府特命顧問。専門は労働経済学、経済政策。『ヒューマンウェアの経済学―アメリカの中の日本企業』(岩波書店、サントリー学芸賞受賞)など著書多数。
 
【抜書】
●レアルプラン(p70)
 ブラジル大統領フェルナンド・エンリケ・カルドーゾ(任期1995-2002)。
 90年代前半、インフレは3桁から4桁にまで昂進。86年から94年まで、1000分の1のデノミネーションを4回も実施。
 レアルプラン……米国ドルと等価のインデックス通貨「URV」を導入し、第二通貨として国民に親しませたうえで、Xデイを定めて旧通貨を廃止。直ちにURVと等価のレアルを発行。見事にインフレを鎮静化させた。
 超インフレ克服の世界史的業績と評価されている。
 
●自立重視(p163)
 北欧型福祉……介護施設で、寒い日でも外の散歩を義務付ける。ベッドと車椅子の乗り降りを自力でできるよう、手すりなどが取り外しやすいように作られている。その反面、車椅子の座位の褥傷を避けるクッションに工夫が凝らされている。
 日本では、介護施設の利用者を寝たきりにする傾向が強い。車椅子を後ろから押してもらう介護者依存が多い。
 
●スタートアップシティ(p212)
 ベルリンが今、「スタートアップシティ」として活気に満ちている。EU、そして世界各国からベンチャー志願の若者が集まって、切磋琢磨している。ベルリンパートナーという公的機関がインキュベーターを整備、若者たちを支援している。
 イスラエルのテルアビブの北側にハイファという街があり、グーグルやマイクロソフトなどが進出し、若いベンチャーと共同研究をしたり、開発の成果を買い取ったりしている。高度な情報技術をもつ軍隊で経験を積んだ若者たちが、先端技術のベンチャービジネスを始めるケースが多い。イスラエルは、人口比率でもスタートアップの多い国。
 
(2018/6/30)KG
 
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移民の政治経済学
 [経済・ビジネス]

移民の政治経済学  
ジョージ・ボージャス/著 岩本正明/訳
出版社名:白水社
出版年月:2018年1月
ISBNコード:978-4-560-09591-1
税込価格:2,376円
頁数・縦:227, 12p・20cm
 
 
 中東での紛争によってヨーロッパに押し寄せる大量の難民が問題となって久しい。トランプ大統領候補(当時)のメキシコ国境の壁建設発言も、移民に対する関心を高めた。
 国が移民を受け入れることは、是か非か……。
 本書の著者は、「是」と考えている。アメリカは、移民を受け入れるべきだ、と。
 しかし、経済的な観点からは、必ずしも受け入れ国に利益をもたらすものではない、という。移民は労働ロボットではなく、工場を出たら生身の人間としての生活がある。当然ながら社会保障等のコストがかかるし、移民によって賃金が下がる、もしくは職を奪われる自国民が生まれることもある。移民によって賃金が下がって利益を得るのは、雇用主だけかもしれない。
 にもかかわらず、「是」と考えるのは、本人がキューバからの移民であり、この国で恩恵を受けた一人でもあるからだ。
〔米国はこれまで、ほとんど成功の機会のない多くの外国人に希望と新たな人生を提供するという、他国に類を見ない歴史的に重要な役割を担ってきた。そうした国こそが私が住みたい国なのだ。〕(p215)
 移民により不利益を被る人たちに対しては、再分配を組み直すことで対応すべきである、という。イデオロギーによって、移民の受け入れは利益をもたらすという試算の恣意性に反論し、現実的な負の数字を突き付けつつも、著者は移民賛成論者である。
 
【目次】
第1章 イントロダクション
第2章 ジョン・レノンがうたった理想郷
第3章 米国における移民の歴史
第4章 移民の自己選択
第5章 経済的同化
第6章 人種のるつぼ
第7章 労働市場への影響
第8章 経済的利益
第9章 財政への影響
第10章 いったい誰の肩を持つの?
 
【著者】
ボージャス,ジョージ (Borjas, George J.)
 1950年キューバ生まれ。1962年に米国に移住。コロンビア大学で経済学博士号取得。カリフォルニア大学を経て、1995年からハーバード・ケネディスクール教授。労働経済学の分野で最も権威のあるIZA賞を2011年に受賞している。
 
岩本 正明 (イワモト マサアキ)
 1979年生まれ。大阪大学経済学部卒業後、時事通信社に入社。経済部を経て、ニューヨーク州立大院で経済学修士取得。通信社ブルームバーグに転じて独立。
 
【抜書】
●富の再分配(p13)
〔 本書で繰り返し述べることは、移民が国民にもたらす経済的な利益や損失は一様ではないということだ。簡単に言えば、移民の受け入れで儲ける人がいれば、損をする人もいる。あらゆるイデオロギーの装飾や意図的なぼかしを取り除いて裸にすれば、移民をありのままに見ることができる。移民とは単なる富の再分配政策なのだ。〕
 
●経済のパイ(p211)
 あらゆる政策目標は、「経済のパイ」を可能な限り大きくすることが正しいという価値観に基づく。
 多くの経済学者も、これと同じ思考回路を持っている。
 
(2018/5/12)KG
 
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コピペと捏造 どこまで許されるのか表現世界の多様性を探る
 [経済・ビジネス]

コピペと捏造:どこまで許されるのか、表現世界の多様性を探る  
時実象一/著 情報科学技術協会/監修
出版社名:樹村房
出版年月:2016年11月
ISBNコード:978-4-88367-270-7
税込価格:1,944円
頁数・縦:222p・19cm
 
 
 これまでに起きた著作権侵害や捏造事件について、実際の事件を紹介しながら論じる。
 パロディ作品について、日本の不寛容さを嘆いている。
 
【目次】
序 どこまで許されるのか
 パクリと創造の境界
 パクリとパロディ、オマージュの違い
  ほか
第1部 あらゆる分野にはびこるコピペとパクリ
 歴史上に見られる盗用
 小説に見られる盗用のパターン
  ほか
第2部 バレないと困るパロディの世界
 裁判になったパロディ事件
 贋作もあるデザインのパロディ
  ほか
第3部 怪しい捏造と改竄
 結論ありきのテレビの捏造
 ドキュメンタリーの捏造と真実の境界
  ほか
おわりに 厳しいだけではない寛容さを求めて
 病理としてのコピペと捏造
 むずかしいノンフィクションにおける判断
  ほか
 
【著者】
時実 象一 (トキザネ ソウイチ)
 1944年、岡山県に生まれる。1966年、東京大学理学部化学科卒業。1968年、東京大学大学院理学系研究科化学専門課程修士課程修了。東洋レーヨン(現東レ)株式会社、社団法人化学情報協会、米国化学会ケミカル・アブストラクツ・サービス(CAS)、科学技術振興事業団(JST)、愛知大学文学部教授などを経て、現在、東京大学大学総合教育研究センター非常勤講師。一般社団法人情報科学技術協会会長。学術情報XML推進協議会会長。大阪大学にて理学博士号授与(1987)。
 
(2018/3/10)KG
 
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仮想通貨の時代
 [経済・ビジネス]

仮想通貨の時代  
ポール・ヴィニャ/著 マイケル・J・ケーシー/著 コスモユノー/訳
出版社名:マイナビ出版
出版年月:2017年9月
ISBNコード:978-4-8399-6362-0
税込価格:3,132円
頁数・縦:378p・21cm
 
 
 翻訳が分かりにくく、誤植も多く、なかなかの難物であった。
 たとえば、「このパブリックキーの暗号システムのオンラインバンクアカウントのパスワードをユーザネームに適用するもので、インターネットと金融のアプリケーションでは広く使われている手法で、オンラインバンキングと電子メールでも使われ、人選択したデータをすべての情報にアクセス権を与えることは必要なく共有するものである。」(p.123)
 意味が通じないのは、専門知識がないから?
 
【目次】
1章 バビロンからビットコインへ
2章 創世記
3章 コミュニティ
4章 ローラーコースター
5章 ブロックチェーンを作る
6章 軍備拡張戦争
7章 サトシの製造所
8章 アンバンクト
9章 すべてをブロックチェーンで
10章 四角い杭が丸い穴と会う
11章 新たな経済モデル
結論 何が起ころうと…
 
【著者】
ヴィニャ,ポール (Vigna, Paul)
 ウォール・ストリート・ジャーナル(The Wall Street Journal, WSJ)のマーケット・リポーター。WSJのMoneyBeatブログに書き込み、MoneyBeatショーの司会をつとめ、“BitEeat”デイリー・コラムを更新する。ヴィニャはダウ・ジョーンズ経済通信(Newswires)のコラム「Market Talk」の執筆、編集もつとめる。妻と息子と一緒にニュージャージーに住んでいる。
 
ケーシー,マイケル・J. (Casey, Michael J.)
MIT Media Labのデジタル通信イニシアティブのシニアアドバイザー。かつてはWSJで世界金融に関するコラムニストをつとめ、『Che's Afterlife: The Legacy of Image』:“ミチコ・カクタニによる2009年の本トップ10”選出など、の著作がある。妻と2人の娘と一緒にニューヨークに住んでいる。
 
【抜書】
●2,100万コイン(p63)
 サトシ・ナカモトは、2009年初頭、ビットコインの発行(マイニング)を開始した。
 最初の4年間は、10分ごとに固定した50個のコインを発行し、マイニングに成功した者の所有となる。
 2012年末には発行量を25コインに減らし、その後、4年ごとに半減を続け、2140年にはゼロになるように設計されている。
 合計で、2,100万コインが発行される。
 
●クラウド・ハッシング(p140)
 マイニングするための機器を大量に買い入れてデータセンターを設置し、ハッシュ化能力を分割して貸し出す仕組み。
 顧客は、自分の支払金額に応じて、ビットコインの分配を受けることができる。
 
●M-Pesa(p215)
 M=Mobile、Pesa=お金(スワヒリ語)。
 銀行に口座を持つ成人のケニア人の割合は42%。しかし、ケニア人の多くは電話を持っていた。
 2007年、ケニア最大の通信会社Safaricomは、利用者に電話を使って送金させるパイロットプログラムを開始した。プリペイド通話時間の標準単位を、通貨形式に変換した。
 M-Pesaを利用するには、まずアカウントにサインアップして電話に電子ウォレットを受け取る。
 お金を追加するには、現地のSafaricom代理店に行き、「e-float」と同額の現金を払う。代理店は、全国に1万5000件以上ある。
 その後、他のM-Pesaアカウント所有者に送金したり、通話時間を購入したり、支払いしたりすることができる。
 お金を引き出すには、代理店に行き引き出しの申し込みをする。アカウントにe-floatの相当額があれば代理店はその分の現金をその場で渡す。
 ケニア人の3分の2がこのM-Pesaを利用しており、ケニアのGDPの流れの約25%がこのシステムを経由している。
 Safaricomの40%を所有するVodafoneは、タンザニア、南アフリカ、モザンビーク、エジプト、フィジー、インド、ルーマニアでこの製品を展開している。
 
(2018/2/21)KG
 
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ユニクロ潜入一年
 [経済・ビジネス]

ユニクロ潜入一年  
横田増生/著
出版社名:文藝春秋
出版年月:2017年10月
ISBNコード:978-4-16-390724-6
税込価格:1,620円
頁数・縦:309p・20cm
 
 
 『ユニクロ帝国の光と影』(2011年、文藝春秋)の著者による、ユニクロ潜入ルポ。
 ユニクロは、同書発行後ほどなく文藝春秋に対して名誉棄損の訴えを起こしたが、2014年12月に最高裁が上告を棄却し、敗訴している。その後、ユニクロは横田氏に対する取材拒否と決算会見への出席不許可を続けている。これに対する怒りが、同氏に2冊目のユニクロ本を書かせることにつながった。
 結局、不屈のジャーナリストに対しては、SLAPPは脅しとならず、火に油を注ぐ結果になったということか。
 
【目次】
はじめに 藤原氏とは何か
序章 鎌足の「功業」と藤原氏の成立
第1章 不比等の覇権と律令体制
第2章 奈良朝の政変劇
第3章 藤原北家と政権抗争
第4章 摂関政治の時代
第5章 摂関家の成立と院政
第6章 武家政権の成立と五摂家の分立
おわりに―日本史と藤原氏
 
【著者】
横田 増生 (ヨコタ マスオ)
 1965年、福岡県生まれ。アイオワ大学ジャーナリズムスクールで修士号。93年に帰国後、物流業界紙『輸送経済』の記者、編集長を務め、99年フリーランスに。
 
【抜書】
●SLAPP裁判(p41)
 大企業や政治家などの「社会的強者」が起こす、高額な賠償金を求める名誉棄損裁判のこと。「威嚇裁判」「恫喝裁判」「高額嫌がらせ裁判」などと意訳される。
 訴える側にとっては、自分たちの社会的な評価を低下させる表現を見つけ、あとは訴訟を弁護士に依頼すればいいだけだから、うるさいメディアを黙らせるには低廉なメディア対策と言える。
〔 ユニクロは裁判に負けたが、しかし文春との裁判終了後、新聞や雑誌において独自取材によるユニクロ記事をほとんど見かけなくなったという点では、ユニクロは言論の萎縮効果という、実質的な”果実”を手に入れたように私にはみえた。多くのマスコミは、SLAPP裁判も辞さないというユニクロについて、調査報道をしようという気にはなかなかならないものである。私の目には、ユニクロは、あれこれと同社のことを詮索するマスコミの口を封じることに成功したように映った。〕
 
●ラギー原則(p192)
 国連人権理事会は、2011年、「ビジネスと人権に関する指導原則」を採択した。通称「ラギ―原則」。
 これまでは、主に国家が自国民の人権を守る義務(duty)を負ってきた。
 しかし、大手資本の国際企業が、国境を越えてビジネスを展開するようになった。国際企業にもそのサプライチェーン全般においてビジネスを展開する国で雇用する人々に対する人権を守る責任(responsibility)がある、とする考え方。
 
(2018/2/10)KG
 
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異次元緩和の終焉 金融緩和政策からの出口はあるのか
 [経済・ビジネス]

異次元緩和の終焉 金融緩和政策からの出口はあるのか
 
野口悠紀雄/著
出版社名:日本経済新聞出版社
出版年月:2017年10月
ISBNコード:978-4-532-35748-1
税込価格:1,944円
頁数・縦:261p・20cm
 
 
 日銀が推進する「異次元金融緩和政策」の誤りを指摘し、日本経済の目指すべき方向を示す。
 
【目次】
序論 「金融政策の死」を「経済の死」につなげぬために
第1章 効果なしと分かっていた量的緩和をなぜ繰り返したのか?
第2章 弊害の大きいマイナス金利と長期金利操作
第3章 評価(1)物価上昇率目標は達成できず
第4章 評価(2)消費を増やさず、格差が拡大した
第5章 世界は金融緩和政策からの脱却を目指す
第6章 出口に立ちふさがる深刻な障害
第7章 本当に必要なのは構造改革
 
【著者】
野口 悠紀雄 (ノグチ ユキオ)
 1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年イェール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学ファイナンス研究科教授などを経て、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書:『情報の経済理論』(東洋経済新報社、日経・経済図書文化賞)、『財政危機の構造』(東洋経済新報社、サントリー学芸賞政治経済部門)、『バブルの経済学』(日本経済新聞社、吉野作造賞)など。
 
【抜書】
●金融緩和政策(p88)
 第2次安倍政権の金融緩和政策は、以下のようなルートを経て、経済活動を拡大させると期待されている。
  マネタリーベース(現金通貨+日銀当座預金)の増大
    ↓
  マネーストック(現金通貨+預金通貨)の増大
    ↓
  マネーに対する需給が緩和
    ↓
  実質金利の低下
    ↓
  設備投資などの増加
 しかし、期待したようにはマネーストックは増加しなかった。そもそも、今の日本には、マネーの需要がない。
 〔異次元金融緩和政策は「空回りした」と評価せざるをえない。〕
 
●金融政策の大転換(p127)
 (1)マイナス金利からの脱却。
 (2)長期金利について、ある程度の上昇を容認する。
 (3)巨額の国債購入を惰性的に続けることをやめる。
 これらによって、為替レートが円安に動くのを抑止することができる。政策転換を明らかにすれば、投機筋の行動が変化し、円高になる。
 円高になれば輸入物価が下落。さらに、企業の競争を促進させ、輸入物価の低下が消費者物価の低下に反映させやすい状況を作る。そうすれば実質賃金が上昇する。そして、実質消費が増大することで、経済成長が実現する。
 〔いま日本に求められているのは、実質賃金を引き上げて、消費主導の経済成長を実現することなのである。〕
 
●消費税減税(p143)
 日本の企業は、内部留保を増大させている。いま必要なのは、法人税を増税して消費税の減税を行うこと。
〔 しかし、問題は、日本の政治が法人税増税を行なう体質になっていないことである。とりわけ、現在の自民党内閣は「株価連動内閣」と言われるほどだから、こうした政策を行なうはずがない。
 本来は、労働者の立場からの議論が起こるべきだが、そうした利害を代弁する政治勢力が存在しない。日本経済が停滞から脱却できないのは、このような政治的構造に大きな原因がある。〕
 
●インフレ率(p208)
 各国のインフレ率。『国家は破綻する』(カーメン・ラインハート/ケネス・ロゴフ、日経BP社、2001年)による。
 1923年のドイツ、年率200憶%以上。
 1946年のハンガリー、年率9×10の26剰パーセント。過去最高。
 日本では、1945年の年率568%が最高。
 
●TPP(p249)
〔 そもそも、TPPは、貿易自由化のための協定ではない。それは、関税同盟であり、域内地域だけで特別の関係を築こうとする協定だ。それは、自由貿易の原則に背く。たとえば、TPPを締結すれば、原産地規則によって、域外国での部品などの生産は不利になる。TPPが自由貿易を促進するというのは、まったくの誤解に過ぎないのだ。〕
 
●食料自給率(p253)
〔 「自給率を高めることが必要だ」という論理は誤りなのだ。「食料安全確保のために自給率向上が必要」とされるが、天候不順などによって引き起こされる食料不足問題に対処する最も基本的な方策は、輸入自由化を進めて、供給地を分散させることである。
 もちろん、自由貿易によって、自動的にすべての国民が利益を得るわけではない。国内の消費者は利益を得るが、国内の生産者は損失を被る。しかし、国全体としてパイ全体が大きくなっていれば、利益を受けた集団から損失を受けた集団への補償が可能だ。それが実現されれば、すべての人が貿易自由化の恩恵を享受できる。関税で輸入を制限するのではなく、輸入は自由にして、補助金を支出するほうがよい。〕
 
(2018/1/11)KG
 
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近大革命
 [経済・ビジネス]

近大革命
 
世耕石弘/著
出版社名:産経新聞出版
出版年月:2017年11月
ISBNコード:978-4-8191-1326-7
税込価格:1,404円
頁数・縦:236p・19cm
 
 
 近畿大学の創立者の孫にあたる著者が実践してきた、近大のPR戦略を余すところなく語る。今や、日本の大学で志願者数がナンバー1となった軌跡など。
 付属高校、大学の卒業生でもあるつんく♂が総合プロデューサーを務めた2014年、2015年の入学式の話は、涙なしには読めない。特に15年には、そのステージで声帯摘出を初めて公表した。
 
【目次】
第1章 問題は正しく提起された時に解決する
第2章 誰に向けた仕事か常に考える
第3章 これが近代広報部の実力だ!
第4章 「近代マグロ」成功の本質とは何か
第5章 入学式と卒業式は最大の広報コンテンツ
第6章 私立大学は企業か
 
【著者】
世耕 石弘 (セコウ イシヒロ)
 奈良県出身。1992年に大学を卒業後、近畿日本鉄道株式会社に入社。以降、ホテル事業、海外派遣、広報担当を経て2007年、近畿大学に奉職。入学センター入試広報課長、同センター事務長、広報部長を経て17年4月から広報室などを統括する総務部長。
 
【抜書】
●『近大コメンテーターガイドブック』(p97)
 2013年、『近大コメンテーターガイドブック』を発刊。
 約1200人に上る教員の専門分野やコメントできる内容、顔写真を掲載した冊子。
 毎年更新して新聞社やテレビ局など各社に配布している。
 マスコミから広報に連絡が入ると、担当者がワンストップで取材をセッティングする。
 「全教職員が情報収集力と発信力を高め、近大の広報員となる」とする近大の方針に沿ったもの。教員にとっても、自分と研究成果をアピールするきっかけとなる。
 
●近大ピックス(p102)
 2015年10月公開。近畿大学に関するキュレーションサイト「Kindai Picks」。インターネット上にある情報「社会から見た近大の姿」を収集し、再発信。
 広報部が「Kindai Picks編集部」としてキュレートを行い、新聞や雑誌などのサイトから近大に関連する記事をピックアップして掲載。また、卒業生や教職員ら近大と縁のある人へのインタビューなど、オリジナル・コンテンツも掲載。専門知識を持つ教職員によるニュース解説もある。
 
(2018/1/8)KG
 
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人間の経済
 [経済・ビジネス]

人間の経済 (新潮新書)
 
宇沢弘文/著
出版社名:新潮社(新潮新書 713)
出版年月:2017年4月
ISBNコード:978-4-10-610713-9
税込価格:778円
頁数・縦:189p・18cm
 
 
 宇沢弘文へのインタビューと講演をまとめた遺著(?)。
 2009年に企画された本書出版前に体調を崩し、2014年9月に他界したが、2年半を経て刊行される。「論」と いうより「随筆」に近い内容であるが、氏の思想、生き様が現れている。
 
【目次】
序 社会的共通資本と人間の心
1 「自由」と「利益」の暴走
2 経済学と医療をめぐって
3 教育とリベラリズム
4 大学と都市の理想と現実
5 数学という永遠の命
6 天与の自然、人為の経済
7 人類と農の営み
8 「シロウトの経済学」ゆえの仏心
 
【著者】
宇沢 弘文 (ウザワ ヒロフミ)
 1928年鳥取県生まれ。経済学者。東京大学理学部数学科卒。シカゴ大学や東京大学などで教鞭をとる。97年に文化勲章受章。2014年に他界。
 
【抜書】
●イギリスのインド支配(p58)
 イギリスの軍隊は、インドを守るためにあるという名目で、軍事費のかなりの部分をインド政府に負担させていた。
 イギリスの国家公務員は、任期中に必ず2、3年はインドに赴任。インドのために尽くしたということで、その年金をインド政府が払う。
 〔世界でいちばん貧しい国が、世界で一番豊かな国の軍事費と国家公務員の年金を負担する、それがパックス・ブリタニカの過酷さを象徴しています。〕
 
(2017/12/17)KG
 
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世界一訪れたい日本のつくりかた 新・観光立国論〈実践編〉
 [経済・ビジネス]

世界一訪れたい日本のつくりかた―新・観光立国論【実践編】
 
デービッド・アトキンソン/著
出版社名:東洋経済新報社
出版年月:2017年7月
ISBNコード:978-4-492-50290-7
税込価格:1,620円
頁数・縦:321p・19cm
 
 
 日本在住32年の知日家による、国際観光業振興策。国際データ比較をもとに、かなり具体的な提案を含み、納得の内容。
 
【目次】
第1章 日本の「実力」は、こんなものじゃない―「大観光時代」を迎える世界と日本の現状
第2章 「どの国から来てもらうか」がいちばん大切―国別の戦略を立てよう
第3章 お金を使ってもらう「魅力」のつくりかた―「昭和の常識」を捨てて、質を追究しよう
第4章 自然こそ、日本がもつ「最強の伸び代」―「長く滞在してもらう」ことを考えよう
第5章 「誰に・何を・どう伝えるか」をもっと考えよう―「So What?テスト」でうまくいく
第6章 儲けの9割は「ホテル」で決まる―「高級ホテル」をもっと増やそう
第7章 観光は日本を支える「基幹産業」―あらゆる仕事を「観光業化」しよう
 
【著者】
アトキンソン,デービッド (Atkinson, David)
 小西美術工藝社代表取締役社長。三田証券社外取締役。元ゴールドマン・サックス金融調査室長。裏千家茶名「宗真」拝受。1965年イギリス生まれ。オックスフォード大学「日本学」専攻。1992年にゴールドマン・サックス入社。日本の不良債権の実態を暴くレポートを発表し、注目を集める。2006年にpartner(共同出資者)となるが、マネーゲームを達観するに至り2007年に退社。2009年、創立300年余りの国宝・重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社に入社、2011年に同社会長兼社長に就任。
 
【抜書】
●第3の基幹産業(p19)
 観光産業は、全世界のGDPの10%、雇用の11分の1を生み出している。世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)の試算。
 観光輸出の総計は1.5兆ドル。世界総輸出の7%。国連世界観光機関(UNWTO)の試算。
 世界経済において、「観光産業」はエネルギー、化学製品に次ぐ「第3の基幹産業」。
 
●第4位(p48)
 World Economic Forum(WEF)は、2年に1回、世界の旅行・観光国際競争力の分析結果を発表している。2017年4月のデータでは、日本の国際競争力は世界第4位。
 2年前に比べて世界一改善している国。2009年は、25位、2011年22位、2013年14位、2015年9位だった。
 改善したものは、ICT対応(WiFi利用等)、国際的開放度(観光ビザの取得、観光政策)、文化資源、自然資源、など。
 
●昭和の観光業(p106)
 昭和の観光業……高度経済成長や、一極集中(GW、盆暮れ、など)、人口増加を背景にした、量と画一性を重視。
 平成の観光業……中国人観光客増大のため、「昭和の観光業」を温存。「春節商戦」など。
 将来の観光業……〔満足度を上げてリピーターを獲得する戦略をとることで観光客数という「量」を増やし、それ以上に単価を上げることで収入を増やす。〕トヨタのレクサス戦略と同じ。
 
●森林が完成しない(p139)
 日本の美しい自然を作り出しているのは、「自然災害」。あるパークレンジャーの説明。
 地震、火山、台風、大雨などの自然災害により、日本では「森林が完成しない」。
 自然環境が全く変わらないと、弱肉強食が顕著となり、生物的に強い種が弱い種を駆逐して、勢力を増していく。しかし、定期的に大規模な自然災害に見舞われる日本では、どんなに強い種でもあっという間に駆逐されてしまう。そうなると、隅に追いやられていた別の種が台頭するチャンスが巡ってくる。優越種の入れ替わりが起こる。弱い種も絶滅しない。多様性に富んだ自然ができる。
 
●ハンティング・ツーリズム(p171)
 害獣駆除のために、「ハンティング・ツーリズム」を導入するとよい。自然を武器にした観光戦略の一つ。
 
(2017/11/11)KG
 
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分解するイギリス 民主主義モデルの漂流
 [経済・ビジネス]

分解するイギリス: 民主主義モデルの漂流 (ちくま新書 1262)  
近藤康史/著
出版社名:筑摩書房(ちくま新書 1262)
出版年月:2017年6月
ISBNコード:978-4-480-06970-2
税込価格:929円
頁数・縦:267p・18cm
 
 
 民主主義のモデルとされたイギリスが「分解」し、漂流している。イギリスの議会制民主主義の歴史、特徴を解説し、その分解の過程を論じる。
 二大政党制の代表的な国イギリスでも多党化が進んでいるという。そもそも、多様な意見を二つの政党の主張で代表させるのには無理がある。民主主義が行きわたり、情報化も進んで社会が複雑化している現代ではなおさらだ。
 
【目次】
序章 モデルとしてのイギリス?
第1章 安定するイギリス
第2章 合意するイギリス
第3章 対立するイギリス
第4章 分解するイギリス
終章 イギリスはもはやモデルたりえないか?
 
【著者】
近藤 康史 (コンドウ ヤスシ)
 1973年生まれ。筑波大学人文社会系教授。専門は比較政治・イギリス政治。名古屋大学大学院法学研究科博士課程修了、博士(法学)。
 
【抜書】
●イギリスの議会制民主主義(p29)
 民主主義のモデルとして位置づけられてきたイギリスの議会制民主主義は、以下のような制度的パーツから形作られている。
 ・議会主権
 ・小選挙区制
 ・二大政党制
 ・一体性のある政党組織
 ・執政(内閣)優位の執政ー議会関係
 ・中央集権的な単一国家
 
●多数決型民主主義(p29)
 比較政治学者アレント・レイプハルトは、民主主義を「多数決型民主主義」と「コンセンサス型民主主義」とに分類。
 イギリスは、ひとりでも数が上回ったほうに決定権を与える「多数決型民主主義」。
 コンセンサス型は、「なるべく多くの人が納得する選択肢に決定する」もの。
 
●ウェストミンスター・モデル(p41)
 イギリスの民主主義を示す言葉である「ウェストミンスター・モデル」の核をなすのは、「議会主権」。さまざまな政治的決定や法律形成を行う最上の機関が、ウェストミンスター議会である。
 イギリスには、議会を超える権威である成文化された憲法が存在しない。憲法的な取り決めも、議会において一般的な法律と同様の手続きを経て行われる。
 
●同意と代表(p42)
 中世、国王は戦争の費用を貴族たちに負担させていた。それに不満を持った貴族たちの「同意」を得るために招集された場が議会の起こり。
 13世紀になると、貴族以外の人々からも同意を得るために、「庶民院(House of Commons)が形成され、「貴族院」(上院)と「庶民院」(下院)の二院制として確立された。
 庶民院は、定期的にメンバーを選出し始めるようになる。つまり、人々の「代表」を選び、その代表によって決めるという原理が強まった。イギリスの議会において「同意」の原理と「代表」の原理が結合した。
 1689年の「権利の章典」、1701年の王位継承法によって多くの国王特権がはく奪され、議会の権限が強まり、現代につながる政党システムが形成され始めた。
 19世紀になって参政権が徐々に拡大され、議会の民主主義化が進めれられるにつれ、議会の持つ代表原理もさらに強まった。
 
●下院の優越(p45)
 イギリスの議会では、下院(庶民院)の優越が認められている。
 庶民院で開始された法案については、貴族院の反対があっても、最初の討論から3回の会期を連続して庶民院を通過した場合、貴族院の拒否権は「一時停止的な拒否権」にとどまる。最大1年、法案成立を遅らせることができるのみ。
 歳入などの予算にかかわる法案(金銭法案)は、貴族院の同意が得られなくても、1か月後には成立する。
 
●二大政党制(p52)
 二大政党制は、安定性と競争性を両立させた政党システムであった。しかし、イギリスでは、その安定性が崩れ始めている。
 イギリスの二大政党制の起源は、1688年の名誉革命。このころ、トーリー党とホイッグ党の二大党派が生まれた。
 トーリー党は王党派とも呼ばれ、王権を支持。現在の保守党につながる。
 ホイッグ党は王権の制限を求め、その後の自由党へとつながる。
 政党間対立というより、与党と野党、権力者と対抗者という形に近かった。
 20世紀には、自由党が分裂しがちになり、勢力が衰退し、労働党が二大政党の座を奪う。
 
●小さな悪(p54)
 フランスの学者モーリス・デュベルジェが唱えた、小選挙区制は二党制に有利に働くという説のうち、「心理学的要因」。
 小選挙区制では、第3党以下に投票して死票になるより、「より大きな悪を防ぐために、二つの対抗者のうちのより小さな悪に、自分たちの投票を委譲する自然の法則」。
 デュベルジェの法則のもう一つは「機械的自動的要因」。小選挙区制においては各選挙区で第一位になった候補者しか当選しないため、第1党が得票率に比較して過大に議席を獲得すること。
 
●オルタナティブ・ヴォート(p206)
 小選挙区制で選挙を行うが、投票者は複数の候補者に順位をつけて投票する制度。過半数の候補者が出なかった場合、最下位の候補者を落選とし、その候補者に次ぐ2位に記載された候補者にその票を分配する。これを、過半数の候補者が出るまで繰り返す。
 オーストラリアで採用されている。
 
●先進性(p251)
 〔イギリスは、制度や政策の導入にしても、その行き詰まりにしても、さらにはまた、その行き詰まりへの対処にしても、常に一歩先を行っている場合が多いために、その効果や問題点、行き詰まりの原因などについて検討することが可能な、先行事例となるのである。〕
 
(2017/9/30)KG
 
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